本日は五島のいたるところに言い伝えがあるガータロのお話を紹介します。
カッパのことを五島では「ガータロ」と呼んでおり、字で書くと「河太郎」となります。
ただし、島内でも地域によって少しずつ呼び名が異なり、「ガアタロ」「ガアッパ」「ガッパ」「キャタロ」「ケタロ」「ガアッパドン」「ガッパドン」などと呼ばれています。
姿かたちは本土のカッパと同じで大きいものでも背丈が1メートルくらいで頭には皿があり、その中に水がなくなると力が弱くなるばかりでなく、神通力が失われるといわれています。
子のガータロは島のいたるところに棲んでおり、一寸した小さな流れ、平常は干上がっているような小川にも棲んでいるといわれ、島内にはほとんど無尽蔵といってよいほど話のタネを作っています。
所によっては水神様の家来になって村々のためになったり、いたずらや悪さを繰り返したりもしており悪というよりいたずら好きの妖怪というイメージです。
五島のガータロの特徴は、本土のそれと同じように人の尻子玉を抜いたり、角力が好きだという以外に狐のように人に憑いたり、腕が抜けやすい特徴を持っています。(元来、野生のキツネやタヌキがいないことからその代わりになったと思われます。)
福江大日山の堂宇の裏手にある石造りの「ガータロ」は狛犬の代わりに奉納されたものもあります。