危機管理に関する情報収集に必要なのは「速報性」と「フラットさ」
皆さま、こんにちは!
長崎と東京の2拠点で、現役大学生兼危機管理コンサルタントとして活動しております、Sunny Risk Management(サニーリスクマネジメント)と申します。
2024年2月7日正午より、サニーリスクマネジメントをひとつひとつの企業に寄り添う企業にし、より多くの事業者の方々に専門的な危機管理を提供するためのクラウドファンディング
『地方の中小企業をあらゆるリスクから守り、地域経済を支える企業を作りたい!』
を開始いたしました。
今日の活動報告では、私が危機管理(リスクマネジメント(事前対策)、クライシスマネジメント(事後対応))を行う上で情報収集として使用しているメディア、使用しないメディア、情報を収集する際に気をつけていることやポイントをご紹介します。
日常の情報収集の参考になる部分もあるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
情報収集で使うメディア
危機管理を行うための情報収集に関して私が主に使用しているメディアは、次のとおりです:
①各国政府の公式の情報
②各自治体の公式の情報
③通信社
④新聞
⑤テレビニュース
⑥企業や団体のWEBサイト
①各国政府と②各自治体は、政策や法令等に関する情報を知ることや、ひとつの出来事の全体像を知ることに有用です。特に大災害など一定の地域に影響が及ぶような危機の場合に、国の情報を見ることで全体像を掴み、自治体の情報を見ることで細かな情報をキャッチすることができます。ただ、情報は公式のものになるものの、情報のアップデートは多くはありません。近年は元首や首長、または国・自治体やそれらに属する機関がSNSアカウントでリアルタイムの情報を提供する場合もあり、そちらを参考にする場合もあります。
③通信社は、最も速報性に優れたメディアであることから、いち早く情報を掴むことができます。ロイター(イギリス)、AP通信(アメリカ)、フランス通信社(フランス)の「三大通信社」に加え、共同通信社(日本)、時事通信社(日本)、聯合ニュース(韓国)や、新華社(中国)、タス通信(ロシア)など、世界各国の通信社がそれぞれ各地に記者を派遣したり、通信社ごとにネットワークを構築したりして、世界中の出来事を短文で速報します。短文のため、詳細を知ることにはあまり向かず、国によってはプロパガンダ的役割を担う通信社も存在します。
④新聞は、通信社よりも詳しく、テレビニュースよりも速く情報を知ることができる、ちょうど中間のメディアです。重要なニュースは朝刊で一気に知ることができるほか、近年は電子版で速報などもあるため、速く・正確に知ることができます。新聞社の立場によって扱われる出来事の性質が異なったり、同じ出来事であっても書き方が違ったりするため、各社を見比べての解釈も必要です。また、全国紙で扱いきれないさらに細かな内容は地方紙から得ることができます。
⑤テレビニュースは、映像や音声によりリアルに情報を知ることができる点が特徴です。中継放送を行う場合もあり、文字や画像よりもその光景を速く・詳しく知ることができます。テレビニュースも、通信社と同じく国によってはプロパガンダの役割を持つ放送局もあり、また新聞と同じように、局ごとの立場でその出来事の扱い方が左右されます。また、キー局の放送で扱われない細かな内容は、地方の放送局から得ます。
⑥企業や団体のWEBサイトからは、ライフライン関連のリアルタイムでの稼働状況やその団体が専門に扱っている内容などの独自の情報を得ます。例えば、リアルタイムな停電状況を電力会社のホームページで調べたり、特定の技術や手法、考え方について、それを専門としている団体のWEBサイトで調べたりといったものです。
このほかにも、平時には、書籍や論文等からの情報収集も行います。
情報収集に使わないメディア
一方で、普段は身近でも、危機管理を行うための情報収集には使用しないメディアもあります:
①SNSやネット掲示板: 情報量は多いものの、その分正確性に欠ける情報が多い。SNSで情報収集するのは、公的機関や元首・首長、企業の発する情報のみ。そのほかは炎上事案やデマ・流言の観察など。
②ニュースポータルサイト: さまざまな情報元からの記事が提供され、まさに玉石混交。各媒体から直接検索するほうが早い。
③週刊誌: 時々フラットな記事もあるものの、多くは読者を惹きつけるために誇張した表現などが使われるため、情報収集としては向かない。
④情報バラエティ番組: ワイドショーなどもこの分類に含まれる。基本的に事実を扱っているものの、バラエティ向きに編集されていることからテレビニュースより情報の透明度が低い。
⑤まとめ動画・解説動画: 動画プラットフォームで配信されているもの。ソースが不明な場合がほとんどで、真偽不明のものが多い。動画プラットフォームでは、報道各社や公的機関の投稿した動画やライブカメラなどの一次情報を提供するものを情報源として活用できる。
大切にしていることは「速報性」と「フラットさ」
私は、危機管理を行うための情報を得たり解釈したりするときに、速報性とフラットさを大切にしています。
まず速報性ですが、これはリスク発現時から直後─つまり、災害などの危機事象が発生した時点やその直後に最も求められるものです。どんな小さな情報でもできるだけ速くキャッチすることが、クライシスマネジメント(事後対応)における第一歩です。
そしてフラットさは、平時の事前対策、リスクマネジメントの段階で特に求められます。世界にはさまざまな立場のメディアがあり、同じ事象でもその扱い方は多種多様です。私は、危機管理を行う上での報道機関からの情報収集はまずオフィシャルな情報を提供する可能性の高い公共放送や国営放送(ただし国営放送はプロパガンダの要素もあるので情報の扱いに留意)を参照し、次いで中道のメディアが提供する情報を参照しています。危機管理を行う上での情報の獲得は一次情報が理想的ですが、メディアから獲得する場合もできるだけ一次情報に近いものやニュートラルなものを選びます。
これらが私が危機管理を行う上で取り組んでいる、「危機管理的なメディアのつかいかた」です。ただ流れてくる情報をそのまま受け取るのではなく、それを分類・分析し、その背景に何があるか、事実は何かなどを見極めることが重要です。
私は、これまでに学び、経験して得た危機管理の知見を活かすことにより、迅速な復旧・復興、そして危機に強いまちづくりという側面から地域に貢献したいと考えています。
より多くの事業者のかたが安全に事業の展開や事業継続ができる環境づくりをサポートし、危機管理文化の定着により地域全体に安心を生み出すために尽力してまいります。
もし、少しでも共感いただけましたら、サニーリスクマネジメントのクラウドファンディングページへのご支援及びSNSシェア等のご協力をいただけますと幸いです!
サニーリスクマネジメントでは、今後もこの活動報告ページを通じて私自身や事業及び本プロジェクトについての情報を皆さまと共有してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします!