昨日は、「日本コロンビア」社に伺って、カッティングに立ち会いました。レコードを作るにあたっては「カッティングが命」というのを聞いておりまして、今回は、ある方のご紹介でカッティングエンジニアの田林正弘さんにお願いすることになりました。
「カッティングが命」と聞くと職人技の響きがしますが、レコードの溝を掘るのは機械がするだろうし、どんなところが職人技なのだろう・・・と興味津々で出かけて行きました。録音エンジニアの北見弦一さんもご一緒です。北見さんは元コロンビアのご出身なので、後輩の田林さんとはすっかり打ち解けて話されていました(^^)
まず、通されたお部屋はこちら。
そして、こちらが肝心のレコードの溝を作る機械です。
まず、カッティングエンジニアの田林さんがいろいろ丁寧にご説明くださいました。
こちらは、カッティング前のレコード。つるつるでキレイ!
重要なサファイアの針。定期的に交換するのだそうです。
顕微鏡で溝を覗くと、真ん中がメインの3本線が。いろいろな模様が見えて、まるで髪の毛のキューティクルみたい。(ちょっと違うかな(^^; ) この線は、レコードの最初から最後までが一本で繋がっているのだそうです!
試しに、ドビュッシーの「アラベスク第1番」をカッティングしてもらいましたが、顕微鏡を覗くと、曲線が柔らかくて美し~い♪
そして、いよいよメインの作業へ。予めお渡ししていた音源から田林さんにカッティングしていただいていたレコードを、一通り聴いてチェックし、OKであれば、もう一度切り直したものを工場へ・・という流れだそうです。
A面を聴いた感想は、うわぁ~~~!やっぱりアナログっていいですね~♡ というものでした。B面まで聴き終えた時に、全体の印象として、ちょっと気になったことを言ってみました。すると、まずパソコンで微調整してくださって、そのデータをスピーカーで聴かせてくださいます。レコードにすると微妙に音質が変わるとかで、その場でレコードをカッティングして、すぐに音質チェック。確かに、レコードは音が違う!
う~ん、もう少しだけ前の状態に戻した感じで・・・と注文すると、またカッティングして音チェック。それを何度か繰り返すと、これがいい!というところが見つかって、一同、一安心(^^) 立ち会いの意味があった、と喜び合いました。それにしても、貴重な経験だったな~☆
カッティングエンジニア、と聞くと、私は溝を作る時に針か何かの調整をされるのかと思っていましたが、基本的にはイコライザーなど機械の前に座っての作業なのだとか。音質やレコードの盤面の特性を考えて微調整されるようですが、それが人によって違って、エンジニアの個性が出るのだそうです。
怖いのは、最終的にOKとなった音質でカッティングしてラッカー盤というのを作り、工場に送るらしいのですが、それについては送る前に聴けないのだとか!顕微鏡で溝を全て確認するものの、田林さん、いつもプレスされたものが届くまではドキドキなのだそうです。
いろいろお話を伺っていると、アナログは手間もお金もかかるし、扱いもデリケートでとても気を遣うようです。だからこその、独特の味わいなのでしょうね。今回、聴かせていただいて、やっぱりレコードっていいな!作ることにして良かった~!!と心から思いました。何というか、曲の最初から最後までが繋がって、自然に流れている感じ。そして、想像していた以上に臨場感がありました。是非多くの方に聴いていただきたいです!
プレーヤーをお持ちでない方も多いと思いますが、よろしければ、この機に新たにご購入も考えてみてください♪ Amazonなどで見ても、スピーカー付きの安価なプレーヤーもありますし(^^) アナログライフ、きっと豊かな時間を過ごしていただけることと思います!
ご参考までに、オーディオ評論家の潮晴男さんに伺ったオススメ機種はこちらです。是非ご検討くださいませ♪
5万円以内/オーディオテクニカAT-LPW30
10万円以内/ティアックTN-400BT-X
それ以上/テクニクスSL-1500C
PS/本日アップしたYouTubeは、またもや聖子ちゃん登場で恐縮です(^^; 何を隠そう、小学生の時は大の聖子ファンでした。この曲で暑い夏を乗り切ってくださいませ~♪