2024年もいよいよ終わりを迎えようとしています。今年は私たちエファジャパンにとって、特別な節目の年となりました。「すべての子どもが生きる力を存分に発揮できる社会」を目指して活動を始めてから、早くも20年が経過しました。この間、皆さまのお力添えを受けて活動を継続し、子どもたちの歩みを支えてこれたことに心より感謝申し上げます。しかし、今年は私たちを取り巻く社会や世界情勢において、数多くの困難が続いた一年でもありました。2024年元旦には能登地震が発生し、9月には豪雨による水害が地域を襲いました。今もなお、多くの人々が苦難に直面しています。私たちエファも、少しでも被災された方たちの力になろうと石川県珠洲市でのブックカフェを始めています。また日本出版クラブ震災対策室の運営委員として、仮設住宅での置き本プロジェクトの支援も実施しています微力ではありますが、「寄り添う気持ち」を忘れず、一歩一歩できることを積み重ねていくことの大切さを再認識しています。海外ではウクライナ侵攻が続き、さらに、中東ではイスラエルとハマスの戦闘によって、無数の人々、そして幼い子どもたちが犠牲となり、今も戦禍の中での暮らしが続いています。これらの現実を前に、無力感を覚えることもありますし、目を背けたくなるような瞬間もあります。しかし、私たちは決して無力ではないと信じています。困難な状況においてこそ、寄り添う気持ちを持ち続け、声をあげ、できることを問い続け、どんな小さな力でも行動に移していくことが大切だと信じています。未来を拓きたいと願う子どもたちが、絶対にその希望を失ってはいけません。どこの国、どの地域で生まれても、子どもたちが安心して生きることができ、学ぶことができる社会を築いていくこと。それが、エファジャパンの揺るぎない使命です。同時に、私たちは多様性を尊重し、異なる価値観や文化に触れ合い、共に歩んでいくことのできる社会を目指しています。私たちが成長し、社会が豊かになる源は、多様性の中にあると信じ、2025年も、これまで以上にその価値を示す取り組みを進めていきたいと思います。新たな年が、すべての子どもたちの未来を照らし、希望を持って生きる力を育む一年となりますように。皆さまにも引き続き共に歩んでいただければ幸いです。すべての子どもたちが可能性と創造性を発揮し、自分ものがたりを描ける社会に。 エファジャパン事務局長 関 尚士





