ドナーリンク・ジャパンの仙波です。
昨日、海外で提供型の生殖医療にかかわる研究をしていたり、実際に当事者支援を行っている人たちに、このクラウドファンディングに関する情報をお送りし、SNSなどでの共有をお願いしました。それで色々な方から、「がんばれ!」というメッセージを頂いています。
私が精子提供での医療に関連する問題に関心をもちはじめたのは2003年で、もう20年以上も前になります。私自身、不妊という問題を抱えていたので、不妊治療で子どもを望む女性やカップルのことには、それ以前から関心を持っていました。そうしたこともあり、2003年に提出した私の博士論文の研究テーマは不妊治療支援についてで、特に不妊治療への経済的支援や不妊相談について研究しました。国が不妊治療助成事業を始める前で、日本の地方自治体の不妊患者に対する支援の状況などを研究していました。
学位をとって2003年、AIDの研究プロジェクトのメンバーに加えていただき、私は、海外調査でオーストラリアに行って、はじめて提供精子で生まれた人やそのドナーにお会いしました。実はそれが不妊治療によって生まれた成人とのはじめての出会いで、結構衝撃を受けました。
自分自身が不妊治療を受けていたときも、治療で子どもが生まれて、その子と幸せな生活を送ることを想像し、それを期待して治療を受けていました。でも今思い出すと、私自身も若かったせいもあり、その時に想像していたのは、子どもが幼く、その小さな子と一緒に生活している自分だったように思います。少なくとも、その子が大人になって、親から離れて、その後も長い人生を歩むということまでは深く考えてはいませんでした。
それから、石塚さんと会い、彼女の話を聞くうちに、生まれた人が将来悩んだり、なにか苦しんだりするような医療の在り方はおかしいと思うようになりました。生まれた人たちは、こうした医療で生まれることを選んだわけではなく、それに親やドナーよりも長い人生が待っています。それならば、生まれた人たちの幸せを一番に考えるべきではないか・・・それにはどうしたらいいのか・・・。そう考えるようになったのが、私がこの問題に取り組むようになった理由です。そしてそれが、今のドナーリンク・ジャパンの活動につながっています。
この問題に取り組むようになって、世界中の色々な専門家や、実際に精子提供や卵子提供で生まれた方、ドナー、お子さんを持たれた方に出会い、多くのことを教えていただきました。写真のペトラ・ソーンさんもその一人です。彼女には2003年頃にInternational Consumer Support for Infertility(iCSi)という不妊当事者グループの国際的組織での活動で出会い、提供型医療で生まれた人に真実を伝えることの重要性や、親子さんや生まれた人への様々な支援のあり方などを教えていただきました。また、この問題を扱う世界の多くの関係者も紹介してもらいました。
写真は、研究グループでペトラさんを日本に招聘したときのもので、おそらく2005年くらいに撮ったものです。ペトラさんとは今も、公私ともに親しくしていて、去年は、心理・社会支援専門家講座でも講師をしていただき、ドイツ滞在の際は、おうちにも泊めていただきました。
これからも日本のみならず、世界の人ともネットワークを結んで活動を続けていきたいです。
応援してください。よろしくお願いします。