
みなさんと共に歩んだ7年
みなさん、おはようございます!
7年間。
毎日毎日、ただひたすらに夢見続けてきた朝を、迎えています。
あと数時間もすれば、ついにこの場所に「鶏さんたち」がやってきます。
高まる気持ちをどうしても抑えられず、思いっきり早起き。
あらためて昔の写真を見返してました。

1枚目の写真。
ぽつんとチェーンソーが置かれているこの場所が、いったいどこだか分かりますか?
そう、今の「開拓小屋」が建っている、まさにあの場所です。
時計の針を少し巻き戻して、2019年。
当時の私はすべてを失い、深い絶望と失意の底にいました。
藁にもすがるような思いで辿り着いたのが、この三原村の旧芳井小学校跡地でした。
1977年に廃校になってから、半世紀近く。
誰の目にも触れることなく眠り続けていたその場所は、
すっかり大自然の圧倒的な力に飲み込まれていました。
竹や雑木がどこまでも生い茂り、昼間でも光すら差し込まない鬱蒼としたジャングル。
そこを、たった一人で切り拓き始めた頃の1枚です。
来る日も来る日も、ただひたすらに木を切り、草を刈る。
手のマメを潰し、泥だらけになりながら、毎日手を動かし続けました。
でも、大自然の力は本当に容赦ありませんでした。
雨が降れば、必死に切り拓いたはずの場所が、
あっという間に元の茂みへと逆戻りしてしまう。
心が折れて少しでも手を休めれば、
そこにはまた巨大な緑の壁が立ちはだかるのです。
「これじゃいかん!」
何度も自分を奮い立たせ、泥まみれの手で気を取り直しては前に進む。
一歩進んでは二歩も三歩も下がるような、
果てしなく泥臭い、孤独な戦いの連続でした。
一日一日、ただ必死でもがいている最中は、
自分がどこまで進んでいるのかすら、分かりません。
目の前の現実と圧倒的な大自然を前に、
ちっぽけな自分の無力さにため息をつく夜も少なくありませんでした。
でも、今になってあらためて過去の写真と見比べてみると、はっきりと分かるのです。

2024年、ぬかるみの中にようやく建った小さな小屋。(2枚目)

そして2026年の現在、心地よい風が吹き抜ける緑の空間。(3枚目)
あの日流した汗も、もがき続けた時間も、決して無駄なんかじゃなかった。
カタツムリのような歩みでも、景色は確実に変わっていたのです。
変わりゆく風景を見るたびに心が震えるほど感動し、
それが次の一歩を踏み出す活力になって、少しずつ光が差し込んでいきました。
あの暗いジャングルを切り拓く作業は、私にとって「ただの労働」ではなく、
「自分自身の心の迷いや絶望を、少しずつ切り拓いていく作業」でした。
今なら、胸を張ってそう言えます。
この開拓地は、私にとってかけがえのない「学びの場」であり、「感謝の場」です。
大自然の厳しさと優しさに触れ、私自身も大きく成長させていただきました。
そして何より、私一人の力では、到底ここまで辿り着くことはできませんでした。
「うちの集落の廃校を貸すけん」と、力強く背中を押してくださった地主の松本さん。
よそ者の私を温かく迎え入れ、見守ってくださった芳井集落のみなさん。
奔走してくれた三木さん、谷井さん、松田さんをはじめとする
「しゅりたま復活実行委員会」のかけがえのない仲間(恩人)
遠方からも物資や温かい言葉を届け、幾度となく励まし続けてくださったみなさん。
私が泥の中で立ち止まりそうになった時、もう一度つるはしを握る力をくれたのは、
間違いなく、みなさんからの温かい応援でした。
みなさんという存在が、
暗闇の中でどれほど私の足元を照らす希望の光になったか分かりません。
どんな時も私を信じ、一番近くで支え続けてくれた妻。
さらに、この場所で常に私を見守り導いて下さった
先人のみなさん、大自然という名の神さま。
絶望の中、たった一人で泥まみれになって木を伐り始めた7年前。
あの日のちっぽけな私に、「お前は7年後、こんなにも温かい人たちに囲まれて、
最高のスタートラインに立っているぞ」と教えてあげたいです。
今もし、これを読んでくださっているみなさんの中に、「毎日頑張っているのに、前に進んでいない気がする」と、焦りや不安を感じている方がいたら。
どうか、ご自身の歩みを信じてあげてください。
今ははっきりとした成果が見えなくても、あなたが必死にもがいた一日一日は、
確実に未来の景色を変えるための「土台」になっています。
数年後、ふと振り返った時に、「あぁ、いつの間にかこんな所まで来れたんだな」と
笑える日が、きっと来るはずです。
私は、まだまだ道半ばの弱い人間です。
この開拓地も、まだまだ途上であり、決して完成したわけではありません。
だからこそ、これからもこの場所で、
尽きることのない「学び」と「感謝」の日々を重ねていきます。
迷い、悩み、みなさんに助けられながら、
一人の生産者として、泥臭く一歩ずつ進んでいきます。
さて、もうすぐ夜が明けてきます。
半世紀近く眠っていたこの森に、再び生命の息吹が宿る瞬間。
ここから、私と「しゅりの森自然農園」の新たな歩みが始まります。
みなさんの応援があったからこそ、今日という日を迎えることができました。
この景色は、私だけでなく、
「支えてくださったみなさん」と一緒に切り拓いた景色です。
「なんとか、ここまでたどり着けた」
今、私の心の中にあるのは、この場所に立っていられることへの震えるような喜びと、
みなさんからいただいた無償の優しさに対する、
言葉では到底表しきれないほどの、深い深い、深い深い感謝の気持ちだけです。
本当に、本当に、ありがとうございます。
みなさんに「あの時応援して本当によかった」と心から思っていただけるように。
ここから少しずつ恩返しができるよう、精一杯生命と向き合っていきます。
これからも、この場所の移り変わりと私の泥臭い歩みを、
どうか温かく見守っていただけたら嬉しいです。
それでは、いよいよ鶏さんたちをお迎え準備をしてきます!
みなさんも、今日も良い一日をお過ごしください。
しゅりの森自然農園 生産者 藤田 守



