
能登半島の被災地で開いたブックカフェで、ある女性が料理本を手に取り、こう話してくださいました。
「震災のあと、気持ちが沈んで料理を作る気力がなくなってしまった。でも、この本を見ていたら、また作ってみようという気持ちになれたんです」
被災地では、日々の暮らしを立て直すだけで精一杯です。
家を失い、仮設住宅に身を寄せ、不自由な生活が続くなかで、日常の楽しみはどんどん遠ざかっていきます。料理をする気になれない、好きだった趣味も手につかない、そんな声を多く聞きます。
しかし、本を開くことで、少しずつ気持ちが変わっていきます。「あ、この料理を作ってみようかな」「この花を育ててみたいな」——小さな気づきが、前向きな一歩につながっていくことを感じています。
ブックカフェでは、ただ本を置くだけではなく、本をきっかけに人と人がつながる時間が生まれています。「このレシピ、昔よく作ったのよ」と話す人がいれば、「今度一緒に作ってみよう」と笑い合う人もいます。
本は、会話のきっかけをつくり、人と人の心を結び直してくれるのです。
災害が重なり、「もう頑張れない」と心が折れそうになるとき、人は物資だけでは立ち直れません。必要なのは「心の支え」です。ブックカフェでの本との出会いが、その支えとなっていることを実感します。
クラウドファンディング終了まで残り【あと5日】。能登半島で本を通じて心を支える活動を、どうか最後までご一緒ください。




