
【新章・構想⑦最終回】
~100年後の森へつなぐ希望と再生の物語~
みなさん、おはようございます!
しゅりの森の未来を描く構想、最終回をお届けします。
南米ブラジルのアマゾン。マラリアの恐怖と背中合わせの中、
濃緑の波が牙をむく未開のジャングルで挑んだ苛烈な開拓。
大自然という巨大なうねりを力任せにねじ伏せるのではなく、
森が奏でる多様な生命のシンフォニーに耳を澄ませ、
深い畏怖と敬意を抱きながら
「共に生きる道」を模索し続けてこられた
「イグアス」の先人たち。
400年もの永きにわたり、天へ続く階段を縫い上げるように
急峻な斜面にしがみつき、
幾重にもカヤという名の黄金の衣を敷き詰めてこられた
「にし阿波」の先人たち。
そして、決して水源の鼓動を止めまいと、
重い石を運び上げて堅牢な石垣を築き、
生命のゆりかごである「涵養の森」を死守してこられた、
ここ三原村の先人たち。
その泥にまみれた分厚い手や、汗の染み込んだ背中、
ひたむきなお姿を想う時、
私はいつも胸の奥が熱くなり、涙があふれそうになります。
先人たちはきっと、己の豊かさのためだけではなく、
100年後、未来に生きる子どもたちや大自然の生命のために、
決して諦めることなく歯を食いしばって
汗を流し続けてくださったのだと思うのです。
私がこれから娘たち(鶏さん)と進める、
この三原村の限界集落での開拓と森づくりも、
まったく同じ想いです。
ここ三原村の芳井集落は、古くから山の神さまが鎮座し、
先人たちが手厚く守り抜いてこられた神聖な領域。
その山の深淵には、大地の静脈から脈打つように、
清廉なる水「鎮守の雫」がこんこんと湧き出しています。
娘たちと一緒に泥まみれになって耕し、ふかふかになった土は、
いずれ雨水をたっぷりと抱え込む、森の分厚いスポンジになり、
豊かな土が清らかな水を生み、
やがて川となり、海を潤していく。
100年後の未来へ続くこの果てしない生命の道のりは、
私の一生のうちにゴールの景色を見ることは叶わないでしょう。
同じく先人たちも、
一代で成し遂げられるなんて考えておられなかったはずです。
気の遠くなるような時間をかけ、
血のにじむような思いで生命のバトンを引き継ぎ、
未来へと想いを託してこられたはずです。
私が今日、泥だらけになって流す汗は、必ず「未来の成長」につながる。
私はそれを、これまでの人生で身をもって経験してきました。
1993年、南米パラグアイの奥地で、
マメだらけの手で鉄の杭1本を打ち込み、井戸を掘り始めた時。
2002年、三原村の消滅集落セキゼで、
21,000㎡の草むらをかき分け、開拓の一歩を歩み始めた時。
そして2019年、ここ限界集落の芳井で、
マイナスからの再出発に歯を食いしばって挑んだあの時だって。
光すら入らない、鬱蒼と荒れ果てた真っ暗な廃校跡。
目の前にあったのは、容赦なく生い茂る竹や笹、
肌を刺すいばらばかりで、
この先の風景がどうなっていくのか?
なんて想像すらできませんでした。
だけど、7年と9か月、
這いつくばるようにしてやってきた今の風景は違います!
桑やセンダン、クスなどのまだ小さな木々が
気持ちよさそうに風に揺れ、
切り拓かれた1,500㎡の放牧場では、ふかふかの土の上を
300羽の娘たちが元気いっぱいに駆け回っています。
光と風が通り抜け、土の匂いと共に
確かな「生命の息吹」が脈打ちはじめた森。
それが今、私の目の前にある風景です。

「100年後の森づくり」なんて途方もない目標を考えたら・・・
あまりの壁の高さに絶望し、
「自分には不可能だ」と心がポッキリと折れてしまいます。
たとえ泥を這うようなカタツムリの歩みでも、
私がこれまで歩み続け、今の風景を見ることができたのは、
すぐ足元に灯る「今日という小さな灯」だけを頼りに、
一歩ずつ、ただひたすらに
「目の前の現実」という土塊と格闘してきたからです。
途方もない時間のスタンスではなく、「今できることを!」
100年後のことなんて、今の自分には到底やりきれない。
1年先のことだって、不安で立ち止まってしまうかもしれない。
だからこそ!
この数か月間で「這いつくばってでも必ずやり遂げること」を、
今回あえて構想としてみなさんの前に掲げました。
構想(事業計画)というより、私の「決意表明」ですね(笑)
そして、今回掲げた目標を一つひとつやり遂げるごとに、
その都度、次なる構想(事業計画)を新たに追加していきます。

立ち止まることなく、
歩みを進めるたびに次の未来を描き続けていきます!
これまで何度も何度も何度も何度も、
「一歩進んで五歩も六歩もズルズルと後退する」
挫折がいっぱいありました。
きっとこれから先も泥にまみれ、
不器用にもがき苦しむ日々が続くでしょう。
でも、うしろは絶対に見ません!
見据えるのは目の前のみ!
その先にあるはずの「未来の景色」です!
私が今どんなに不格好でも「一歩前に踏み出す」こと。
つるはしや鍬を振るって少しずつでも森に光を届け、
娘たちと共に森を育て、生命のサイクルを取り戻していくこと。
100年後の未来、この場所で暮らす誰かが。
桑やヤマモモが豊かに茂り、
多様な生命が息づく美しい森を見上げて
「昔の人が汗水垂らして残してくれたんだな」と、
微笑んでくれるかもしれないから。
日本全国にある過疎地域、荒れ果てた田畑や見捨てられた森。
そこに再び生命の息吹を吹き込むという
「希望と再生の物語」を、この地から始めること。
それが、先人からの崇高なバトンを受け取った、
私の生涯をかけた挑戦です。
いつか、多様な木々が茂る森の中を。
子供たちが気持ちよさそうに、
太陽のような笑顔で駆け回る風景を夢見て。
今日もまた、100年後の誰かのために、
娘たちと共に真っ黒になって土を耕し、森を育んでいきます!
この構想を胸に、明日からはリアルな「開拓日記」として、
目標に向かって泥まみれになりながら
もがき楽しむ日々の作業の様子を、
ありのままにお届けしていきます!
どうか、この小さな挑戦を温かく見守り、
一緒に未来の森を育む仲間として、
共に歩んでいただけると本当に嬉しいです!
それではみなさん、今日もよい1日をお過ごしください。




