2016/09/27 10:56

3度の異常燃焼が続き、点火方法を見直すことになったことは以前お伝えいたしました。打ち上げの延期等、みなさまにはご心配をおかけしており、申し訳ありません。

どうやら今までの点火方法だと数ミリ秒、着火のタイミングがズレることが判明し、点火方式を見直しています。

これまでは、ロケットエンジンの内部に火薬を設置し、それを着火することで全体のエンジンを燃焼させていましたが、IST内でも実績のある水素トーチという方法に変えてみることにしました。

 

 

水素トーチは、エンジンの燃焼部分とは別にあらかじめ水素を燃焼させておき、その炎を燃焼部分に伝えることで着火させる方式です。車のエンジンの点火方法と同じで、実際の配管にも車と同じ部品が使われています。

これが水素が着火する部分。

 

 

 

この細い配管に着火リングがあって、流れてきた水素に火をつけます。この炎が本体に流れ、全体が燃焼する仕組みです。

点火方式を見直してから、今日が初めての火をつけた実験です。この一週間は、何度も何度も条件を変えてこの実験を繰り返し、点火方法そのものと様々な条件を左右するパラメーターとよばれる諸々の数値を決めていく作業をします。

 

 

 

実験台は2台体制で。1台で燃焼実験をしている間、もう一台で次の実験の準備を進めることで、大幅に実験準備にかかる工数を削減しています。

メンバーは朝から夜遅くまで、総動員のフル回転ですが、一刻も早く点火方法を確立させるべく、邁進していきます。

 

既に完成している縦噴きの実験台も、いまかいまかと活躍のときを待ちわびている様子・・・。

 

 

最近は気分転換にこの上でランチを食べたり、寝転がったりするのがメンバー内でブームです。

 

 

今後も進捗を報告させていただきますので、温かく見守っていただけたら幸いです。