自己紹介
はじめまして。しのだあむり(ペンネーム)こと、なかやみずきと申します。3人の子どもを夜間保育所に預けながらライター業や飲食業に従事していましたが、40代を過ぎてから一念発起し、保育士、精神保健福祉士、公認心理師の資格を取得して、子育て支援の道へ。児童相談所やこども家庭支援センターの相談員、養育支援家庭のヘルパー等、様々な現場で、子育て家庭の支援に携わってきました。2017年に公開された文科省選定のドキュメンタリー映画「夜間もやっている保育園」(大宮浩一監督)にも出演し、児童相談所相談員(当時)として、昨今の子育てママをとりまく現状についてコメントさせていただいています。
本プロジェクトの目的~解決したい社会課題~
「親の手によって命を奪われる不幸な心中事案をなくしたい!」
近年、こどもの虐待に関するニュースがセンセーショナルに報道されることが多いですが、実はこどもの虐待死の中には「心中」による死が数多く含まれていることをご存じでしょうか。今年9月に厚生労働省から発表された「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第19次報告)」でも、親の手によって殺されたこどもの約3人に1人は、心中によって命を絶たれた子どもでした。
出典:こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第19次報告)
本プロジェクトの概要
●「こどもの命はこどものもの」~この本が、まずはそこに目を向けるきっかけとなってほしい!~
「親子心中」というのは世界的には少ないそうです。「個」を重視する欧米文化と異なり、親子関係の密着度が高いことが背景にあるのかもしれませんが、「しつけ」と称しての暴力が長いこと容認されてきたのも、日本においては「子は親の所有物である」という感覚が根強かったためだと思います。
こどもに対する虐待は、許されるものではありません。では、親子心中はどうでしょうか?「この子を残して死ぬのは不憫」、「幸せにできないなら、いっそのこと一緒に死んでしまおう…」。きっと親の側にも色々な思いがあることでしょう。そういう意味では、こどもと共に死のうと考えるのは、親にとってはひとつの愛情かもしれません。しかし「心中」も「親の意思によって子の命を奪う行為」であり、同じく、こどもの生きる権利の侵害にあたります。
こどもの側はその瞬間まで、まさか自分が親に殺されるなどとは思ってもいないはずです。親の都合で一方的に命を奪われるのは、こどもにとっては、恐怖と苦しみでしかありません。
死という道を選ぼうとするほど追い詰められた親にとっては、こどもの視点でものを考えるのは難しいと思いますが、こどもにはこどもの人生があります。どうか、命の奇跡や輝きに目を向け、こども目線の気持ちに気づくきっかけになってもらいたい、そういった思いをこめてこの作品を書きあげました。
●絵本のメインストーリー~心中の道連れにされかけていた時、こどもは何を見て、何を考えていたのか~
この作品は、私自身が心中の道連れになりかけた日の、幼い頃の記憶がベースになっています。朝早くに起こされて、生まれて初めて新幹線に乗ったこと。高い崖の上から見た広大な空と海の美しさ。そして、暗くて長いトンネルの記憶……。夢だったのか、現実だったのかもわからないけれど、夢にしては断片的な場面の記憶が妙にリアルに残る、不思議な1日のこと。
母と手をつないでいたので、高い崖の上でも怖いとは思わなかったけれど、記憶を掘り起こしながらこうしてストーリー化してみると、やはり色々と“ただならぬもの”を感じてもいたんだな、と改めて思います。
そして長い月日が過ぎ、「もしかしたら、私の命はあの日で終わっていたかもしれない」と知った時の衝撃。そんな私が母親になって感じたこと。そして、子育て支援施設の相談員として働いている今、疲弊しながらも日々子育てに奮闘している母達に伝えたいことを、この本の中に綴っています。
文章のみでまとめるよりも、絵本の形にした方が優しく響くのではないかと思い、昨年5月、「第9回絵本出版賞」のストーリー部門に応募したところ「優秀賞」を受賞し、絵本の形にして全国に届けるため、1年ほど前から本格的に動き始めました。
●絵本化に向けてのハードル
このストーリーを絵本の形にして出版し、全国に届けたい。そう思って動き出しましたものの、その実現にはいくつものハードルがありました。
まず、私自身には絵の才能がないため、イメージする絵を描ける方にお願いして、絵を描いてもらわなればならなかったこと。そして、絵と文を組み合わせて本を作り上げていくにあたっての制作・編集費が必要になること。
絵本出版賞を主催する出版社からも出版化支援についてのお話をいただきましたが、大賞と審査員特別賞以外は無料で出版することはできず、かなりの費用が必要だったことから、提携出版社からの出版は断念しました。
でも、「それなら自費で必要な部数を印刷して配布できないか」と思うに至り、自費出版やオンデマンド出版について色々調べていたところ、株式会社三恵社さんにこの本の主旨をご理解いただき、共同出版という形で制作に協力していただけることになりました。
絵の制作に関しても、美大出身の現役保育士で、全国夜間保育所連盟のイベントのチラシのイラスト等も手がけていらっしゃる「ツジのカナ」さんにお願いできることになりました。日々のお仕事もありますので、1年間に渡って少しずつ描いていただき、やっと編集に入れる状態となりました。
●本の仕様について
この本は、気軽に手に取れ、本棚にも収まりやすいよう、A5判40Pで作成しています。「いのちのつながり」という軸をベースに、前半のこども時代から、後半の大人になってからの風景まで、大きく2部構成で描かれています。どんな感じの本になるか知っていただくため、仮組中のページを、ここに一部公開させていただきます。
●オレンジリボンマークを入れ込んで出版します!
今回、制作する絵本「あの日の空の色」については、認定特定非営利活動法人「児童虐待防止全国ネットワーク」の許諾を得て、児童虐待防止のシンボルである、オレンジリボンマークを入れ込んで出版いたします。
●SDGsにも配慮した本づくり
今回、この絵本の制作をお願いしている三恵社さんの印刷方式は、オンデマンド出版(POD)です。世の中の出版物は基本的に「オフセット印刷」という大量印刷方式が主流で、各書店に並んだ後も、売れなかったり、傷んだりしてしまった本は返本されるというのが書籍流通の一般的な仕組みです。つまり「本を作っても、売れなければ大量に返本され、世に流通されない状態の大量の無駄紙が生じてしまう」という現実がそこにはあります。
私はライターとしても活動し、別のペンネームで本を執筆したこともありますが、「どれだけ売れるかわからないのに、コスト的観点から多くの部数を刷り、結果的に多くの紙の無駄紙が生じる結果になる」ということに対して、長年、疑問を感じてきました。
もっと、環境に配慮した無駄のない本づくりができないものか。そうしたことを考える中で出会ったのが、「少部数からの発行が可能で、絶版せずに長期にわたって発行し続けられる」という方針を掲げる株式会社三恵社さんでした。
三恵社さんの担当は、元々、週刊誌業界にいた方で、くしくもそういった出版業界の紙の大量廃棄問題に疑問を抱いてこの会社に転職してきたという方だったため、「環境面にも配慮し、なるべく無駄を省いた絵本づくりをしたい」という私のコンセプトに合致した提案を色々として下さり、ページ構成やインク量等も考慮しながら、徹底的に無駄を省いた絵本づくり、という方針の下、制作を進めています。具体的な制作過程については、以下につづっていますので、興味のある方は、ぜひ、こちらも読んでいただければと思います。
より“エコ”に絵本を作る方法
●費用に関しても徹底的にこだわりました
出版にかかる費用については、昨年、コロナ療養で下りた保険金や確定申告の還付金、断捨離やエコ活によって積み上げた費用でコツコツと貯め、やっと出版にこぎつけることができました。
この絵本は、出版後、一般販売もいたしますが、POD出版は大量生産方式よりも1冊あたりの単価はどうしても割高になってしまうので、本の価格を少しでも下げるため、私自身は印税を受け取らない契約にしています。つまり、この本がいくら売れても私自身の実入りは0円。編集にかかる実費はかかっているため、完全に赤字のプロジェクトですが、「親の手によって命を奪われるこどもを1人でも減らしたい」、「こどもに手をかけてしまう親を1人でも減らしたい」、その思いだけで突き進んできました。あとは1人でも多くの方にこの本を手に取ってもらいたいと願うばかりです。
スケジュール
・2023年11月 編集作業
・2023年12月 入稿、校正
・2024年1月 見本完成
・2024年2月 出版
・2024年3月~ リターン品送付
資金の使い道
まずはいただいた支援金で、完成した絵本100冊を全国に配布したいと考えています。そのため、以下の金額をまずは第1の目標とし、個人宛のリターン分を除いた冊数については、全国の関連施設に寄付させていただきます。
・絵本100冊分の費用 187,000円(1,870円×100冊)※リターン分含む
・その他返礼品代 約 20,000円
・梱包、運送費 約 50,000円
・宣伝、活動費 約 10,000円
・クラウドファンディング手数料 約 30,000円
(9%+税)
合計 300,000円
最後に
生きられた私ができること。それは、なかなか見えにくい「こどもの側の気持ち」を世に伝えていくことではないか。その思いからスタートしたプロジェクトでしたが、絵本の後半には「大人になった私」の姿も描かれています。そういった意味では、こどもの思いと大人の思いを紡ぐ物語でもあります。どうか、育児の最中にいる親御さん達が、行き詰まった時にふと立ち止まって、また前を向く気持ちになれますように。そんな思いが込められた絵本です。
必要な人にこの本を手に取ってもらうためには、どうしたらいいのだろうか。そう考えた時に、まずは全国に100冊配布しようと思い立ちました。しかし、寄贈先を募るにしても、私ひとりの伝手や人脈ではどうしても範囲が限定されてしまいます。クラウドファンディングを実施することで、寄付先の情報についてもより広く集めていくことができるのではないか。そう思ったことが、今回、クラウドファンディングに挑戦するきっかけとなりました。皆さんからも情報をいただきながら、より多くの場所にこの本を届けていければと思っています。
最終的な寄贈先と冊数についてはこのページの活動報告ページにて公表させていただきます。全国の必要なところに広く届けていくために、どうか多くの皆さんにご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る講演会でお話しさせていただきます!
2024/09/10 00:01来る9月21日(土)、東京都武蔵野市の「武蔵野プレイス」で開催される講演会「こどもの虐待をみんなで一緒に考える」にて、お話しさせていただくことになりました。 この講演会は、クラウドファンディングのリターンとして実施するものであり、この絵本に込めたメッセージや、虐待の連鎖を断ち切るための子育て方策等について、お伝えさせていただく予定です。 会場の武蔵野プレイスは、武蔵境駅から徒歩1分。講演は無料で当日参加も可能ですので、ご都合つく方は、是非、いらしてください! もっと見る
100冊配布達成しました!
2024/07/11 22:05早いもので、クラファン終了から、今日で半年。その後も少しずつ発送作業を進め、先日、当初設定していた配布数である100冊を突破しました!その後、寄贈した先は以下の施設になります。・「親子のための絵本の部屋」Hippo ・まちライブラリー@ひびうた文庫 ・まちライブラリー@MORITSUNE ・石巻まちのわ図書館 ・荒井まちのわ図書館 ・情報ステーション(管轄民間図書館分5冊) ・豊明市立図書館 ・日出町立図書館 ・まちのコミュニティスペースクロスこども図書室 ・安曇野地球宿 ・チコルライブラリー ・落合三世代交流サロン ・高石市立図書館分館 ・西鎌みんなの家 ・カーロふくしま みんなの本棚 ・たまプラーザ駅徒歩2分図書館(ぷらに) ・まちライブラリー@OIC(立命館大学大阪いばらきキャンパス) ・東京立正短期大学図書館 ・子育て支援スペースCOCO ひよし ・まちのこライブラリー ・風の図書室(計25冊) 現在、101冊送付済なので、上乗せ分として取り寄せた20冊のうち、あと19冊を、これから更に寄贈していきます。今後は、まだお届けできていない都道府県を中心に寄贈先を探していくつもりです。特に西日本エリアが手薄になっているので、情報をお持ちの方がいたらご一報いただければ幸いです! もっと見る
絵本の発送状況について vol.2
2024/05/31 12:21早いもので、今日で5月も終わり。再び、紫陽花の美しい花を目にする季節になりました。絵本の最終ページの絵は紫陽花。去年の今頃は、記憶の中の紫陽花の色を探してあちこち巡っていたよな、と思うと、とても感慨深いものがあります。寄付活動の方も引き続き進めており、現状について、noteページの方に書きましたので、ご覧いただければ幸いです。https://note.com/aqua_tree_sun/n/nfe74ba482b15順調にいけば6月には当初の目標の100冊はクリアできるのではないかと思いますが、寄付の冊数も増えたため、まだまだ寄付先も広く募集しております。「ここはどうか」といった情報がある方、是非、気軽にお問い合わせください! もっと見る
プロジェクト達成おめでとうございます🎉✨😆✨🎊💕