私がクラウドファンディングに挑戦することを公開した時に石川県内で働く看護師さんからメッセージを頂きました。
「地震の前から能登町の自宅に帰りたくても資源が少なく、帰れない方がたくさんおられました。能登の在宅医療の充実を心より願っております。」
「能登半島で生まれ育って、最期を能登で迎えられてよかったと思える人が増えてほしいです。能登町の在宅医療の実態が厳しい中で、田中さんのような方が居てくれてよかったです。一緒にお仕事ができるのを楽しみにしています!応援しています!」
このメッセージを読んで、改めて答え合わせができた気がしました。
能登町に住む人は、近隣のかかりつけ医の他に、七尾市や金沢市の病院にも通院している方が多くいます。また、大きな手術が必要になると遠方の病院で手術をして自宅に帰ってくるケースが多くあります。頂いたメッセージのように震災前も能登町では在宅医療の資源が少なく「生きる場所」「最期の場所」を自由に選択できない状況でした。
震災後は若い力が能登を離れるなどの人材の不足と、建物の損壊などにより在宅支援事業の縮小が加速しています。
入院先の主治医が「能登の家に帰っても、これだけの在宅支援者がいるなら安心して退院支援ができる」と思ってもらいたい。
在宅支援を支えるには「在宅医」「協力医療機関」「訪問看護師」「薬剤師」「理学療法士」「ケアマネージャー」「ホームヘルパー」「福祉用具専門相談員」などの多職種の協力が必要になります。
その中で訪問看護師は主治医やケアマネージャー、ホームヘルパーなどと連携して病状の確認、医療処置や医療相談、療養のお世話などを行います。緊急時の対応とともに利用者様や家族の心身のケアにあたり、介護指導を行うことで家族ケアの中心の役割を担っています。
在宅医療が整っていれば「退院して能登の自宅に帰っても大丈夫だ」と思ってもらえるような、そんな訪問看護ステーションを立ち上げたい、そんな訪問看護師でありたいと思っています。
私は、まだまだ勉強中ではありますが、主治医からの訪問看護指示に応じて、0歳児から高齢者、精神の方まで、日ごろの食事介助、経管栄養管理、排泄介助、内服管理や、入浴介助や清拭などの清潔ケア、褥瘡防止ケアや処置、フットケア、口腔ケア、人工肛門や人工膀胱のストマ管理、カテーテル管理、点滴や注射管理、HPNポンプやPCAポンプ管理、人工呼吸器の管理や吸痰などの医療行為、認知症ケア、終末期ケア、疼痛緩和ケア、看取りのケアなどを必要とする沢山の方とご縁を頂き、沢山の経験をさせて頂きました。
(厚生労働省ホームページより引用)
訪問看護を必要とする方は、高齢者だけとは限りません。
どんな方でも住み慣れた自宅で暮らしたいと「生きる場所」を自由に選択できるように、どんな方でも大切な人が住む心地のいい場所で「最期の場所」を自由に選択できるように、お手伝いできたらと思っています。
石川県内で働く看護師さんからのメッセージは、私の不安な気持ちに強く追い風を吹かせ、背中を押してくださいました。
「帰りたい」と思っている能登町の方が安心して帰れる場所になるように尽力して参ります。
訪問看護師 田中美穂