【なんで昆虫やねん】創業者 松居の「これまで」
今日からは、数回に渡って、私たちプロジェクト創業者のことを
お話します!
皆さんの大切なお金を預かるので、もっと私たちのこと、
いや、それ以上にBugMoの向かう先に納得していただきたいからです!
少し長いですが、ぜひご一読ください!
今回は松居の
「これまで」
・日本の大学を一度ドロップアウトしたこと
・カンボジアで無一文になって、アリに救われたこと
*この活動報告は、私たちがお世話になっているImpact Hub Kyotoのスタッフ
の方による以下のインタビューを元に再構成しています。
インタビュー記事はこちら
Q:昆虫食に目を向けられた動機はどのようなものだったのでしょうか?
「開眼期」
これは私にとって出発点なのですが、私が大学4回生の春に体調を崩して大学を1年休学しています。
それまでは法学部に所属していてフットサルサークルのキャプテンもしていました。法学部なので当時は「なんとなく弁護士になって人のために働きたい」という漠然とした人生を送っていましたが、体を壊したことをきっかけにその後1年間引きこもってしまいました。
それまでは法律で人や人権を守ることを考えていましたが、自分の体を壊し学校に通えなくなったことで初めて自分の健康の大切さに気付き、人は体が元気でなければ人のために何もできない、そもそも人は健康じゃないと何もできない、自分の夢さえも叶えられないことに気付かされました。
そして至った結論が、4回生まで通った大学の中退でした。当時はほぼ単位を取り終えており残すところは卒業のみだったのですが、それでもこれ以上法学部で学ぶ意義がわからなくなってしまったんです。
(この辺りは引き篭もっていたので気の利いた写真はありません。青空でもどうぞ。)
体を壊した原因は食生活にありました。その後1年間をかけて本気で食生活を叩き直したおかげで、今ではコンビニのご飯が食べられなくなりましたね。
その経験を通して良いものと悪いものを体が判断できるようになったことはよかったですが、当時は周りのみんなが一流企業に就職していく中で自分が人生の最後尾に置いていかれたような気になり、精神的にもきつかったことを覚えています。
ただそうやってもがいた1年間で自分の体や食生活を見つめ直す中で農業や食、環境にすごく関心が出てきました。それなら海外の大学で一回環境学の視点で学んでみようと思い立ち、ニュージーランド・オークランドの大学に行きました。そこで学んだことはとても多かったです。
「放浪期」
日本へ帰国して就職する前にタイやカンボジアへ立ち寄り放浪の旅をしました。
東南アジアではカシューナッツ栽培が盛んですが、工場という加工工程を持たないために漆科であるカシューナッツの採取に手がかぶれてしまう現地の方の姿、それに対してサポートを一切しない国、またバイヤーに買い叩かれている現状に対し強い憤りを感じた旅となりましたね。
帰国してからはしばらく日本の電機メーカーで働いていましたが、食や農業に携わりたいという想いは日に日に強くなっていたところで、当時の放浪中にみた光景を思い出しました。
それに加えて男社会である電機メーカーでの従業員の食生活の悪さも目の当たりにし、そのような社会人に対してもっとヘルシーな食事があってもいいなという思いも加わり、
東南アジアの現地の人に加工工程を与えることができ且つ私たち側からは高品質でヘルシーなスナックとしてカシューナッツを日本人に享受できるとの考えに至りました。
思い立てばすぐ行動、ということですぐさまリサーチのためにカンボジアにリサーチに行きました。
(カシュー農園の子供たち)
また、リサーチする中で、乾季の収入源としてのナッツに加え、雨季の仕事として昆虫を養殖魚の餌にすることも考えていました。
カンボジアでは魚の養殖が盛んになってきてはいましたが、天然の方が良く養殖の魚は体に良くないという思想は根強く残っていたため、昆虫肉からなる高品質なタンパク質を養殖魚に摂取させることをまずは念頭に置いていました。
「追い剥ぎ、のち人の優しさ」
実は私、カンボジアで強盗に襲われて身ぐるみ剥がされるという経験をしているんです。
リサーチ中に不用意に色々な人に声をかけてしまったことから、良からぬ人に閉じ込められて物を差し出すよう迫られました。
カードもお金も全て盗られてしまい一銭もなくなったのですが、それでも現地には助けてくれる人がいました。
(木の上から取ってきてくれたアリをご飯の上に)
彼らは私を家に泊めてくれてご飯まで食べさせてくれたんです。
それどころか甕の中に残してあったごちそうの天然魚を私に食べさせてくれるんですよ。さらには「ゆうすけ、今日は高級なアリが取れたぞ!」と言ってご飯にもかけてくれるんですよ!
これまでもちろんアジア諸国で昆虫を食べる文化は知っていましたがこれまで食べたことがなかったにも関わらず、そこではそのアリを食べたんです。
彼らが私のことを本当に思ってくれて、貴重な天然魚と高級なアリを出してくれる。その優しさに心から感謝と感動を感じるとともに、その昆虫食のある文化がいいなとそのとき素直に思いました。
そしてそこから、人に向けた昆虫タンパク質の提供に進むことになるわけです。
おしまいっ!