2024/03/14 00:13

昨日、群馬県立盲学校の寄宿舎で行われた、みんなとつながる上毛かるたの体験会を見学させてもらいました。

昨日の活動報告で紹介させていただいた、多胡さんが主催している課外活動で、見えない生徒さん、見えにくい生徒さんと、先生たちが参加して、みんなとつながる上毛かるたを使って、ゲームをしたり、感想を言い合ったり、とても楽しい時間をみんなで過ごしました。

印象的だったのは、生徒さんたちだけでなく、先生たちもとても楽しそうだったことです。触ることで何かを読み取り、それを言葉を交わしながら共有する。普段、見ることだけで理解しているつもりのことが、触ることを通じて、違う感覚での理解が立ち上がり始める・・・それは初めは、なかなかすぐに伝わらなかったり、わからなかったりするのですが、一緒に言葉を交わす人がそこにいると、お互いの感じ方を共有することで、未知の「理解の仕方」が少しずつ開けてくる。それはなかなか新鮮で、ちょっと不思議で楽しい感覚なんです。

「上毛かるた」自体は、群馬の固有のものではありますが、「みんなとつながる上毛かるた」を通じて開けてくる「世界の手触り」を共有する体験は、視覚障害の人たちのことだけに限らず、多様な人が生きているこの社会にとって、とても大事な感覚だと思うんです。

三輪代表は、触察はコミュニケーションなんだ、ということをよく言います。彼女が上毛かるたを立体にして視覚障害の人と健常者が一緒に遊べるものとして作ろうとした時、初めは、勝ちか負けか、すぐ情報が伝わるかそうでないか、という点を主に考えていたけれど、実は要点はそこではなくて、このかるたを通じて対話をすることこそが、大事なんだ、と気付いたそうです。

群馬県外の人にとって、上毛かるたは未知のものかもしれません。でも、群馬県の人と触察を通じて対話する機会があったら、多分不思議な世界の奥行きが感じられてくるのではないでしょうか。

なかなか、文章や写真だけでは伝わりにくいのですが、ぜひ、機会がありましたら、群馬県立館林美術館で実物に触っていただいて、そばにいる人と対話してみて欲しいのです。このプロジェクトの意味がわかっていただけるのではないかと思います。