2024/02/16 01:19
武術太極拳という競技に小学4年生の時に出会った。
地元(新潟県糸魚川市)では「太極拳」の教室があったが「長拳(カンフー)」の指導者や競技者がいなかった。母と姉と僕の3人で教科書やビデオを見て長拳を学んだ。他に競技者がいないということや、小さい子が頑張ってるというのもあり新潟の武術太極拳界ではそこそこ有名になりチヤホヤしてもらった。それがモチベーションにもなっていた。初めて出場した全国大会で8位入賞。新潟県の大きな新聞に一面を飾った。新潟の星といわれて良い気持ちだった。
翌年から出場種目が変わった。全国大会の成績は下の方だった。また入賞できるものだと思い込んでてショックを受けた。大会の練習会場では上手い選手を見るのが怖くて、その中で自分が練習することがしんどかった。1-2回?大きな大会には出たくなくて辞退したこともあった。分かりやすい井の中の蛙が大海を知る瞬間。
でも、カンフーを辞めたいと思うことはなかった。
・単純にジャッキーやジェットリーが好きでカンフーが好きだから。
・出来なかったことが出来るようになる瞬間がたまらないから。
・チヤホヤされるから(笑)
そんな挫折のようなものを経験しつつも、そこから東京や栃木の練習にも参加したりして気づけば強化選手になっていて、憧れるだけだったトップ選手達と一緒に練習したり、大会で競い合ったり、愛好者からトップ選手まで様々な武術仲間が全国各地にどんどん増えていった。
。。。。。
そして2019年の全国大会を最後に強化選手は引退したわけだが、僕にはコンプレックスのようなものが今でもずっと残っている。
「全国大会で優勝したことが無い」
武術を始めてから現在まで約24年間、全国規模の大会で優勝したこともないし、もちろん日本代表になって国際大会を経験したこともない。
周りの強化選手たちはジュニア時代も含めて、1度は優勝してるし、代表にもなってる。だから強化選手に選ばれてるわけだけど。
これは結構しんどくなる時がある。
オファーを受けた時とか
「え、僕でいいんですか?僕より優秀な人たくさんいますけど。。。」
武術仲間と一緒にいても
「このメンバーの中に自分がいていいのかな。。。」
常にではないけど、ふとした瞬間にね。
だけど
憧れの先輩も、優秀な仲間たちも
応援してくれる人たちも
「ワッキー長拳も太極拳もアクロバットもできて羨ましい!」
「脇田さんの演武が一番好きです!」
「先生の教え方がわかりやすい!」
「舞台で一番輝いていたよ!」
「ワッキーだから良い!」
成績なんかなくても見てくれている人がいる。
自分でも気づかなかったところを見つけて評価をしてくれる。
落ち込んでしまったとき、頂いた言葉たちが支えてくれる。
世界に一つだけの花の歌詞が沁みる。
現在の自分は
・出来るようになるための試行錯誤や地道な練習、過程も好きになった。
※昔は地道な練習は好きではなかったなぁ(苦笑)
・教えることも好き。ただ自分が知ってることを伝えるということだけではなくて、「この人にはどう言えば(見せれば)うまく伝わるか」ということや、その人の課題を「どうすればいいんだろうねぇ」と一緒になって考え勉強し、探究することが楽しい。
・僕の演武を見た人が、僕から指導を受けた人が、僕と関わった人が素敵な何かへ少しでも近づいたり、きっかけになってくれたらすごく嬉しい。
『BRICKS』をたくさんの人に観てもらいたいです。
ストーリーが心にしみます。
武術経験者には特に胸に突き刺さります。
武術経験者じゃなくても自分の分野に置き換えると
同じくぶっ刺さります。
この舞台をきっかけにもっとカンフーを好きになるでしょう。
それぞれが頑張ってる何か、もっと楽しみたくなるでしょう。
家族や友人をもっと大切にしたくなるでしょう。
自分の殻を破りたくなるでしょう。
役者でもない
優勝経験もない
そんな僕が主役を任されました。
この先こんな奇跡二度とないでしょう。
そんなやつでも輝ける場所があるってところ
ぜひその目で観に来てください。
そして、次につなげるために、ご支援を頂けたら嬉しいです。
(執筆)
Bキャスト主演
脇田圭佑