2024/03/13 19:02

庚申草は、栃木県西部や日光周辺の深山にまれに見られる、日本特有の貴重な食虫植物です。この植物は、岩壁に生えることがあり、特に日光の庚申山などで見られます。

庚申草の特徴は、根元から葉が生え、葉の形は卵状楕円形で、長さは7〜15ミリメートル、幅は5〜8ミリメートルほどです。葉の先端は丸く、縁は全縁で少し内側に巻いています。葉の表面にはたくさんの腺毛があり、これらから分泌される粘液で小さな虫を捕らえ、消化します。

庚申草は、6〜7月ごろに葉の間から細い花茎を伸ばし、通常は下部で2本に枝分かれして高さ3〜6センチメートルほどになります。それぞれの先には、淡紫色の小さな左右対称の花が一つついています。

この貴重な植物は、日光の山々で見られる美しい花でありながら、同時に小さな虫を捕らえて生きる生態系の一部を担っています。