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【バングラデシュ・ネパール】子ども×気候変動:防災活動で未来のリーダーを育てたい

キャンプファイヤー 寄付型のバッヂ

バングラデシュとネパールでは、相次ぐ自然災害が発生し、特に子どもたちが気候変動の脅威に晒されています。シャプラニールは、災害にぜい弱な地域での防災・減災能力を向上させ、彼らが安心して将来を夢見ることができるよう、そして「未来のリーダー」として気候変動に立ち向かっていけることをめざして活動しています。

現在の支援総額

1,000,000

25%

目標金額は4,000,000円

支援者数

70

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/10/13に募集を開始し、 70人の支援により 1,000,000円の資金を集め、 2023/11/30に募集を終了しました

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キャンプファイヤー 寄付型のバッヂ

【バングラデシュ・ネパール】子ども×気候変動:防災活動で未来のリーダーを育てたい

現在の支援総額

1,000,000

25%達成

終了

目標金額4,000,000

支援者数70

このプロジェクトは、2023/10/13に募集を開始し、 70人の支援により 1,000,000円の資金を集め、 2023/11/30に募集を終了しました

バングラデシュとネパールでは、相次ぐ自然災害が発生し、特に子どもたちが気候変動の脅威に晒されています。シャプラニールは、災害にぜい弱な地域での防災・減災能力を向上させ、彼らが安心して将来を夢見ることができるよう、そして「未来のリーダー」として気候変動に立ち向かっていけることをめざして活動しています。

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はじめに

こんにちは。認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会の横田と申します。
東京事務所でネパールでの事業を中心に防災・減災事業を担当しています。

私たちシャプラニールは、貧困のない社会の実現を目指し、「取り残さない、その小さな声を。」をスローガンに、バングラデシュ、ネパール、日本において、支援の届きにくい人々に目を向けた活動を1972年より行っています。

バングラデシュとネパールの特に気候変動の影響を受けやすい地域で、気候変動に起因する災害から子どもたちが身を守るためのプロジェクトへのご支援をお願いします。 

※当会へのご寄附は税の優遇措置(寄附金控除)の対象となります。 


●世界の子ども約10億人は気候変動リスクが「極めて高い」

2023年の夏は、日本の観測史上最も暑い夏となり、すでに私たちの生活の中でも気候変動の影響が出はじめています。今後も気温上昇、災害被害の増大、食糧不足、健康リスクの増大などが予測され、私たちの安全、健康、経済が気候変動の脅威に晒されています。  

そして、今後最も気候変動の影響を受けるのは、次世代の子どもたちです。 


ユニセフによれば、気候変動の影響を受けるリスクが「極めて高い」とされている子どもの人数は約10億人。これは世界の子どもの半数にもあたる人数なのです。 

また、国連子どもの権利委員会は、子どもの生存権や健康権が侵害されているという声明を出しています。 

 

アヌさん(仮名)の話(ネパール) 

アヌさんは、小学8年生で、川の近くに住んでいます。 
彼女は、豪雨や川の氾濫がいかに恐ろしいか、教えてくれました。 

「いつ起こるか分からない洪水への恐怖は、不安を増幅させます。
特に暗闇は恐ろしく、雨や川の音、そしていつ水に飲み込まれるかわからない不安で、夜は眠ることができません。
学校で勉強しているときも、近くのテリ川からいつ洪水が襲ってくるかと思うと、集中もできず勉強を中断せざるをえません。」 


ラクシュミーさんの話(ネパール) 

ラクシュミーさんは、アヌさんが通う小学校で11年間教鞭をとっています。 
彼女は、気候変動と防災・減災教育は、子どもたちの考え方・生き方を形成するのはもちろんのこと、両親や地域社会に対しても大きな影響力があると強く感じています。 

「子どもたちが地域のパイプ役となって、学校で学んだ防災・減災の情報を両親や地域の人々に共有したことで、緊急時にも効果的なコミュニケーションやネットワークが生まれ、人々の命と安全を守ることに貢献しています。 
学校での教育は、子どもたちがおとなになってからも重要な力になります。地球環境に感謝し、持続可能な活動推進と資源利用を促進し、地域社会ひいては地球全体の未来に貢献する人になると思います。」 

テーブルを囲んでいる人たち 中程度の精度で自動的に生成された説明ラクシュミーさんによる授業の様子


●プロジェクトで実現したいこと

このプロジェクトでは、「防災・減災活動」「次世代リーダーの育成」の2つのアプローチを通して「気候変動×子ども」の課題に取り組みます。 

継続して活動を行うためにはまだまだ資金が足りていません。あなたのお力をお貸しください。


バングラデシュとネパールで、以下の活動を実施しています。 


【バングラデシュ】 

活動①サイクロン常襲地域での防災事業 

クルナ県コイラ郡はバングラデシュで最もサイクロンのリスクにさらされている沿岸部地域に位置しており、これまで多くの被害を受けてきました。 
同地域において、インフラ整備と同時に、地域住民へのマネジメント能力・防災能力強化を行っていきます。特に脆弱な立場におかれやすい女性や女児に配慮した対策と防災能力を高めるために、地域住民・地方行政・中央政府の協働ネットワークを構築し、地域を守ります。 

水汲みをする女性。海面に近い場所は災害時に井戸に海水が流れ込み、飲み水の確保が困難になる。

活動②子どもたちによる気候変動アクションの展開 

バングラデシュで3番目に大きい都市であるクルナ市で、子どもたちへ気候変動に関するキャンペーン活動を支援します。そして、家族、学校、行政、メディアなども巻き込み、地域全体で持続可能な都市を築くための活動変容を促します。 

また、沿岸部で気候変動の影響を強く受ける子どもたちが、自分たちの問題を考え声をあげ、おとなたちと話し合うための「沿岸部に住む子どもたちの気候変動会議」をパートナー団体JJS(Jagrata Juba Shangha)と共催します。 

現状では、気候変動の脅威に晒される子どもたちが、自分たちの声をあげ、おとなと話をする場はありません。私たちは、こうした機会をつくることで、社会全体の気候変動に対するリスク認知を促進し、行動変容を促したいと考えます。 

気候変動会議で発言する少女(2022年)

【ネパール】 

洪水常襲地域での防災事業 

シャプラニールは、2022年度末よりコシ州モラン郡ウルラバリ市にて、地方行政と地域住民の防災能力強化を行っています。
それに加えて今後は、洪水を防ぐための堤防の設置を行うハード面と住民の能力強化をするソフト面の両方から、持続可能で災害に強い地域づくりに取り組んでいきます。 

洪水リスクが非常に高いとされるモラン郡では、過去5年間で 2,000世帯以上が家を失い、数百人が亡くなっています。特に農村部は行政によるインフラ整備や防災力が十分に備わっておらず、政府やNGOの支援も入っていない地域が多くあります。 

モラン郡の風景。2つの河川が合流する地点でも河岸整備はされていない。

学校で防災について学ぶ子どもたち 


●南アジアの現状:深刻化する気候変動の影響

気候変動は地球全体で待ったなしの問題ですが、特に南アジアでは、サイクロンや豪雨、落雷、洪水の頻度や激しさが増し、ますます多くの子どもたちがより大きな脅威にさらされています。

 

<バングラデシュ>

水が豊かで緑が美しいバングラデシュ。アジア屈指の親日国として知られています。 
2000年代以降、世界の縫製工場として急成長を遂げ、近年の経済成長率は6~8%と高水準を保っています(日本は約1.7%)。 

一方で、国土の半分以上が海抜7m以下、さらに国中に網の目のように河川が広がる地理的特徴から、サイクロンと洪水の被害を受けやすい、世界で最も災害リスクの高い国の一つでもあります。 
さらに海面上昇や塩水侵入などの気候変動に起因する現象が加わり、多くが不安定な生活を送らざるを得なくなっています。ユニセフによると、こうした災害はバングラデシュに暮らす1,900万人以上の子どもの命と将来を危険に晒しています。 

サイクロンによって、崩れてしまった家(バングラデシュ) 


<ネパール> 

ネパールはヒマラヤ山脈を有する国で、北部の標高は8,000m級であるものの、南部は100m未満の低地もあり、その標高差が豊かな自然を美しい景観を生み出します。
また親日国でもあるネパールは、近年の経済成長率5%前後を維持し、堅調な発展を遂げています。 

一方で、世界銀行によると、河川洪水の影響を受ける人の数は年間2倍以上になること、2030年まで河川の氾濫による経済的影響は3倍になる可能性があると指摘されています(Climate Risk Country Profile 2021)。
この気候変動の影響により、災害が発生し耕作地が被害を受けるなどして、貧困地域においてはさらなる貧困につながっていくリスクをはらんでいます。 

 洪水によって増水した川(ネパール)


●活動への思い:子どもたちと共に持続可能な未来を

シャプラニールはこれまで災害に脆弱な地域で、「防災」と「子ども」を軸に、バングラデシュとネパールで活動を展開してきました。そして、こうした活動を通して、気候変動が子どもたちの生活にもたらす甚大な影響も目の当たりにしてきました。  

「雨が降らないせいで、農作物が育たない」 
「漁に出ても魚が取れない」 
「田んぼが浸水してしまって、稲がすべてダメになってしまった」 
「土地が侵食され住めなくなったので、知らない土地に引っ越すことになった」 
「家計を支えるために、学校を辞めて働かなくてはいけなくなった」 
「雨期は川を渡ることができず、学校に通うことができない」

気候変動の影響は、農作物収穫量減少や漁獲量減少による生計手段に留まらず、教育を妨げ、児童労働状況を悪化させ、住みなれた土地さえ奪ってしまいます。 

そして、そうした脅威の矢面に立たされるのは、いつだってぜい弱な立場の人々、特に子どもたちであるのが現実です。 

橋がなく車両が川を横断する様子(ネパール) 


●子どもたちの力を信じて

一方で、私たちは子どもたちが気候変動の「被害者」でなく、気候変動問題を切り拓く「未来のリーダー」として非常に大きな可能性を秘めていることにも気づきました。 

例えば、兵庫県が主催する「ぼうさい甲子園」を参考にバングラデシュで開催された防災コンテストでは、子どもたちがオリジナルの演劇、歌、絵を制作し、持続可能な生活を実現するための自分たちのアイディアや将来への思いを地域のおとなたちに伝えました。その様子は地元のメディアでも大きく取り上げられ、行政や地域の人々と一緒に防災について考え、発信する機会となりました。 

防災コンテストで、子どもたちが演劇を通し防災メッセージを伝える様子(バングラデシュ)

ネパールでも、2015年の大地震のあと、子どもたちを対象に自宅から学校までの通学路のハザードマップを作成する活動を行ったところ、多くの子どもがその内容を家族にも伝え、結果として地域全体への地震発生時の危険個所の周知につながりました。 

このように、子どもたちの活動は周りのおとなたちに広がり、地域全体で行動を起こすきっかけになるのです。
私たちは子どもたちには変化を起こす力があると信じ、彼らが自分たちで考え行動し、持続可能な地域社会を創り上げるために、子どもたちの力を引き出す支援に取り組みます。 

 

●地球規模の課題に対する私たちの役割

バングラデシュやネパールなど、南アジアの国々で起きている気候変動の問題は、日本に住む私たちにとって他人事ではありません。日本においても気温の上昇や異常気象が増加し、私たち自身もその影響を受けています。
また、日本はこれまで化石燃料の大量消費などで経済成長を遂げた先進国の一つであり、2020年には世界で5番目に多くの二酸化炭素を排出しました。 

しかし、排出量が最も多い10カ国のうち、「子どもたちの気候危機指数」で「極めてリスクが高い」とされているのは、1カ国のみです。逆に、極めてリスクが高い33カ国の合計排出量は、世界の排出量のわずか9%にすぎません。このように、地球温暖化に対してほとんど責任のない国の子どもたちが、気候変動の影響で苦しむことになります。 

バングラデシュの川沿いにて(撮影:渋谷敦志) 

気候変動は国境を越える課題であり、私たち一人ひとりの生活に関係しています。
私たちは、世界中の子どもたちと私たち自身の未来のために、力を合わせて、今、地球温暖化を食い止めるために行動しなければならないのです。
私たちが今変わらないと、さらに多くの次世代の子どもたちがより厳しい環境に置かれることになります。 


●気候危機は”子どもの権利の危機”

今や気候変動の影響は私たちの「日常」を変えてしまっています。 
気候変動と災害の問題を考えるとき、一番弱い立場に置かれるのは未来を担う子どもたちです。 
2022年9月に発表された「国連子どもの権利委員会 気候変動に関する世界の子どもたちの声」では、子どもたちがおとなに伝えたいこととして、 

・清潔で健康的な環境で暮らしたい 
・政府、企業、おとなたちには、大胆で緊急の行動をとってほしい 
・世界の国々に協力してほしい 
・意識啓発と教育を充実させてほしい 

といった意見のほか、 

・気候変動や環境問題の対策について、子どもの意見を聞いてほしい 
・気候変動や環境問題の解決策についてのアイディアを共有したい 

といったメッセージもあり、子どもたちがおとなに守られるだけの存在ではなく、ともに問題を解決する担い手であるということが伝わってきます。 

 

●気候変動の時代を生きる子どもたちの声を取り残さない

問題の根本的な解決を目指し、一過性の「支援」をしないこと。
現場の人々から学び、問題を抱える当事者と対等な立場で考え、行動すること。
まず一番弱い立場に置かれた人々のことを考え、それを取り巻く周辺の人々、社会全体の意識を変えていくこと。 

50年以上の間シャプラニールはこの価値観を大切に、活動地での人々の主体性を大切にしながら「伴走者」として「取り残された人びと」と共に歩んできました。
このプロジェクトでは、子どもたちの持つ可能性を信じ、彼らが自分たちで問題解決のため行動できるよう、それを応援する地域のおとなと共に活動してまいります。 

ネパールの活動地で地域住民と対話するシャプラニールスタッフ(右) 

シャプラニールの活動を通じて、子どもたちが気候変動への理解を深め、行動を起こし、地球を守るために積極的な役割を果たす後押しをしませんか? 

皆さまからのご支援は、南アジアの子どもたちとともに、持続可能な未来を築く第一歩となります。どうぞよろしくお願いいたします。 

 

●スケジュール 

2023年10月13日 :クラウドファンディング開始、オンラインイベント実施(ネパール) 

2023年11月19日 :オンラインイベント実施(バングラデシュ) 

2023年11月30日 :クラウドファンディング終了 

2024年1月中:   リターン発送 

2024年1月中:   クラウドファンディング活動報告会実施 

~2024年3月:   バングラデシュ・ネパールでの2023年度の活動を継続 

 

●資金の使い道

バングラデシュ・ネパールにおいて、子どもたちが気候変動に起因する災害から身を守り、気候変動に関する問題解決のための行動を起こせるようになるために必要な気候変動・防災に関するワークショップをはじめとした両国の防災・減災活動全般に使わせていただきます。 

・3,000円相当で、非常用持ち出し袋1世帯につき1つ届けることができます
・5,000円相当で、河岸を補強するための竹の苗20本を植林することができます
・10,000円相当で、河川の流域にある学校1校にハザードマップを設置できます

 

<募集方式について> 

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。 

<本サイト以外からでご寄付をご検討の方へ> 
別途ご案内いたします。事前にシャプラニール担当者に下記へご連絡ください。 

メール:jpoffice@shaplaneer.org(担当:横田) 
電話:03-3202-7863(火曜~土曜、10時~18時) 

最新の活動報告

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  • この度はクラウドファンディングへご協力いただき、ありがとうございました。ネパールでは、数カ月後に迫った雨期に向けて、河岸のインフラ建設が始まりました。また事業2年目に向け、地域の中学校では防災訓練の計画づくりが進められています。さて、現在シャプラニールでは、こうした防災・減災支援等につながる、書き損じはがきや切手の寄付キャンペーン「あなたのはがきが、だれかのために。」キャンペーンを実施しています。書き損じたはがき1枚、消印のある切手など、捨ててしまいがちなモノが寄付に変わります。ご自宅に眠っている不要なはがき、切手は封筒などに入れて、シャプラニール事務所まで郵送ください。よろしくお願いします!◆「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」概要◆今年は50万枚を目指し、全国よりはがき・切手を募集中!キャンペーン特設サイト:https://www.shaplaneer.org/lp/hagaki_cam/・キャンペーン期間:12月16日(土)~2024年3月31日(日)・寄付対象物品: 未投函のはがき(旧価格・書き損じ・未使用も対象) 切手(未使用・使用済み)<あなたのご寄付でできること> ・はがき5枚(約250円)⇒河岸を補強するための竹の苗1本分に・はがき20枚(約1,000円)⇒防災能力を強化するワークショップ開催1回分に●お送り先 〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2-3-1 シャプラニール「はがきキャンペーン」係<キャンペーン担当からのメッセージ>”いま行動を起こすことで守られる命、暮らしがあります” 本キャンペーン担当のダハルです。ネパールで生まれ育ちました。土砂崩れによる通行止め、繰り返し起こる洪水で家や畑に流された経験のある友人が多くいます。しかし日本で暮らし始めると、ネパールでは当たり前と思っていた災害にも防災・減災対策がありそれが有効であることに気づきました。はがき1枚が支援活動を継続するための大きな後押しになります。ぜひご協力をお願いします。 もっと見る

  • こんにちは、シャプラニール東京事務所・コミュニケーショングループインターンの藤原です。先日、 昨年10月から11月にかけて実施したクラウドファンディングの報告会(ご寄付いただいた方限定)を実施しました!シャプラニールの職員2名が、バングラデシュ、ネパールでの防災事業の概要や課題、今後のビジョンなどを熱く語りました。クラウドファンディングやシャプラニールの取り組みについての知識がまだまだ未熟な学生インターンですが、報告内容や感じたことをレポートしたいと思います。 クラウドファンディングの振り返り 今回ご報告するクラウドファンディングは、昨年10月13日から11月30日までの48日間で実施しました。全体で72名の方から1,296,000円のご支援を頂戴いたしました。皆さん温かいご支援本当にありがとうございました…! これらのご寄付はどのように活用されているのでしょうか?まずはネパールでの活動からご紹介いたします。ネパールでの活動ネパールでは、モラン郡ウルラバリ市で「気候変動による水害リスクに強いコミュニティづくり 」を実施しています。洪水リスクの高いモラン郡。中でも11の河川の流れるウルラバリ市は、ほとんどの集落が川に囲まれ、毎年洪水被害が報告されています。しかし同市では具体的な防災対策が取られていませんでした。2023年2月まで活動していたチトワン郡に設置したハザードマップ。モラン郡でも作成・設置を現在計画中シャプラニールでは、このような状況に対して次の活動を進めております。①コミュニティと地方行政の災害管理能力の強化 ②流域管理の視点に基づくインフラ設置 ③流域管理における適切な水資源の活用 ④流域管理の普及啓発 の4つです。特に印象的だったのが、活動①に含まれる、学校での気候変動・防災に関するプログラムの実施です。プログラム参加者の皆さん災害時対応のアイディアをまとめたもの プログラムでは、災害リスクと気候変動に関する知識を得ること、様々なツールを用いて学校内のリスクを特定するスキルを身に着けることをの二つを目的として中学校で実施されました。3日間という限られた時間ではあったものの、防災・減災に関する基本知識やネパールの災害事情、災害時の行動などについて学んだそうです。子どもたちが発災時に命を守る行動がとれるだけでなく、地域での防災活動を進めるおとなへと成長するきっかけになったのではないでしょうか。その他にも、活動②に含まれる、植林や植栽を通じた河川の浸食抑制のような蛇かごを使った土提の強化などのハード面での支援活動も紹介され、大変興味深かったです。バングラデシュでの活動ベンガル湾に面するバングラデシュは河川が多く、世界で最も災害リスクの高い国の一つです。海面上昇により2050年までに国土の17%が失われると言われています。特に気候変動に脆弱な沿岸部には人口の約25%が住んでおり、サイクロンなどの被害を多く受けています。洪水時の様子。おとなの胸辺りまで増水したそうした沿岸部に位置するのがクルナ市です。ここで私たちは、気候変動や持続可能な社会について知識を得、対処するための生活スタイルを推進すること、それをけん引する若者のリーダーシップを育成することを目標に、少年グループをチェンジメーカーとした気候変動対応事業に取り組んできました。この取り組みは①青少年に対するもの ②保護者に対するもの ③市民社会に対するもの の3つに分けられます。クルナ市の青少年グループを対象とした、気候変動について学ぶ連続講座の様子この事業に関連して、第3回「沿岸部の子どもたちによる気候変動会議」を開催しました。気候変動の議論や災害対策に参加することがなかった子どもたちの声を関係者や政策立案者に届け、子どものリーダーシップで地方・国家の開発目標と連携できるようになることが目的でした。クルナ地域の子ども・若者約350人とおとな約150人が参加し、パネルディスカッションや分科会などを通して意見を発信・交換しました。会議に参加した皆さん積極的に意見を述べる子どもたち中でも絵画コンテストの様子が印象に残りました。例えば、下の作品には洪水により人びとが避難する様子が描かれています。この絵を描いた14歳のシュボルナさんは、避難先で女の子が嫌がらせにあっていることを指摘し、安全な避難シェルターを増やす必要性を訴えました。 シュボルナさんの作品。人々が洪水から逃げる様子が描かれている会議の最後に、子ども達はおとなへの要請リストを提出しました。内容は包摂的な災害への備えと対応、気候変動に強い農業の開発など、具体的で緊急性が伝わってきます。子どもたちがいかに日常的に災害に対して脅威にさらされていて、さまざまなことを思っているかを実感しました。子どもたちの要請はとても具体的以上がクラウドファンディングの活動報告です。会議の終わりには、ご参加いただいた皆さまからさまざまな質問をいただきました。中でも印象に残ったのが青少年に対する教育のインパクトに関する質問です。これに対して3つのポイントから答えていました。1つ目はバングラデシュにおいてほとんど前例のなかった防災教育の普及のきっかけとなったこと、2つ目はおとなたちが子どものたちの意見を聞く場を設けたこと、3つ目は子どもたちの気候変動に対するリーダーシップを育てたことです。私は今までインフラ設備などハード面での支援の方が効果的だと考えていました。しかし教育の長期的なインパクトを知って、その重要性を再認識できました。あとがき今回の報告会を通じて、気づいたことが二つあります。一つ目は現地の子どもたち・若者たちの気候変動に対する意識の強さです。日々気候変動の脅威にさらされているからこそ、彼ら自身で真剣に考えて行動しているように見えました。二つ目は地域全体で防災・減災について認知・対処することにおける、教育の重要性です。先に述べたような子どもたちに気候変動や防災に関する正しい知識を教育することで、環境問題に立ち向かっていくおとなになる希望が見えました。「未来のリーダー」を育てる今回の支援の意義を改めて認識し、そのような活動内容についてより多くの人々に知ってもらえるよう、これからも励んでいきたいと帯を締めなおしました。そしてこのような活動を実施できるのは、皆さんの支援があってのものです。クラウドファンディングへのご支援ご協力に、インターンの身ではありますが改めて感謝いたします。クラウドファンディング期間中、関連する二つのイベントも実施しました。こちらのイベントレポートもあるので、ご興味ありましたらぜひご一読ください。▼レポートはこちらhttps://camp-fire.jp/projects/707632/activities/528170#main もっと見る

  • 11月30日に終了したクラウドファンディング、「【バングラデシュ・ネパール】子ども×気候変動:防災活動で未来のリーダーを育てたい」を応援くださりありがとうございました。 本日は、このクラウドファンディングの対象となった活動のひとつである「第3回子どもたちによる気候変動会議」についてご報告します。 このイベントは、沿岸部で気候変動の影響を強く受ける子どもたちが、自分たちの問題を考え声をあげ、おとなたちと話し合うことを目的としており、シャプラニールが他団体とともに共催しました。バングラデシュの災害に脆弱な地域、クルナ県で開催され、当日は地域に住む約350人の子どもたちと、地方行政・教育機関のおとな約150人が参加しました。パネルディスカッションや分科会、絵画やスピーチのコンテスト、クイズ大会などが催され、子どもたちは積極的に意見を述べていました。会議では、行政機関などの大人代表が、大勢の子どもたち・大人たちの前で、真剣に発表、議論しました。 子どもたちも、積極的に挙手し、堂々と発言をしていました。 子どもたちの様子に、聴衆も真剣に聞き入っています。 子どもたちによる共同宣言・要請は、非常に具体的です。彼らが、いかに日常的に脅威にさらされ、様々なことを感じ取り考えているか、ということがよく分かります。  下の写真は、絵画コンテストの受賞者たちです。よく見ると、左側の3名がサイクロンや洪水による水害の絵、右2名も船に乗りすっかり様子の様変わりした風景を眺めている絵です。 まさに、国じゅうに河川が張り巡らされたバングラデシュという国において、激化する洪水やサイクロンの影響、そして変わりゆく自然環境を、子どもたちならではのみずみずしい感性で描いた作品ばかりです。 受賞者の少年はこう言います。 「以前のように完全に戻らないとしても、みんな一人ひとりが、少しずつでも、環境によいことをすれば、良い環境を作ることはできると思います。」 次に、子どもたちが描いた絵を、いくつか個別にご紹介します。サイクロンや高潮によって洪水になった時、みんなが安全に避難できるように手助けをしているところです。もっと安全な避難シェルターが必要を訴えています。背景を覆う黒い雲は巨大なサイクロンでしょうか。大勢の人が、いかだや屋根の上に避難している様子が分かります。水面や植栽、屋根の鮮やかな色づかいとの対比が、彼らの身に迫る気候変動をリアルに伝えています。こちらも洪水で避難する人々を描いています。着の身着のまま、家族と大切な犬やヤギを抱え舟に乗っています。木々の枝が屋根の上にしなだれかかっているのが、水害の恐ろしさを訴えています。  右側が緑や川が美しかった昔の村、そして左側が工業発展を遂げて変わってしまった現在の村です。工場が多く建設され、タンカーからは重油が漏れ出し、海は汚れ木々が枯れている様子が描かれています。以前はなかったデング熱等の病気も増えたと感じるそうです。さて、ここまで子どもたちの気候変動会議についてご報告しましたが、子どもたちのパワーを感じて頂けたでしょうか。 このイベントに参加したシャプラニール・バングラデシュ事務所長の内山は、子どもの声に耳を傾ける大人の責任について、下記のように言及しています。「私が思うことは、まず子どもたちの声を聞いてほしいということです。彼らは、色々なことを考え、大人が気づいていないことに気が付いています。そうした視点は、彼らが大人になり将来を担う、その時にも必要な能力です。」全世界のすべての大人が、かつては子どもでした。 同時に、子どもであるという理由から大人に話を聞き入れてもらえなかった記憶は、大小問わず、きっと誰しも経験があろうはずと思います。 元子どもである大人は、こと気候変動に関しては同じ轍を踏んではならないのだと、思わず襟を正すような気持ちにさせられる、そんな気候変動会議だったと感じます。 以上、バングラデシュでの活動報告でした。 ご覧頂きありがとうございます。   もっと見る

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