・「故郷喪失者」たち総勢13名の小説、エッセイをまとめた一冊
・自主制作誌『沈んだ名 故郷喪失アンソロジー』の制作販売強化のためのクラウドファンディングです
・特製カバー付の特装版の流通はクラウドファンディング経由のみとなります
・目標金額を達成した後も、2024年4月30日23:59まで募集は継続されます
●自己紹介
こんにちは、藤井佯(ふじい・よう)と申します。
プロの小説家を目指して小説を書いており、ふだんは公募などに小説を投稿しています。鳥がとても好きです。本づくりに興味があり、主な活動としては下記があります。
・同人サークル「造鳩會」主宰として文芸同人誌『異界觀相』vol.1,2制作。
・「鳩」をテーマに募集した77名参加のアンソロジー『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』制作。
『異界觀相』では、「各々の書き手が臨む異界の手触りを、それぞれのフレームで届ける」ことを目的として、「異界觀相(vol.1)」「迷子なのか?(vol.2)」をテーマに、小説、詩、短歌、日記、エッセイ、論考、漫画などを収録した自主制作誌の編集・執筆を手がけました。初めての自主制作誌となりましたが、『異界觀相』vol.1は3刷を達成、210部を売り上げ、『異界觀相』vol.2は150部を完売しました。
『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』は、個人で実施したプロジェクトです。私は大の鳥好きなのですが、その中で「多くの人々になじみがありつつも、神話や伝説などにも登場する鳥」である鳩に注目し、「鳩」をテーマとした2000字程度の作品をSNSにて募集しました。このプロジェクトには、80名近い人々からの応募があり、全77作品を掲載したアンソロジー『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』として文学フリマ東京にて頒布、その他通販や書店での取り扱いを通じ、初版280部を売り切りました。
特に「次」を考えていたわけではありませんでした。しかし、『鳩のおとむらい』プロジェクトを終えてしばらくした後、唐突に「故郷喪失」というテーマを思いつき、いてもたってもいられなくなりました。
『鳩のおとむらい』プロジェクトは、100%個人の出資にて制作しました。結果的に制作費を回収することができましたが、それは寄稿者への謝礼を「献本1冊」としたからです。仮にご寄稿いただいた全員に金銭による謝礼をお支払いしていたとすれば、このプロジェクトは赤字必至でした。
一方で、個人が自主制作で本をつくるにあたっても、自分以外の誰かの作品を掲載する場合には謝礼をお支払いするのが本来あるべき姿だと私は考えています。と同時に、もっと本づくりは気軽なものであるべきで、持続可能な制作を実現する方法を模索したいと常々考えておりました。
そこで、今回企画した『故郷喪失アンソロジー』制作プロジェクトでは、採用した作品には1本あたり1万円~2万円の謝礼をお支払いすることにしました。また、より広くこの本を届けたいという思いから、これまでのプロジェクトよりも印刷部数を増やしたいと考えました。そこで、持続可能な制作を実現する方法を模索する一環として、今回クラウドファンディングに挑戦することにいたしました。
●なぜ「故郷喪失」か
2024年の1月ごろ、特定の地域を舞台とした小説の公募を目にしました。その公募には応募条件があり「その地域に住んでいた、または住んでいた経験がある」者のみが応募できるようになっていました。そこでふと、私は自分の故郷について書くように言われたら、すんなりと書くことができるだろうかと疑問が湧きました。あまり前向きに書きたいとは思えない、というのが率直な感想でした。それで、突然「故郷喪失」という言葉が降ってきました。私はどうしても、故郷喪失者による故郷喪失者のための本が読みたくなりました。ないものはつくるしかなく、気がつけば応募要項をつくりあげ、SNSで作品の応募を呼びかけていました。
私は故郷喪失者を自認しています。今回の企画の出発点は「私以外の故郷喪失者と出会いたい」という気持ちでした。今回本誌を制作するにあたっては、応募要項に「応募資格」を設けています。「故郷喪失者であること。故郷を喪失したと自認する方」という条件です。より当事者性を重視した本をつくるべくこのような制限を設定しました。もちろん当事者でなければそのテーマについて語ってはならないわけでは決してありません。しかし今回は、この応募資格を設けることで、一旦応募を検討してくださった方に「故郷喪失」とは何かを考えるきっかけにしてほしいという意図もありました。故郷を喪失しているという状態は一体いかなることでしょうか? そもそも故郷とは何なのか、失う故郷が自身にあるのか、喪失とはいったいどういった状態を指すのか、もしかすると自分も当事者なのではないか、といったことを考えるきっかけにしてほしかったのです。
たとえば、自身が学生時代に入り浸っていたサイトが閉鎖されることは故郷喪失にあたるでしょうか? 出身大学が移転した場合は? 実家が取り壊しになった場合は? 故郷も実家も健在だがどこか喪失感を覚える場合は? あるいは、TwitterがXになったことは?
私たちは、どのような点において「当事者」となるのでしょうか。今回の募集にあたっては、主催者から「これは故郷喪失である/ではない」と判断を下さず、あくまで自身が故郷喪失者であるか否かという点においては応募者個人の解釈に委ねました。その結果、多層な「故郷喪失」にまつわる表現が集結したと感じています。
●『故郷喪失アンソロジー』収録作
※2024年1月から3月にかけて実施した公募では全34篇の応募をいただきました。その中から12篇を採用し、藤井佯書き下ろしのエッセイと論考を合わせた全14篇を収録いたします。
※現時点でのものであり、表記変更や改題の可能性があります。
いとー「あらかじめ決められた喪失者たちへ」
「これを読んでいるあなたも、少なからぬ故郷喪失者の一人であるならば、どうか一言でも故郷喪失者による故郷の物語を紡いでほしい。」
国家的な領土、権力による故郷の創出に、いかに抵抗するか。パレスチナで起きている虐殺・破壊に対し、特権的傍観者としてしか存在しえない筆者が、それでも応答する道を選んだテクスト。
城輪アズサ「ロードサイド・クロスリアリティの消失」
「ミーバース。それはSNSの似姿であり、失われた仮想の故郷だった。」
県道沿い、ロードサイドにあったゲーム専門店は、いつも小学生と中年の溜まり場だった。そしてその環境と結び付けられた、箱庭めいたインターネット。筆者にとっての故郷は、すでに失われた亡骸としてある。
闇雲ねね「これはあくまで私の話」
「私は自分が同性愛者と自覚してから、人と健全にコミュニケーションを取れなくなっちゃったんですよね。」
思春期の初恋、そして18歳の上京。「私」は新たな環境でカミングアウトという術を身につけ社交性を回復していく。しかし、思春期の、あのころの「私」はずっと暗い目でこちらを見つめてくるのであった。
オザワシナコ「採集作業」
「時を経た今、皮一枚になった遺骸でも、親族は取り戻したいと思うものらしい。」
温暖化により変異した数種の虫は人間に寄生するようになった。寄生された人間は羽を生やし、森へ飛びさったのち、皮だけになって朽ちていく。里山から「皮」を回収するアルバイトをしている「ぼく」は、ある日寄生が進み死にかけている子どもを発見する。
江古田煩人「帰郷の旅路」
「…私は両親の顔すらまともに記憶していないんです。私のオリジナルの名前も、母親の声も、回収される日まで毎日抱いていたふわふわのテディベアの名前も……」
星間タクシーのドライバーであるアンドロイドの「私」は、地球へ帰省するという客人を乗せ、これまでのことを語り聞かせる。幼児の姿をしたセラピーボットとして生を受けた語り手は、しかしその後すぐにリコールされてしまう。職を転々としたアンドロイドは問う「アンドロイドにとって故郷ってどこだと思いますか?」
伊島糸雨「塵巛声」
「違腐乖々巛和傍存々」
魄躰(はくたい)を持ち、言葉としてそれを切り分けながら生活する民たちの物語。言葉を発すると魄躰は削られるが、塵潮(じんちょう)の季節になれば、全ては元通りに修復される。しかしあるときを境に、塵潮は无塵(むじん)となり、无塵にさらわれたものは修復されず跡形もなく消失してしまうのだった。いつまでもそばにいることを誓い合った二人、宇恢と添空は、塵となって消える民たちの運命に苦悩する。
万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」
「それは毛細血管のようにわたしという人間の隅々まで張り巡らされた密やかな水脈であったのだ。」
イラクからドイツに亡命した〈カーブボール〉。彼の顔写真を見る時、「わたし」はドイツで語学学校に通っていた時のことを思い出す。誰に対しても礼儀正しいイラク出身の男性、ナディールくんとはそこで出会った。今となっては消息もわからないナディールくんのこと、ドイツで食材を調達していたアラブ人街のこと、そして東日本大震災によって故郷が被災したときのこと、パレスチナにまつわるデモ。これらを目の当たりにしてきた「わたし」から召喚される、あるささやかな祈り。
藤井佯「安全で安心な場所」
「藤井さん頭いいけんさ、すごいとこ狙っとるんやろ? もしかして……九大とか!?」
なぜ私は「故郷を喪失した」と感じているのだろう。私にとっての「故郷喪失」とはなんだったのだろう。話は高校時代に遡る。半生を振り返って、私に起こった「故郷喪失」について語ってみた。
湊乃はと「遺愛」
「あの頃の己は、母を決して許せないのであるし、現在の己がたとえ許したところでそれには意味がないのだ。」
学校を卒業するとすぐに奉公へ出た寅次だったが、癇をもつ母親が何度も奉公先の水菓子屋へ出向くので辟易している。ある日、母親は水菓子屋の娘の帯を引っ掴んで一悶着起こしてしまった。それで寅次は夜逃げ同然に飛び出して、新しい土地で妻を得て子をもうけた。一家の主人として生活を立て直していた矢先、妹から手紙がやってくる。
灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」
「たぶんあたしたち、みんな小夜渦ちゃんを運ぶ乗り物みたいなものなんですぅ。」
東京で編集者をしている「わたし」は、Sと名乗るライターと出会う。意気投合して飲んでいるうちに、Sは幼少期に見たというアニメについて語り聞かせる。「わたし」は耳を疑った。そのアニメは、かつて「わたし」が幼少期、あの団地で耳にした話そのものだったから。
神木書房「祝杯」
「船藤が帰った時、彼は恐ろしく暗い目をしていた。」
同居と言うにはやや情があるが、同棲と言うにはためらいのある相手、船藤とおれの話。船藤の母親が亡くなると、船藤は酒を開けて「祝杯!」と宣言した。初盆が終わり帰宅した船藤はまたしても鯨飲する。酒の力に頼りきり、船藤は語りたくなかったことを語り始めたのであった。
犬山昇「壊れていくバッハ」
「ゴルトベルク変奏曲は花束さんのお気に入りの練習曲だったが、最初のアリアも満足に弾き通せなかった。」
中学時代の「ぼく」は、両親が離婚の話し合いを進めている最中、花束家の住人だった。「ぼく」の隣に住む花束さんは、両親に捨てられ祖父母に養育されている。ピアノを弾くのが好きで、でも教室などには通わないから一向に上手くならない。花束さんも「ぼく」も、それぞれ進学してしばらく疎遠になっていた。久しぶりに実家へ帰ってきた「ぼく」を待ち受けていた光景とは。
玄川透「富士の雅称」
「——フォンに意味はないよ。」
芙遠と書いて「フォン」と呼ぶ人名はこの国では珍しい。しかもフォンは左利きである。そのことによって多くの不利益を被ってきた。例えば給食当番の時に浴びた罵声、外国人だと思われて謗られる日々、フォンという言葉に特別な意味はないという言葉。そのどれもがフォンを傷つけてきた。
藤井佯「ながいあとがき」
タイトル仮。鋭意執筆中。応募いただいた作品をふまえ、「故郷喪失」とは何なのか、という答えのない問いに立ち向かうテクスト。
●仕様
A6判(文庫本)
約250ページ(前後する可能性がございます)
特装版:トレーシングペーパー製カバー付(予定)
クラウドファンディング終了後(リターン発送後)は、ZINEやリトルプレスをお取り扱いの書店さまや、自家通販、即売会等での販売を予定しています。その際の予定価格は下記となります。
紙の書籍:1500円
電子書籍:1200円
●スケジュール
2024年4月末 クラウドファンディング終了
2024年5月中旬 校了
2024年5月末 印刷完了、順次リターン発送
2024年6月末 電子版発行
※予定が前後する可能性がございます。ご了承ください。
●資金の使い道
本誌は目標達成の可否にかかわらず刊行されます。支援金は「印刷費」「発送・流通費」「広告・宣伝費」に充当します。
初版部数を増やし書店や即売会で本誌が幅広く手に取られる機会を増やします。
支援金合計額の17%+税はCAMPFIRE様の手数料となります。
掲載が確定している作品への謝礼、校正費は売上から調達予定です。編集・デザイン・DTP費に関しては、主催者自作のため価格に反映しておりません。初版部数が完売した場合のみ、労働分の報酬を受け取ります。
●特製カバー付特装版はこの機会だけ!
特装版『沈んだ名 故郷喪失アンソロジー』には、トレーシングペーパー製の特製カバーがつきます(予定)。タイトルである「沈んだ名」をイメージして、表紙に印刷された沈んだ街の風景がぼんやりと浮かんでくる様子を表現したく、このような装丁を考えました。通常版よりも制作に一手間かかるため、本クラウドファンディング限定の仕様となります。※内容は通常版と同様です。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る【目標達成!】100%超えました!お礼!
2024/04/30 13:08故郷喪失アンソロジー主催の藤井佯(ふじい・よう)です。なんと、なんとなんと!クラウドファンディング、サクセスしました!!!!!!!!!やったあ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!CAMPFIREさんからもお祝いしていただきました。「故郷喪失」をテーマとした本ということで、どれだけ反響があるのかわからない中でのスタートでした。目標金額達成も嬉しいのですが、支援者80名超えというのがやはり非常に嬉しいです!待ってくださる方が確実にいるとわかるのは、本当に心強いです。これだけ関心を持ってくださる方がいるという事実に勇気づけられました。引き続きリターン発送まで気を抜かずがんばりたいと思います。CAMPFIREの「雑誌・書籍出版のクラウドファンディング」の一覧ページに「人気」のプロジェクトとして「故郷喪失アンソロジー」が掲載されていました。嬉しいですね。ありがとうございます。本日23:59まで!クラウドファンディング自体は、本日4月30日の23:59まで継続されます。ぜひリターンを覗いてみてください。 もっと見る
【あと1日!】80%達成のお礼と掲載順について
2024/04/29 21:14こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催の藤井佯(ふじい・よう)です。クラウドファンディングは残すところあと1日となりました!ありがたいことに、目標達成率が80%を突破いたしました!ありがとうございます!!残り27時間ほどで終了です! ご検討のほどよろしくお願いいたします!今回はせっかくなので、故郷喪失アンソロジーの掲載順についてお話しいたします。現実→虚構→現実' へ収録作は下記の通りです(掲載順)いとー「あらかじめ決められた喪失者たちへ」城輪アズサ「ロードサイド・クロスリアリティの消失」闇雲ねね「これはあくまで私の話」オザワシナコ「採集作業」江古田煩人「帰郷の旅路」伊島糸雨「塵巛声」万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」藤井佯「安心で安全な場所」湊乃はと「遺愛」灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」神木書房「祝杯」犬山昇「壊れていくバッハ」玄川透「富士の雅称」藤井佯「あらゆる故郷に根を伸ばす——なぜ故郷喪失を語るのか」掲載順はあまり苦労せずに決定しました。活動報告にて、3編ずつ収録作品を紹介してまいりましたが、まさに全体として大きく4つに分けられると考えています。いとー「あらかじめ決められた喪失者たちへ」城輪アズサ「ロードサイド・クロスリアリティの消失」闇雲ねね「これはあくまで私の話」冒頭3編は、期せずしてエッセイ×3本になりました。まずは、いとーさんのエッセイ(論考に近い)をお読みいただき、故郷喪失アンソロジーの立場を知ってほしいという思いがあります。続いて城輪アズサさんのエッセイと闇雲ねねさんのエッセイは、どちらも私たちの世界、現実世界に根ざした話をされています。身近な場所に存在するかもしれない、自分とは別の故郷喪失についてこれらのエッセイを通じて思いを馳せていただきたいなと思っています。オザワシナコ「採集作業」江古田煩人「帰郷の旅路」伊島糸雨「塵巛声」続く3編は、どれもこの世界とは別の世界の話です。しかしその中で描かれる故郷喪失は普遍的なものであり、私たちにも共感できるものでしょう。オザワシナコ「採集作業」は耽美で儚い、この世界より少し状況が悪化している世界、江古田煩人「帰郷の旅路」はレトロフューチャーで人々が星間を移動するような世界、伊島糸雨「塵巛声」は人類とは起源の異なるであろう生命体の幻想的なポスト・アポカリプスの世界を描きます。万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」藤井佯「安心で安全な場所」湊乃はと「遺愛」続く3編は、この世界の今を描いています。湊乃はと「遺愛」は現代からおよそ100年ほど前の世界が舞台となっていますが、藤井佯「安心で安全な場所」→湊乃はと「遺愛」の順番で読んでほしくてこの場所に据えました。万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」は、世界中で争いが、虐殺が、喪失が繰り返されている今まさに読まれるべき作品で、フィクション度の高かった前3編の世界から一気にこちらの世界に引き戻す役割を担っていただいています。灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」神木書房「祝杯」犬山昇「壊れていくバッハ」玄川透「富士の雅称」終盤4編は、故郷の在り方、喪失の在り方を探る力作揃いです。灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」は、「故郷への帰路は前方にある」というコリン・ウィルソンの言葉を引き、故郷を求めあちら側へ行ってしまった人々と、この世に在り続けそこへ至る道を見つけようとする語り手の姿が描かれます。神木書房「祝杯」では現代に生きるゲイカップルが登場します。母親を亡くした船藤の喪失の描かれ方と、彼に寄り添う嘉崎の姿が印象的です。犬山昇「壊れていくバッハ」では、今まさに喪失されゆく故郷が描かれますし、玄川透「富士の雅称」では、故郷にありながら故郷を喪失しているフォンの生き様が刻まれています。藤井佯「あらゆる故郷に根を伸ばす——なぜ故郷喪失を語るのか」最後に、拙いながらもささやかな論考を掲載し、まずは一区切りといたしました。各作品の描く故郷喪失がどのようなものであったのか、また日本において故郷喪失の問題はどのように語られてきたのかを読み解く文章になっています。全体としては、現実→虚構→現実' ということを考えながら掲載順を考えていました。どの作品も、リアリティが高いのですが、それをどの程度フィクション(つまり、この世界とどの程度の距離を持って書かれているか)に紛れ込ませているかで分類してみました。そしてそれをもとに、ゆるやかに波打つ感じで、フィクションの濃淡のグラデーションを行ったり来たりしながら読み進められるように配置しています。以上になります。本作はどこからお読みいただいても楽しめるかとは思いますが、掲載順にお読みいただけますとなおお楽しみいただけるのではないかと考えています。終了迫る!クラウドファンディングは残り1日! 4月30日までで終わりです。ぜひご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。こちらから、リターンをご検討ください。よろしくお願いいたします。 もっと見る
【75%突破!】お礼と応援コメント紹介
2024/04/29 11:44こんにちは、故郷喪失アンソロジー主催の藤井佯(ふじい・よう)です。なんと、目標達成率が75%を突破しました! やったあ!ありがとうございます。これも皆さまのご支援・ご協力のおかげです。クラウドファンディング実施は4月30日の日付が変わるまで、つまり明日までです!今日と明日で残り36時間といったところでしょうか。迷っていた方はぜひ、再度ご検討ください……!!今回は、お礼もかねまして、これまでにお寄せいただいた応援コメントをいくつかご紹介させていただきたいと思います!プロジェクトの開始楽しみに「プロジェクトの開始を楽しみにしていました。応援しております。」ありがとうございます!光栄です!Mastodonで見かけて「Mastodonでお見かけして、面白そう!と思ったので支援させていただきました。頑張ってください〜!!」Twitterだけでなく、Mastodonでも情報を発信しているのですが、確かに誰かに届いたのだということが嬉しいです。ありがとうございます!「故郷喪失」の意識がなくとも響くはず「「故郷喪失」をテーマにした素晴らしい作品が集まっていると思います。「故郷喪失」の意識がない人でも、どこかしら響く作品に出会える振れ幅が、このアンソロジーにはあると思います。少額ながら応援いたします!!」参加者でもあるいとーさんからのご支援&コメントです。「故郷喪失」の意識がない人でもどこかしら響く作品に出会えると仰っていただけたことが本当に嬉しいです。そのような本に仕上がっていると思います。ありがとうございます!テーマに強く共感「このテーマでアンソロジーを編むことに強く共感・賛同します。手に取れる日が待ち遠しいです!」参加者でもある灰都とおりさんからのご支援&コメントです。「故郷喪失」というテーマに強く共感いただき嬉しいです。12人の参加者がそれぞれに見出した「故郷喪失」という問いを見届けてください!ありがとうございます。「故郷喪失」を見出したことがひとつの達成「「故郷喪失」というテーマを見いだされたことが、既にひとつの達成だと思います。楽しみにしています。」テーマについて肯定的なコメントを多くいただいており非常に嬉しいです。次の一歩として、読み手各々が自身の「故郷喪失」とは何か、を考えるきっかけになるような本に仕上がっていれば良いなと強く感じます。ありがとうございます!普遍性のあるテーマ「普遍性のある、良いテーマ設定だと思います。面白そうなので、期待しています。」ありがとうございます! 故郷喪失というテーマは限られた人々に響くものではなく、すべての人に関連のあるテーマだと考えています。ご期待いただきありがとうございます。前作が良かったので「『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』が大変素晴らしかったので、こちらのアンソロジーも応援させていただきます。頑張ってください!」『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』をお読みいただいただけで嬉しいのに、それだけなく次作も引き続き応援いただけて大変嬉しいです! ご期待に添える本に仕上がったかと思います! お届けできるのを楽しみにしております。公募に挑戦したけれど「なんか書けるかと思いましたが、何も書けなかったのが悔しかった公募なので応援してます。」公募への参加をご検討いただきありがとうございました! 否応なく自身の「故郷喪失」と向き合わざるを得ず、また世界で現在進行形で発生している「故郷喪失」について考えざるを得ない、という非常に難しいテーマだったかと思います。集まった作品はどれも、いま現在自身の置かれた立場と格闘した記録として読み手に問いを投げ掛けるものに仕上がっていると思います。ご期待ください。最近読書を始めて「最近読書を始めました。故郷喪失しかけている私にとっていい効果がある体験を楽しみに、応援しています。」読書のお供にお選びいただきありがとうございます! 故郷喪失はだれしもにやってくるもので、タイミングだけが異なるのだ、とこの本を編むなかで感じました。現在故郷喪失しかけている、とのことで、琴線に触れる一文に出会えることを願っています!参加者のファン「オザワシナコさんの文章が気になり支援させていただきました。楽しみにしています!」ありがとうございます! オザワシナコさんの短編、素晴らしいです。するっと読めるのですが心にざらざらとしたものが残ります。ぜひお楽しみください。推し作家さんが参加「推し作家さんが参加なさるとのことで、支援させていただきます!」ありがとうございます! 非常に嬉しいです。故郷喪失アンソロジー、どれも素晴らしい作品に仕上がっていますので、ぜひお楽しみください。クラウドファンディングは4月30日まで!応援コメントありがとうございます。励みになります。クラウドファンディングは今日と明日で終わりです。4月30日23:59までですのでお忘れなく!まだ悩んでいる〜という方は、ぜひ「活動報告」のリターン紹介などを参考にされてください!ここでしか手に入らないリターンが盛りだくさんです!それでは引き続き、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします…!!!! もっと見る
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