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湿地の魅力と現状 VRでも伝えたい!~しめっちフォーラムでのVR会場づくり

多量の水と炭素を貯留する生物のゆりかご「湿地」が減り続けています。石狩川流域では99.9%が消失、残された湿地を未来に残したい!そこで取組み始めた”湿地VR”。湿地って何だろう。ゲーム感覚だと湿地を知ってもらえる?世界中の人に北海道の湿地を届けたい。湿地とVRの初コラボ!VR開催を実現します。

現在の支援総額

282,000

112%

目標金額は250,000円

支援者数

51

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/11/29に募集を開始し、 51人の支援により 282,000円の資金を集め、 2023/12/17に募集を終了しました

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現在の支援総額

282,000

112%達成

終了

目標金額250,000

支援者数51

このプロジェクトは、2023/11/29に募集を開始し、 51人の支援により 282,000円の資金を集め、 2023/12/17に募集を終了しました

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湿地に生えるスゲという植物、感じでは「菅」と書き、苗字にも多く見られるように身近で有用な植物であったことが想像されますね。スゲは撥水性が高いので昔から菅笠(すげがさ)や簔といった雨具の材料になっていました。また稲藁と違ってほつれにくく美しいので、〆縄にも使われてきました。特に稲作がされなかった北国ではよく使われています。

しかし現在ではスゲが生えるような湿地が減り、また〆縄を綯う(なう)ことが出来る人や風習も減ってきて、今では神社に掛かる〆縄も化学製品が増え、年末に販売されている〆飾りも中国産など外国製のものが殆どになっています。お正月に神様を迎えるのに化学製品や外国産の〆縄、そして元々自分達で感謝を込めて作っていたものを買うしかないというのも寂しい話ですよね。

古来より豊かで大切な水から生えてくる植物は神聖なものと考えられ、稲作が伝来する前の日本、例えば出雲大社の〆縄にはマコモ「真菰」というイネ科の植物が今でも使われています。〆縄に稲が多く使われるのも、収穫への感謝とともに、やはりそのような理由もあるのでしょう。

そこでこのスゲを使って〆縄をつくる講師の二杉寿志さんにお願いして、ワークショップを開催することにしました。スゲの良い香りを嗅ぎ、〆縄の意義や歴史、スゲを使う理由なども聴きながら自分の〆縄を綯っていき、自宅で正月に飾ることができるワークショップは好評で、多くの皆さんとワイワイ楽しく〆縄作りをしました

当初は二杉さんが青森県の生産者さんから購入した立派なスゲを使っていたのですが、北海道のスゲを使って〆縄を作りたいね、出来れば自分たちで収穫したスゲを使ってできたら素敵だよねと話しました。スゲは珍しい植物ではなく、割とどこにでも生えている、イネ科のような細い葉の目立たない植物です。が、群生しているところとなると、あまりピンときません。植物調査をしている友人らに訊いても、「どこにでもあるんだけどなぁ、群生してるところって、どこだろうなあ」と良い返事が返ってきません。そう言えばかつて会社員時代に自生種緑化の試験で、イネ科などのモニタリング調査をお願いしていた濱田崇さんが詳しそうだなと思って連絡をしてみました。濱田さんも似たようなお答えでしたが、「春先にありそうなところを一緒に探しませんか?たぶんあちこちで見つけられると思うので」とのこと。
 >>>2022年 湿地の恵み復活プロジェクト~石狩地域産のスゲによる〆縄づくり

春まで待つ間、富山県高岡市と大阪市東成区の菅笠保存会を訪ね、材料のスゲを育てるスゲ田を見せてもらい(冬なので何も生えていませんでしたが)イメージを膨らませました。

さて助成金も申請して謝礼も用意して、雪解けとともに濱田さんと石狩川の河川敷などを探して回り、いくつか良好な群生地を見つけました。ワクワクしながら7月中旬の収穫の日を待っていると、石狩川の河畔の群生地は、保護すべき猛禽類であるチュウヒが近くで営巣しているので入ってはいけないと、河川管理をしている国交省北海道開発局の河川事務所から連絡があり、急きょ別の群生地を探しました。たまたまNPO西区ホタルの会という団体で一緒に理事をやっている先輩の佐藤利美さんから「管理している里山にもスゲが生えているようだから、見てみるかい?」と、諦めかけていた収穫1週間前に言われ、見に行ってみると確かにスゲが生えてました!湿地の利活用を進めているNPO法人人まち育てⅠ&Ⅰに「スゲ〆縄倶楽部」と言う同好会をつくっていましたが、お陰様でその仲間達と予定の期日に初のスゲ刈りが出来ました。自ら刈ったスゲを納屋で乾かさせてもらい、その秋にはついに念願叶って地元のスゲで〆縄を綯うことが出来ました。

スゲは控え目な植物で、ヨシやアワダチソウなどの高茎の植物が生えてくると、敢えて戦わず、陰でひっそりと暮らしています。春先早くに萌芽して伸び、先に光合成しておいて、初夏からは陽を譲っているようです。草刈りにも強いようなので、毎年スゲとともに周囲を刈ったり、高茎植物が生えてきたところを叩く(刈ったり抜いたりする)ことで、スゲ群生地を作れそうな気がしました(ちょっとやってみた実験の結果からもそう思われました)。

そこで今年は春から初夏に2回、スゲ生息地に生えてきた他の草を取り除いてみたところ、昨年の数倍のスゲが収穫出来ました。
>>>カサスゲ自生地(月形)〜整備地途中経過:ヨシ繁茂
>>>カサスゲ自生地(石狩川河畔)~整備地途中経過
>>>スゲ〆縄倶楽部 群生地整備②吉原→菅原

知り合いのお父様の武田八郎さんが、農業の傍ら、20年近く前までは地域の神社にスゲの〆縄を奉納していたとのことを教えてもらい、たくさんのスゲが採れたら、神社に納める〆縄を綯うのを教えてくれると言ってくれていたので、勢い込んでお願いし、大きな〆縄を綯えることになりました。9月中旬に、スゲ〆縄倶楽部のメンバー十数名が武田さん宅に集まって、皆で教えられた通りに大きな〆縄を綯っていきました。1時間ほどで立派な〆縄が完成しました(感動!)。美唄にあるマガンの休憩地宮島沼近くの大富神社に来春奉納することになっています。

〆縄を地元の湿地の植物スゲから作ること、大きな神社の〆縄でも、小さな家庭用でも、とっても楽しく、心も整うワークです。インバウンドにも好評だろうと想像しています。こんな楽しく神聖なる活動を通して、スゲや湿生植物も湿地も守ることができたら素敵だと思いました。

いまスゲの苗もタネから育てていて、スゲ田づくりの試験にも入りました。天然のスゲ群生地と、もう一方では安定的なスゲ利用のためにスゲ田で生産することも考えていきたいと思っています。スゲ田、菅田、菅田将暉さん、スゲ田の初収穫には、菅田将暉さんをお迎えして祝いたいなと、今から妄想しています。

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