みなさま、こんにちは。TOFAの田中ちひろです。
今回のプロジェクトも中盤となり、皆様からの暖かいご支援、本当にありがとうございます。
さて、今日は、そのプロジェクトの中の、「つながりの総量を増やす」について、考えてみたいと思います。
人のほとんどの営みは、人、もの、自然、世界、知識などさまざまなものとつながってできていると思いますが、そのなかでも楽しくて人を幸せや成長に導くつながりとはなんだろうとずっと考えてきました。
私たちTOFAがタンザニアで活動し始めてから今年で4年、有志のころを加えると8年、タンザニアとつながってきたことになります。
そして、そこに至った最初の出会いは、そこからさらに21年前、2003年に私がタンザニア人のポールと出会ったことでした。
一度はセレンゲティー国立公園を見てみたいとタンザニアへサファリ旅行に行った私と友人たちを、当時のポールはテントで泊まるときに私たちの食事を作ってくれるコックとして迎えてくれました。当時は衛生状態もあまりよくなかったので、旅行中にお腹を壊すのはほぼ必然でしたが、ポールが作ってくれた料理だけはおなかを壊さなかった、そんな優秀なコックさんでした。
そんなポールが旅の終わりごろ、高熱で倒れました。サバンナの真ん中なので、すぐに病院にも行けません。食事など何とでもなるし、他の団体のコックさんもいるからとにかく休みようにと何度も言ったにもかかわらず、ふらふらの状態で「あなたたちにお腹を壊してもらっては困る」と私たちの料理は自分が作ると譲らなかったポール、、、
その責任感と、なによりも私たちのことを考えてくれるやさしさにに感動したのを今でも覚えています。
その想いに何かお礼をしたいと思った私たちがポールに夢を尋ねると「もっと勉強したかった」と答えました。そこからまず正式なコックになるための学費を当時の友人たちと援助し、彼自身が稼げるようになってからは自分で勉強を続け、その後、彼は正式なガイドになったのです。
今の自分があるのは教育を受ける機会を与えられたから、そして一人でも多くの子供たちにその機会を与えたいというポール。その想いに賛同して、2017年にポールの母校を友人たちと訪れた、それが現在のTOFAにつながっています。
こんな活動をしていると、「すごいね」と言われることがあります。一見、私たちの活動は教科書も持たない恵まれない地域の子供たちに一方的に支援、つまりGIVEだけをしているように見えるかもしれません。
ただ、正直なところ、私は個人的にGIVEよりはるかに多くのものをもらっている、つまりTAKEしていると感じています。
「すごい」どころか、楽しいから続いています。
何も持たないのに、目をキラキラさせて私たちを歓迎してくれるひとたち、
生まれて初めての教科書を恐る恐る開く子供たちの歓喜、
360度の地平線の中で太古から淡々と繰り広げられる動物たちの生と死のドラマ、
大地に沈む広大な夕日、
プラネタリウムよりもすごい満天の星
今までご一緒したみなさんは、大人も子供もものすごいエネルギーと感動を得られたようで、その姿を目の当たりにすることも、またものすごいTAKEだと感じています。
私を含め、TOFAのメンバー全員が、アフリカのド素人でした。あったのは友情と好奇心だけ。
求めて、頼ったのは、今から思えば、ただ、「つながり」でした。
いつもと違う世界とつながる、いつもと同じ人、場所でも違う視点でつながる、
そしてつながる時、そこに上下はなく、ただ楽しくGIVE&TAKE
そんなつながりは次のつながりを呼び、どんどん大きくなっていくと感じています。
そして今回のプロジェクトは、それをサッカーでやる。
スポーツは言葉の壁も超え、ただ一緒に走る、ボールを蹴るだけで瞬時に「つながり」を実現してくれます。
そんな機会を、日本の子供たちに経験させてあげたい。タンザニアの子供たちに経験させてあげたい。そして「つながり」を作るのに、資格もなにもいらないこと、ただ、少しの勇気と好奇心があればいいことを、子供たちに感じてもらえたら、こんなうれしいことはありません。
プロジェクト実現まで、もうひと踏ん張りです。ぜひ応援してください。
そしていつか、皆様お一人お一人も、何らかの形でそこにつながって頂けることを、心から願っています。
NGO TOFA 代表 田中ちひろ