三輪代表が、現在興味を持っている触察というテーマ。
単に触覚を通じて美術作品を造形することから、触ること・触ることで世界を理解することの奥深さに三輪代表は気が付きつつあるようです。
「触っただけでは視覚障害者もすぐわかるわけではないのよ。対話しながらだんだんわかってくることが面白い。触察のためには言葉が重要」といいます。
この「みんなとつながる上毛かるた」も、通常の上毛かるたのようにただふだを取り合うということだけが目的ではないんです。触ること、触りながら言葉を交わし、少しずつ触覚から何の図柄なのかを理解していく、その過程こそが重要だと私たちは考えています。その過程が、見えない人・見えにくい人と見える人がお互いの感じている世界を共有することにつながるからです。
見えない・見えにくいからこそ「見えている」ものがある、晴眼者が「見えている」と思っていることが実は見えていなかったりする。そうした発見が触察にはあるのです。
この「みんなとつながる上毛かるた」体験はその触察の入り口になるように思えます。
アイマスクをしたりして、目で見ないで、指先に意識を集中してそこに何が描かれているかを理解しようとする・・・それはちょっと不思議な体験で、ぜひ多くのみなさんに体験していただきたいのです。
三輪代表は、上毛かるたの次は触察の絵本を作りたいといいます。造形作家ならではの感覚と、触察への深い理解が生み出す今後の展開が楽しみです。そのためにもこの「みんなとつながる上毛かるた」の改良版の制作は、触察の文化を作り出すための深い研究素材でもあるのです。