応援スタッフのよしおかです
私は、地域で生活してる障害者の手伝いをする仕事をしています。
ヘルパー制度、障害者割り引き、障害者雇用・・・
この仕事をするまでは、障害者の生活はあまり困ることのないように、制度が整っているものだと思っていました。
でも現実は違いました。
ある車イスを使っている、脳性まひの利用者さんがいます。
家から近いところではなく、少し遠出をしようとするときの話。例えば東京へ行って、コンサートに行きたいと思ったとき、ただこれだけでも数々の壁を乗り越えなければなりません。
介助者と二人でなら行ける範囲が広がるからこその、障害者割り引き。
自分一人分にプラスして、ヘルパー二人分の交通費と宿泊費。新幹線の利用料金は、乗車料金は半額になるけど、特急券代は半額になりません。これは発声ができない利用者さんの代わりにJRに電話して確認したんですが、そのことを初めて知って、驚きました。
そして当たり前のように係の人は言いました。「車イスなら、指定席にしか車イス用スペースないので指定席買ってください」と。
あんたは鬼か!新大阪駅から乗るのに(新大阪始発)、なんでわざわざ指定席買わなあかんねん!ただでさえお金かかるのに、まだかけさせるのか!とツッコミたくなりましたが、「また予約しときます~♪」と言って電話を切りました。
結局いつも新幹線の車両をつなぐコンコースに乗車します。
結局、交通費の面では、障害者割り引きは近場でしか活かせない。
あと、まだ壁があります。それは本来は壁ではなく、障害者が色んなところで参加できるために作られた、ヘルパー制度。
「あまり遠すぎるところへ行くと、ヘルパーが可哀想」「ヘルパーがしんどい思いをする」そんな言葉が、ヘルパー側からも、利用者さん側からも聞こえてきます。
その人が住んでる地域で、ヘルパーの無理のない範囲でしか活動せず、ただ日々を過ごすためのヘルパー制度だったのでしょうか。今まで頑張って自分たちの思いをぶつけてきた先人たちは、今の形を望んでいたのでしょうか。
昔と比べると行動範囲は広がったのかもしれないけど、逆に私は、施設暮らしではない人たちは、施設ではなく、地域に閉じ込められているように感じることがある。
きっと舜さんは色んな"希望"があり、それを実現させる"選択肢"も、たくさん持っている。
その芽をつぶしてしまっている社会は、ただそれだけでも罪にあたるくらい、起きてはいけないこと。そして、その社会を作っている人間でもある私たち。
だからこそ、舜さんのロンドン行きは達成させたい。
障害があるというだけで、選択肢が限られている現実を、少しでも変えるきっかけになるかもしれません。