
みなさん、おはようございます!
私にとって毎週金曜日の朝は特別で、絶対に気の抜けない一日です。
車を走らせ向かうのは、宿毛市の「梶原食品」さん。
出来立ての生おからをいただくための、大切な道のりです。
朝9時。湯気を立てる、ほかほかの生おから。
ポリバケツたっぷりに2杯分、重さにしておよそ60キロにもなります。
おからはとても傷みやすく、デリケート。受け取ったら一刻の猶予もありません。
鮮度を少しでも落とさないよう、すぐさまとんぼ返りで農園へ戻ります。
農園に到着すると、息をつく間もなく発酵室へ運び込み、
いよいよ「一週間で一番の大仕事」が始まります。
合わせるのは、この高知の繋がりを感じる、豊かな地域の恵みたちです。
・近隣地域で集めた米ぬか 15キロ
・四万十市「マルバン醤油」さんの香り豊かな醤油粕 5キロ
・大月町備長炭生産組合さんの良質な備長炭の粉 600グラム
・高知市「ハンナ化粧品」さんのハーブ発酵エキス 100ml
地域のバトンを受け取るように、これらの材料をすべて手作業、
ムラがないよう、均一に、丁寧に丁寧に混ぜ合わせていきます。
ほかほかのおからからは、もわっと大豆の甘い香りと熱気が立ち上り、
気づけば全身から滝のような汗が噴き出してきます。
総重量は80キロ近く。かなりの重労働ですが、機械まかせには絶対にしません。
手で直接触れることでしか分からない、絶妙な水分量や混ざり具合があるからです。
指先から伝わる確かな感覚を頼りに、ひたすら手を動かします。
きれいに混ざり合ったら、今度は空気が入らないよう、
自分の体重をかけて、しっかりと固めながらポリバケツへ。

ビニールでぴっちりと密封し、
あとは数十億のちいさな生命たちの力を借りる時間です。
見えない生命体との共存。しばしの発酵タイムの始まりです。
そもそも、おからには大豆の豊かな恵みが詰まっています。
水分をたっぷり含んだ生おからの状態でも、およそ6%
水分を飛ばした状態だと約20〜25%もの良質な植物性タンパク質が含まれており、
娘たちの健やかな体づくりに欠かせない栄養の宝庫です。
しかし、水分を多く含む生おからは、そのままではとても傷みやすいのが難点です。
一般的には、機械を使って「火力乾燥」させ、水分を飛ばすという手段もあります。
確かに手っ取り早い方法かもしれませんが、
それには大量の燃料を消費し、CO2を排出してしまいます。
里や森の大自然と調和しながら生きていきたいと願う私にとって、
それは選びたい道ではありませんでした。
そこで私がたどり着いたのが、
「発酵」という大自然のプロセスによって水分を飛ばす方法。
微生物たちが活発に活動する際に生み出す自然の熱(発酵熱)によって、
おからの余分な水分がゆっくりと抜け、ふかふかの状態へと変わっていくのです。
これならば化石燃料に頼ることも、環境に負荷をかけることもありません。
そして何より、「発酵」という魔法のプロセスを経ることで、
さらなる素晴らしい変化が起こります。
おからに含まれる豊かなタンパク質が、
目に見えない微生物たちの働きによってさらに細かく分解され、
娘たちの腸内でスムーズに吸収されやすい「アミノ酸」へと生まれ変わるのです。
アミノ酸へと変化することで、娘たちの小さな体にかかる消化の負担がぐっと減るだけでなく、旨みも栄養価も格段にアップします。
私の手仕事と、里や森の「見えない生命たち」の神秘的な力で、
娘たちの生きる力を底上げする「究極の愛情ごはん」へと進化。
こうして2日経つと、おからはふかふかで栄養満点な状態へと生まれ変わります。
酸っぱい匂いは一切なく、「フルーツのような甘い香り」が漂えば、完成の合図です。
週に一度、汗だくになる大仕事。これが娘たちの1週間分の食事のベースとなり、
毎朝、お米や宗田節などとブレンドして与えています。
正直に言えば、とても手間暇のかかる作業です。でも、不思議と苦にはなりません。
なぜなら、この手作りの発酵飼料は、
わが家の愛しい「娘たち」の、何よりの大好物だからです。
夢中で美味しそうに食べてくれる顔を思い浮かべると、
「よし、今週もとびきり美味しいごはんを作るぞ!」と、おのずと気合が入るのです。
あのふかふかの発酵飼料を夢中でついばむ娘たちが、
いつもエネルギッシュで生命力に満ちあふれている秘密は、まさにここにあります。
ちなみに、娘たちが1日に食べるこの発酵飼料は、およそ7キロ。
1週間にすると、49キロをぺろりと平らげてくれます。
最初に仕込んだ量が約80キロですから、およそ31キロが残る計算になります。
実はこの「残りの31キロ」にこそ、
私が大切にしている「生命の循環」の大きな役割が隠されているのです。
まず、10キロは次週の発酵の工程で使う「原菌」として大切に保管します。
先週から今週へ、そして来週へと、たくましく育った菌たちの
「生命のバトン」を繋いでいくための、大切な種になります。
そして、最後の21キロ。これは、
娘たちが毎日駆け回る鶏舎のふかふかな地面へと、惜しみなく還元していきます。
地面にまかれた発酵飼料の菌たちは、
鶏舎の土に棲む見えない生命たちと手を取り合い、
空間全体をあっという間に発酵させ、力強く浄化してくれます。
鶏さんたちが健康に育ち、娘たちが暮らす環境もまた、
大自然の力で浄化され、美しく保たれていく。
ケミカルな「薬」に頼るのではなく、目には見えない菌(生命たち)の力を借りて、
娘たち自身が本来持っている生きる力を最大限に引き出し、
環境とも調和していくこと。
里や森、そして竹林の中で息づく小さな生命たちが、
娘のお腹の中で数十億の生命へと増殖し、力強く守り抜いてくれる。
まさに、「数十億の生命に守られる1羽のおてんば娘」
これこそが私の理想とする「娘たちと見えない生命体との共存」の姿であり、
日々思い描いている願いでもあります。
私という一人の生産者ができることは、その環境を作る手助けに過ぎません。
娘たちは、里や森全体の「ちいさなちいさな生命たち」によって守られています。
今日も、そしてこれからも。
私は子どもたちの生命と真摯に向き合いながら、
みなさんに心から安心できる美味しさをお届けできるよう、
この里と森の、たくさんの生命に支えられながら歩みます。
みなさんも、どうぞ素晴らしい一日をお過ごしくださいね。
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