アイヌ文化では、湿地に生えるガマの葉を編んで、床に敷くゴザや、壁やヌサ(祭壇)を飾って儀式に使う「チタラペ」という文様を織り込んだものを使います。平取でアイヌ文化の普及活動をされている貝澤美和子さんにお願いして、小さなチタラペづくりワークショップを開催して、皆で手作業しながらアイヌ文化を楽しみ、湿地の魅力や現状について感じてもらおうと思いました。
かつては湿地がたくさんあって、良いガマが手に入りやすかったようですが、今は平取でも採れる場所が殆どなくなり、石狩まで来て採っているとか。
私達はガマが茂っていた当別町の石狩川自然再生地にある沼で、秋口に皆で収穫し、雪印種苗(株)さんの圃場のビニールハウスで乾燥しました。イテセニという織り機に使う、ほど良いサイズの石も河原で拾い集めました。
ワークショップ当日は、ガマを収穫した沼に行ってガマの生息する湿地環境を見た後、室内に戻って、まずはイテセニ(編み機)づくり、工夫された石の付け方がなかなか難しく手こずりましたが、先に分かった人が次々教え合ってイテセニ完成!そして貝澤さんに教えられて見よう見まねで乾燥したガマの葉を編み込んでいきます。黒と赤の布で文様も入れていくと、それらしい感じになってきて嬉しい作業になっていきます。最後は余った紐を格好良く編み込んで完了。
出来はさておき、満足のいく鍋敷きサイズのチタラペができました。
それぞれに湿地の恵みと、それを活かしたアイヌ文化を身体で感じて、楽しい時間を過ごすことができました。持ち帰ったチタラペで、湿地の魅力を日常にも感じてもらえているかなと思います。