元弘年間(1331〜1334)のことです。
この地に下った藤原頼之は、地元の豪族の娘である桃香姫と相思相愛の仲となりました。
しかし、頼之は都に戻るよう命を受けます。
そこで二人は再会を誓い、志賀理和氣神社の参道に一本の桜の木を植え、頼之は都へと旅立ちました。
数度となく季節は巡り、頼之からは無いまま春を迎えたある日、桃香姫は頼之とともに植えた桜を見に行くと、桜の花は桃香姫の心を宿したかのように全て都の方角を向いて咲いており、
桃香姫は 「南面を 向かいて花は 咲きにけり みやこのひとに かくと告げばや」 と文を送りました。
その歌に心を打たれた頼之は桃香姫を都に迎え、二人はめでたく結ばれたと伝わります。
これから植えられる木にも、思いもよらない歴史が刻まれるかもしれません。
また、植樹を支援してくださる皆様のお心は、森に姿を変え、生命の循環を持って脈々と継がれていくのです。
そのような大きな節目に皆様が立ち会ってくださっている事に心より感謝を申し上げるとともに、誇りに思っていただけるよう、良い森を育てたいと思います。
今後ともお心寄せをくださいますようお願い申し上げます。