本日は、ネパール事務所長竹下からのメッセージをお届けします。ネパールの社会問題や子ども達が置かれている状況など、現地に駐在しているからこそ見えてくる課題やシャプラニールの活動の意義について、お伝えします。
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こんにちは。ネパール事務所の竹下と申します。
いつもシャプラニールの活動をご支援いただき、誠にありがとうございます。ネパールもだんだんと寒くなってきておりますが、秋に咲くきれいな花々が街を彩っています。
私たちは、ここネパールで、児童労働といった問題に対しての子どもの権利を守る事業、そして、気候変動による洪水防災の事業を主に実施しています。具体的には、児童労働に従事している子どもたちが多く問題となっているマクワンプール郡にて、児童労働削減事業を展開しています。また洪水の多発するモラン郡にて、堤防等のインフラの設置に加えて、コミュニティの人達が災害に対応する力をつけるためのプログラムを行っています。
ネパールの国自体は数値の上では豊かになってきています。しかし、貧困に苦しむ人たちの暮らしは依然として厳しいままです。COVID-19の流行は落ち着いてきている一方で、子どもたちと困窮している家族に引き続き大きな影響を与えており、貧困状況に拍車をかけています。
貧困問題は、伝統的なカースト制度や様々な事象が絡み合った複雑な問題です。カースト制度に加えて、ジェンダー不平等、ネパールに数十ある民族間の問題といったことが合わさり根の深い問題が発生してしまっています。これらの問題は、子どもたちに直接的、間接的に影響を及ぼし、児童労働や児童婚といった子どもの権利を侵害する問題につながっていきます。多くの子どもたちが、幼少期より教育を受けず労働力と使用され、貧困の連鎖が起きていきます。インターネットの普及は、こうした子どもの不適切な使用を簡素化しています。また気候変動の問題は洪水などを引き起こし、家庭の貧困に拍車をかけ、より多くの子どもが労働に従事するという悪循環を生み出しています。
私たちは、これらの複合的な問題に対し、多くの人を巻き込んでプロジェクトを推進し、解決に繋げていきます。これらの社会問題を解決するには、政府、コミュニティ、家庭個々の積極的な関与だけでなく、すべてのステークホルダーの持続的な取り組みが必要であり、問題の根源をそれに関わる全ての人とともに解決することを目指して、プロジェクトを行っています。
皆様の暖かいご支援が、多くの人達がより幸せに生きていく支えになりますし、子どもたちが健康に暮らせる学校に行けるといった子供の権利を守っていくことにもなります。
私たちシャプラニールは、これからも現場でしっかりと活動して参ります。引き続きご支援いただければ幸いです。
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※当会へのご寄附は税の優遇措置(寄附金控除)の対象となります。