令和6年能登半島地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。被災地の1日も早い復旧を祈念いたします。
今回、福井県が舞台の『渡り鳥も聴こえる』の撮影は県内で行います。隣接地域で大変な状況が続いているなか、つくりたい映画の撮影のためにクラウドファンディングを実施してもよいものなのか、何度も考えました。自然の脅威を前に、芸術は無力です。
被災地の方々が余震の続く不安な夜を過ごされているなか、我々には何ができるのでしょうか。
『渡り鳥も聴こえる』メインキャストの一人である竹内啓さんは石川県出身です。
今回、竹内さんご本人より皆さまへ、コメントをいただきました。
ご一読くださると幸いです。
【竹内 啓さんよりメッセージ】
ご覧いただきありがとうございます。
この『渡り鳥も聴こえる』で清水美雪役を演じさせていただくことになりました竹内啓と申します。
クラウドファンディングが始まり、この映画が多くの方に知っていただけていることがまずとても嬉しいです。ご支援、ご覧になってくださった方々、ありがとうございます。
今この日本で支援を頂いて映画を制作するということとは。
この事を年始からずっと考えていますが、まだ明確な答えはでません。
元旦に能登半島地震が起こった時、僕はちょうど石川県に帰省していました。
その時はかほく市の浜辺を家族と散歩していました。あの揺れ、鳴り止まないアラート、大津波警報、忘れたくても忘れられません。祖父母の家や金沢にある実家やは特に大きな被害はありませんでした。あれから数週間が経った今も、あの大好きな能登には苦しい時間を余儀なくされている方々が大勢いらっしゃいます。僕や家族が生まれた珠洲のあの家は大丈夫かな、何か出来ることはないかと考えても、現地の方々の無事を願うこと、物資やお金を託すことしか出来ない自分にすごく嫌気がさして悔しかったことを覚えています。
今、現地に行って直接力になれない一役者の僕が出来ることは、目の前の映画に向き合うことなのかもしれません。そう確信して撮影に臨みます。
いつか石川県の方々にもこの映画を観ていただけることを信じて。
能登半島地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
竹内 啓
【プロフィール】
竹内 啓さん(清水 美雪役)
1995年1月11日生まれ、石川県出身。主演作『にびさびの巣』(2022/岡田深監督)では、 2022年 TAMA NEW WAVE コンペティション部門に選出。また男優賞にノミネートされた。 テレビ朝日ドラマ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022)、舞台ではエリア51旗揚げ公演 『ノゾミ』(2019)、なかないで、毒きのこちゃん企画公演『もう二度と言えなくなるねおやすみと』(2023)に出演した。
映画では『孤狼の血LEVEL2』(2021/白石和彌監督)、『首』(2023/北野武監督)に出演している。