2024/02/11 22:57

今日は群馬県立館林美術館でのヒューマンビーイング展でのイベントで映画「手でふれてみる世界」の上映会と、岡野晃子監督と三輪代表のトークが行われました。

「手でふれてみる世界」は、三輪代表が熱く語ってきた触察をテーマに、イタリアのオメロ触覚美術館での取り組みが丹念に描かれています。

オメロ触覚美術館は、全盲のアルド・グラッシーニ、ダニエラ・グラッシーニ夫妻の想いと行動によって作られた、触って作品を鑑賞するための美術館で、触察の文化について深く研究し教育や作品の収蔵・開発も行なっているとてもユニークな美術館です。夫妻の熱意によって小学校の教室の一部という小さな規模から始まり、今は国立美術館として美しい立派な施設を持っています。

今日上映されたのは、ユニバーサル版として視覚障害の人も聴覚障害の人も楽しめるように、音声による場面解説や字幕もつけられたもので、最初は少しせわしない感じがしましたが、しばらくすると、意外に馴染んで、場面解説がなかったら、そこ気がつかなかったかも、と思うようなところもありました。三輪代表も、視覚障害の人用につけられている音声の場面解説に対しては、「情報が多すぎて疲れちゃう」と結構辛口なのですが、終わってからのトークでも、この場面解説はちょうどいい感じでとても良かった、と言っていました。

しかし、オメロ美術館の取り組みはとても先進的で、わたしたちにとっても参考になることばかりでした。ラストシーンがとても美しく、トークで岡野監督が、ほとんどの場面が一発どりで、しかも頼んだわけでもなく自然にそういう展開になった、というのにちょっとびっくりしてしまいました。

トークでは、触察について、ユニバーサルであることについて、さまざまな興味深い話題が出て、あっという間に時間が過ぎてしまいました。メノキの設立当初から、文化財を回るツアーをいつかやりたいね、と三輪代表と話していたのですが、今日のトークの中でも「ユニバーサルツーリズム」という言葉が岡野監督から出て、三輪代表が熱くツアーの構想について語る場面もありました。

今度の17日の土曜日には、バスツアーと対話型鑑賞のワークショップや音楽会という大きなイベントが行われます。バスツアーと対話型鑑賞のワークショップはもう予約がいっぱいになってしまいましたが、音楽会は申し込み不要なので、興味のある方はぜひ足をお運びください。

音楽イベント「音のスケッチ 彫刻をみる/音楽でみる」