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TOP画像の通り雌花が開花を始めまして、授粉作業が始まりました。
■授粉作業での課題
授粉後の雌花につきまして、徐々に膨らみを見せておりますが、一週間以上様子を見なければ成功か否かの判断がつかないため、今後も気温等に注意しながら観察を続けて参りたいと思います。
また、現在授粉を行うにあたり雄花が咲いていない状況で、雌花が咲きましても授粉作業ができない状況です。
育成を始めた初期では日照時間を8時間としており、なかなか雌花が咲かず、現在はナント種苗様のアドバイスもあり日照時間を11時間に伸ばして育成を致しております。
振り返りますと日照時間を変更した後の株から雌花の割合が増え、開花サイズが小さくなったようです。まとめますと以下の通りです。
・日照8時間…雄花>雌花。開花遅く、サイズが大きい。
・日照11時間…雄花<雌花。開花早く、サイズが小さい。
室温も開花に影響致しますが、現在の変動範囲で影響は少ないと判断しております。自然環境下のような時期による日照時間の変化をつけるべきと考えておりますが、中間的な日照時間をとったときに雄花雌花の数を調整することができるかを実験してみたいと考えております。
本日4/18より日照時間を1:30短縮して一〜二週間程度状況を観察してみたと存じます。
■液肥9号試験
開花後、養液のphダウン幅が非常に大きくなりましたためより安定性の高い9号液肥を製作致しました。
ただ、どうしてもphの低下は避けられないためphアップ剤のはこれからも必要となります。アップ剤は水耕資材で用いられる低濃度の水酸化カリウムを使用しておりますが、入手性や価格、安全性の観点から同じ水耕資材の炭酸カリウムに切り替えて参りたいと考えております。アップ剤がカリウム源となります為、9号液肥はカリウム比率を下げました。
また、窒素量は変えずにphダウンの原因にもなるアンモニア態窒素比率を限界まで下げてございます。
■養液の管理体制
排水路点検口の一つにセンサが収まっており、伸びた根が排水の流れに乗り、センサ部に留まっていることがわかりました。また、センサ取り付け穴からわずかに漏れた光により、その根に藻が付着しておりました。
↓センサ収納部
若干変色しておりましたため、念の為除去致しました
(左:切除した根 右:正常な根)
殺菌の為、定期的に銀イオン溶液を投与しておりましたが、菌の繁殖によるph低下を懸念致しまして、定期的な液体投与から固体による銀イオン常時溶出へと切り替えを行いました。(4/17午後より)
ナイロンに銀粒子をメッキしたオクトクロスと言う資材になります。
いずれの方法にしましても、可食部への銀の残留がないことはメーカーにより確認されております。非常に安全性の高い殺菌方法となります。
また、養液温度を上げている点から溶存酸素量の低下を避けるため、エアレーションの量を増やしてございます。タンクの液量から水槽用のものを追加致しました。1L/分の容量となります。(4/17午後より)
■局所加温試験の様子
根っこヒータ、株元ヒータの二種類を条件を変えながら継続的に試験を行っております。
根っこヒータ挿入と非挿入の同列(光の量が同じ)株を比較しますと以下の通りです。葉の大きさをご覧頂きますと一目瞭然の差が出ております。
↓右:根っこヒータ装着株
↓非装着株の葉
↓装着株
株元ヒータにつきましては糖度変化ですのでまだ先になりますが、授粉後の果実及び株に対し、3箇所を加温する試験株を新たに追加致しました。
着果予定株の株元、着果枝元に加温ヒータを追加(4/11)。
授粉後に着果近傍枝にさらにヒーターを追加しております(4/13)。
サーモカメラによりますと雌花自体は他の株より2〜3度程度上昇するようです。室温が高まる時期でありますが、寒い時期になりますとこの差が大きくなるかと思います。
■新株の様子
現在育成中の株はアザミウマを駆除するために緩やかに育成して参りましたが、3/20に定植致しました新株は通常通り育成を進めております。非常に早く成長しております。
※アザミウマは成体を20日(成体寿命)確認しておりませんので、100%防除完了としております。ただし、気付くのが遅れますと危険ですので葉のチェックは継続いたします。
メロンの発送が遅れておりまして誠に恐縮でございます。1日でも早く、皆様のお手元にお届けできますよう、しっかりと育成して参りたいと存じます。
何卒よろしくお願い致します。