クラウドファンディングスタートから1週間経ちました。おかげさまで、目標額の164%となっています。ご支援、本当にありがとうございました。新たなゴールについては、本文にも記載してありますが、支援金額云々ではなく、プラチナプリントをより多くの人に知っていただく、多くの人に写真展へきてほしい…そんな思いを込めて、「支援者100人」としました。残り35日間、そのゴールに向けて力を尽くしたいと思います。そのための活動として、プラチナプリント、写真、写真展に関する話題、雑感などをこの場に綴っていきたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。
プラチナプリントの依頼を受けるときは、写真家というより、プリンターの立場ですから、できるだけクライアントの意にそったプリントになるように考えます。しかし、同時に、撮影者とプリンター間の化学反応により、それ以上のものが生み出せるように努力します。アートの世界は1+1=2ではありませんから、クライアントが驚くようなプリントに仕上げたい。
支持体(プリント用紙)の種類、デジタルネガの調整、薬品の調合加減、紫外線の露光時間、現像液の温度。
こちらがコントロールできる要素は、こんなところなのですが、一番の決め手になるのは、やはり、デジタルネガの出来です。これがとても難しい。
プラチナプリントは、ハイライトが飛びやすいし、コントラストの出しにくさもあります。しかし、うまくハマると、粉をまいたような深みのある黒からダイナミックレンジの広いトーンがつながります。そんなはずはないのですが、不思議と金属光沢というか…むしろシルクのような艶を感じることさえあります。まだまだわからないことも多く、研究途上です。
ですから、プリントがうまくいかないときは、デジタルネガを何度も作り直すこともあります。作品の絵柄もプリントの出来に影響を及ぼしますが、最近は、プラチナプリントに向く作品かどうかを、感覚的に判断できるようにもなりました。どこまでやっても、奥が深いです。しかし、もっと定常的にプリントを続けられる環境を構築できたら、職人仕事的であっても、ある程度、体系的な現像レシピをまとめられるように思います。
(写真は、仕上げたデジタルネガを切り出しているところです)