3度の異常燃焼が続き、点火方法を見直すことになったことは以前お伝えいたしました。打ち上げの延期等、みなさまにはご心配をおかけしており、申し訳ありません。 どうやら今までの点火方法だと数ミリ秒、着火のタイミングがズレることが判明し、点火方式を見直しています。 これまでは、ロケットエンジンの内部に火薬を設置し、それを着火することで全体のエンジンを燃焼させていましたが、IST内でも実績のある水素トーチという方法に変えてみることにしました。 水素トーチは、エンジンの燃焼部分とは別にあらかじめ水素を燃焼させておき、その炎を燃焼部分に伝えることで着火させる方式です。車のエンジンの点火方法と同じで、実際の配管にも車と同じ部品が使われています。 これが水素が着火する部分。 この細い配管に着火リングがあって、流れてきた水素に火をつけます。この炎が本体に流れ、全体が燃焼する仕組みです。 点火方式を見直してから、今日が初めての火をつけた実験です。この一週間は、何度も何度も条件を変えてこの実験を繰り返し、点火方法そのものと様々な条件を左右するパラメーターとよばれる諸々の数値を決めていく作業をします。 実験台は2台体制で。1台で燃焼実験をしている間、もう一台で次の実験の準備を進めることで、大幅に実験準備にかかる工数を削減しています。 メンバーは朝から夜遅くまで、総動員のフル回転ですが、一刻も早く点火方法を確立させるべく、邁進していきます。 既に完成している縦噴きの実験台も、いまかいまかと活躍のときを待ちわびている様子・・・。 最近は気分転換にこの上でランチを食べたり、寝転がったりするのがメンバー内でブームです。 今後も進捗を報告させていただきますので、温かく見守っていただけたら幸いです。
本日、皆様にリターン品の送付が遅れる旨、ご連絡をさせていただきました。 そうなるに至った現在の実験状況について、この場を借りてご報告させていただきたいと思います。 日本初の民間会社による宇宙圏に到達するロケット、MOMO。その根幹となるエンジンは、あと数回の実験を経て完成する予定でした。実験場には、縦噴き用の実験台も完成し、実際の打ち上げに近い環境で実験を開始できることを楽しみにしてきました。 しかし、エンジン完成間近と思われた矢先の3回連続の異常燃焼(ロケット用語でいうところのハードスタート)。初回の異常燃焼から、原因と思われる部分を変えてもなお爆発が続いてしまいました。 異常燃焼は、私たちにとってはとても痛いタイムロス。一度の異常燃焼で使用できなくなる部品をすべて用意し、再実験できるまでにはどれだけ急いでも2週間はかかります。 3度の異常燃焼で原因究明と再実験に費やした時間は1ヶ月半。それでも解決できなかった課題。 これは一度根本に立ち返って、しっかり原因究明をしようと決断しました。原因は点火器近辺であることまでは究明できています。たった数十msec、しかしロケットにとってはとても大きな数十msecの点火時のズレがあるようなのです。打ち上げロケットの90%はエンジンで決まります。この問題が解決できなければ、ロケットの他の構造も決めることはできません。必然的に、MOMO打ち上げスケジュールも見直さざるを得ない状況です。 今は全員一丸となって、この課題を乗り越えることに立ち向かっています。 MOMOの打ち上げ費用を支援してくださった方の想い、29人のファンクラブのみなさんからの応援の想い。そんなみなさんの温かい応援を受け、一刻も早く打ち上げを成功させたいと、決意を新たにした直後のタイミングで、このような報告となってしまったこと、お許しください。 今はただ、ハードスタートの原因究明に全力を注ぎます。温かく見守っていただけたら嬉しいです。