本日は福江(ふくえ)に伝わる伝説を紹介します。観光スポットにもなっている場所に関するお話です。
福江市唐人町(とうじんまち)にある明人堂(みんじんどう)は通称メージンドウまたはメージンサンと呼ばれ、多くの人たちに信仰されてきました。
明人堂は天文9年、明(今の中国)の貿易商人、汪直(おうちょく)が福江に来航し、五島藩17代盛定公に通称を願い出て許され、基地や住まいにする屋敷まで殿様からいただき、一族を住まわせたうえで守護神として祀ったのがこの明人堂と伝えられています。
汪直は大船団を組織し、東シナ海を舞台に海賊となり明の貿易船、甲陽線なども矯正通商の相手としたため明国政府ににらまれていました。
汪直は五島がよっぽど気に入っていたらしく、「五峯大舶主」と呼ばれるのを一番喜んだと伝えられています。
その後、汪直は明に騙されて連れていかれ処刑されてしまいました。
敵を討つため明に攻め入った王游たちも帰らぬ人となってしまいました。
明人堂がある唐人町は汪直などが住んでいたことから呼ばれるようになったといわれています。