今日は樽管理の日常をお知らせいたします。焼酎の熟成にはシェリー樽が最も多く使われていますが、当社では全てアメリカンホワイトオークの新樽を購入しています。ホワイトオーク樽はウイスキーのバーボンにも使用されるもので 、バニラ調の甘い香りが特徴です。外側からは見えませんが、樽の内側は真っ黒に焦がしてあります。この時の焼き加減が風味に大きな影響を与えるため、熟成期間とのバランスが非常に重要です。当社は容量450リットルの樽を使用します。その重量はなんと空の状態で104キロ!移動の際は転がすか、フォークリフトで運びます。これを4つ並べて3段に積み上げます。(1段あたりの重量は2.5トンにもなる)中身の焼酎が入ると一段あたり2.5トン。この重量を支えるために、大工さんが住宅建材で製作した丈夫な台座を使用しています。 (台座は近所の大工さんに製作をお願いしています)熟成の進行度合いによって変わりますが、当社の樽熟成はおよそ3~5年で入れ替えます。そして空になった樽は中が乾燥する前に次の焼酎を注入してまた次の熟成に入ります。この時、液漏れが起きていた樽は修理に、色付きが悪くなった樽は焼き直し(リメイク)のため修理工場へ送ります。そして戻り次第また次の熟成が始まります。(修理のため宮崎まで行ってらっしゃい!)樽は繰り返し使用し、修理やリメイクによって長年にわたって活躍します。現役最年長は昭和63年製の3本、荒々しい新入りの樽に対して長期間時間をかけて熟成する分柔らかな焼酎になります。最終的には新旧樽の熟成酒を一つにまとめて商品にします。味に落ち着きを与えるためには、こういったベテランの力が必要です。(かつて100本近くあった昭和63年組は残り3本に)本日は樽の日常をお届けしました。今回のご支援は全て新樽の購入に充てさせて頂き、長年にわたり大事に使用させて頂きます。
樽の日常
2023/11/03 16:45