《メッセージ》みなさんこんにちは。映像ディレクターの本山です。本プロジェクトの発起人の一人でもあります。普段はフリーランスで実写の映像制作やライブ配信の仕事をしています。この度は、みなさまのおかげでクラウドファンディングの目標金額に無事に達成することができました。本当にありがとうございました!今回のプロジェクトの立ち上げを通して、ご支援だけでなく、多くの応援や情報提供をいただきました。メンバー2人という小さなところから始めた新しいメディアの取り組みをやることに大きな自信を持つことができました。改めて発起人の一人として、この活動を始めた背景をお話させてください──────────────私自身はこれまで、被災の経験もありませんし、復興のボランティアに参加したこともありませんでした。東日本大震災から8~9年経ってから復興事業に関連する仕事で東北に何度か足を運んだことはありました。しかし、被災地域でどんな人の暮らしがあったのか、どんな未来があったのか、そんなところに全く想像が及ばず、現地を訪れてなお「震災」というものを「テレビの向こうの世界」止まりで認識していました。一方で、映像の仕事を続けていく中で「テレビの向こうの世界」の捉え方が変わり始めました。リアルを撮影するというのは、誰かの「起点」に立ち会うことが多いです。結婚式やらイベントやらはもちろんそうですが、中には「努力してきたことが報われなかった瞬間」だったり「寿命があとわずかな人」を撮ることもありました。そうした経験の中で、本当に当たり前のことなのですが、テレビの向こう(もしくはSNSの向こう)で人が呼吸をし、何かに四苦八苦しながらも生活を営んでいるということをよく考えるようになりました。本プロジェクトのきっかけとなったのは、2022年の静岡県の台風15号による豪雨災害でした。台風から1か月経って報道があまりされなくなった時に依然として倒壊した家屋が放置されているという現状をたまたま知り、「1ヶ月もこの状態が続いていたのか、、、」と感じたのをよく覚えています。 「その1ヶ月はどんな暮らしだったんだろう」「豪雨がなければ今はどんな生活だったんだろう」そんなことを考えました。復旧が長期化すること自体は免れない中で、映像を作る人間としてこれから先の災害のなかでできることはないか...そんな折に当時防災のNPOで働いていた加藤さんとそんなお話をする機会がありました。こうした経緯の中で、今回の能登半島地震の直後に本プロジェクトが立ち上がりました。 現場で話を聞いたり、防災の専門家としてあらゆる経験をしてきた加藤さんとの議論を経て、プロジェクトを形作っていきました。その中で大事にしたいことは、ただ事実の報道をするのではなく、「地域が求める復興のあり方についての建設的な意見を一緒に考え、発信をしていく」ということです。「建設的」という言葉には、実行性があり、必ず次のアクションに繋げていくと、そういった意図を込めています。映像は作ってyoutubeにアップしたらそれで目的が達成されるわけではありません。「テレビの向こうの世界」を少しでも観てる人に近づけるには”こうした情報を能動的に受け取り、対話し、意見を生み出していく場作りとセットで考えていく”必要があると考えています。 そんなことをこのプロジェクトを通じて取り組みたいと思っています。「被災前より良い地域になる復興」が実現できるように継続して努めていきます。 どうぞよろしくお願いいたします。《プロフィール》本山 幸志郎神奈川県横浜市を拠点に活動する映像ディレクター。ドキュメンタリー、コーポレート映像、WebCMなどの制作やライブ配信を中心に行う。1995年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。2019年よりフリーランスとして活動開始。◯Zoh Productions https://zoh-pro.com/