今日のお話しは自分の中では黒歴史で、誰にも話した事がなく、というよりほぼ忘れていたのですが、昨日の流れで久々思い出したのでその記念に記しておこうと思います。
当時の自分は若かった。そして恐らく可愛かった。相手も自分もちゃんと交際したのは初めてだった。それ故の悲劇が待っていた。
相手の実家はやや郊外とはいえ立派な一軒家で、代々医者か教師の家系、初めて遊びに行った時、(秋だったのでしょう)自宅の庭で収穫したという柿と葡萄を出されました。その時は和やかに楽しい時間を過ごしたと思っていたが、後に相手のお母様より私の立ち振る舞いや服装についてのダメ出しがあったと彼より聞かされる。
今ならとりあえず真摯に聞き、改めるべきだなと思う事とそうでない事の振り分けを行うが、当時は...何も考えず100%相手に合わせました。若さとはそういう事です。
『うちの娘になる子だから』『〇〇家の名前を汚す訳にいかない』ドラマ以外でナマでそんな言葉聞けたのは貴重な体験だったのかもしれない。今はそう思えるが、こちらは父親が幼い頃に行方不明になり、母親に不信感を抱きながら大きくなった身...『スカート以外は履くのをやめなさい』『お買い物は三越行きましょ』『ピアスの穴が開いているの!?身体に傷を付けたっていう事!?』向こうのお母様の仰っている事はほぼ理解出来ません。自分の胸の中の、最初は小さかったモヤモヤが日毎大きくなります。終焉はとある老舗ホテルの1階ラウンジのティーコーナーでした。
その日は仕事帰りにお母様に呼び出され、何だかんだとダメ出しをされていましたが、半分聞いていませんでした。『ねぇ、あなた、私の話し聞いてるの?』『私は...私だから』
口が自然に動きました。向こうのお母様があんぐりしてるのが見えました。その時、全て終わったなと思ったので、席を立って帰りました。婚約の話はここまでです。
その後『私は私、は間違っているのか』は幾度か考えました。それこそもっと年齢を重ねたら考え方が変わるのかなぁと。
あれから何年経ったかもうよくわからないが、『私は私』。それを胸を張って言える自分がいまここにいる。