【稽古開始】 7/12(木)~14(土)まで3日間、集中的にスタートしました。 メンバーの揃いもよく、足並み揃えたスタートが出来ています。 主にメニューはこんな様子でした 7/12(木) 初回稽古。モデルが題材の作品なので、「綺麗に歩く」ということから始めました。 日常的すぎて今さら意識することなくしている「歩行」という運動ですが、意外にも綺麗に歩けているかというとその実態は様々です。 稽古では以下のことを徹底しました。 ・踏み出す足はかかとから着かない(ケガに繋がるため)。つま先から着くイメージで、足裏の面と地面を平行に。 ・右足を踏み出して歩くときは「右足を前に出す」ではなく、「左足で地面を蹴る」 また、3㎡空間を10人くらいで歩き、ぶつからないように視野を広げるトレーニングもしました。 狭い空間で自分と他者の位置を意識しつつ動くことは、舞台上と客席の位置関係を認識することに繋がります。 最後に台本を結末まで声に出して読み、ストーリーの流れを掴んだところでこの日の稽古は終わりです。 7/13(金) この日は、「綺麗に歩く」ことと「登場人物の人格を掴む」ことに時間を使いました。 歩くことは、水泳と同じく全身運動です。そのため、下半身と上半身での構造の違い、左半身と右半身の使い方の違いがあります。 それらを、キャストごとに得意な歩き方(身体の使い方)があることを自覚し、不得意な歩き方を実践することでより綺麗に歩くことが出来るようにトレーニングしました。 歩くメニューは30分程度で終え、少し休憩を挟んだあとホワイトボードを使いながらセリフの読解をします。 怪奇月蝕キヲテラエという団体で演劇をするのが初めてのキャストも多いなか、脚本・演出の三浦が意識しているポイント、及び言語の共通化を行うのが狙いです。 当然ながら、脚本に書いてあるセリフのみでは登場人物がどんなキャラクターなのかを掴むのには限度があります。それらを ・セリフから読み取れる情報はなんなのか ・登場人物の背景や歴史にはどんな役割があるのか ・脚本に書かれていない部分をどのように埋めていくのか 理由を紐といて、キャストが自分の役の人格を掴むことを当面の目標と設定し、1時間ほどフリートークの時間を設けてキャスト同士で意見を交わして貰いました。 7/14(土) この日のテーマは昨日から引き続き「自分の役の人格を掴む」です。この日は、昼から夜にかけて長い時間の稽古でした。そのため、長めの時間を使いやすい「シーン稽古(実際のシーンを作る練習)」をしながら、登場人物の人となりを探究していきます。 台本に書かれている情報だけだと、登場人物の動機、意図、性格などの情報は不足しています。 イメージこそ出来ても具現化するまでには至らず、どんな人物像なのかを動きながらトライ&エラーを繰り返す作業が必要になります。 キャストは自らが演じる上で、脚本に書かれていない情報を埋めながら試す。 演出はその実験を見た上で、「なぜそうなったのか」「逆にこうは考えられないか」と質問をしたり、「そのやり方だとそのシーン単体では上手くいっても、後々上手く作品に作用しない」といってボツにすることで、稽古場でそれぞれが試行錯誤を重ねていきます。 料理で調味料と素材と調理法の組み合わせを試すように、意外と合いそうになかったもの同士の掛け合わせが効果的だったことも多くあります。 本番まであと1ヶ月と少しです。 クラウドファンディングの募集は残り13日となりました。キャスト並びにスタッフ一同、ご支援お待ちしております。
【顔合わせ】 ○さいしょに 顔合わせとは何をする日なのか。 具体的に「何か」をするわけではありません。キャストが集まって、皆で話して、脚本を読んで、ごはんを食べて、それでお仕舞いです。 稽古日程の関係上、時間をムダには出来ません。予め仲良くなっておく、「はじめまして」のギクシャクした時間を限りなく減らすことで稽古のスタートダッシュが変わります。 「何か」をするわけではありませんが、「お互いの距離感を測っておく」といくことを皆がしています。 ○やったこと 僕は主宰ですので、事前にキャストさんに全体LINEでこのようなことを伝えました。 「私服で撮影をします。外行きの服で、若干気合い入れてきて下さい」 この言葉をしっかり受け止めて下さり、皆さんほどほどに気合いを入れて、ちゃんと自分に似合う服を着て来て下さいました。 僕はオーディションやオファーの際に直接各人に会っていますが、劇団員含めてほとんどのキャストさんはお互い初めましてです。 その結果「あぁ、この人こんな服を好んで着るんだ」ということが分かります。 続いて、自己紹介を兼ねて以下の面接ゲームをしました。 「面接官(3名)が受験者(1名)に6個質問をし、受験者はその回答に2つ嘘を混ぜ、面接官チームは受験者の嘘を見破る」 初対面の女子同士が平気な顔して嘘か本当か判らないことを言いまくるという事態になりました。 初対面同士で人となりがわからないけど「この人はどんなものが好きなんだろう」と興味をもって質問をする。 質問された側は、嘘を見破られないようにするためにバレにくい嘘をつく。 例えば「写真が好きそう」「こんな服が好きそう」「こんな食べ物が好きそう」という質問されていることから、ちょっとずつはぐらかして 「初対面の人には自分はこう見えているんだ」 ということを意識して涼しい顔で嘘をつく。 自己紹介で嘘を交えてよい、というのは結構安心します。だって、誰だって初めて会った人に自分をさらけ出すのは怖いですから、嘘で誤魔化してよいとなると自然と落ち着いて話せます。 ……と、僕の思惑はここまでだったのですが、予想以上に色んなことが起きました。 ・注意深く聞かないとどれが嘘か全然わからない・注意深く聞くと微妙に本当っぽくない回答がある・絶対本当だと思った回答がウソだと解るとめちゃくちゃショック・ネジの外れた質問をするヤバい人が発見される・ネジの外れた回答をするヤバい人が発見される 質問される側だけでなくて、質問をする側もなかなかの自己紹介になるゲームでした。 「どの回答が嘘だと思います?」「あれは嘘っぽいですね」「あれは間違いないと思います」 と、他者の分析をするのが上手い人も発見されました。 9人くらいでやりましたが、約1時間で一周しました。そこそこの広さがある部屋ならどこでも出来るので、是非初対面同士の親睦ゲームとして広まって欲しいなと思います。 ○まとめ 稽古の初日はまだまだ先です。 よいエンジンの掛け方をしたスタートダッシュが出来たと思うので、これから失速せずに8月まで突っ走れればと思います。 先日配役を決定したので、後々公表します。 クラウドファンディングの〆切は7/27の23:59です。たくさんのご支援お待ちしてます。
【宣伝企画会議をしました】 ○さいしょに 宣伝企画会議への参加権。リターンのひとつです。 いわゆる劇団会議というものに参加出来るよ、というもので、「気になってる劇団の会議に参加出来る」って公募やイベントでもない限りお客様はタッチ出来ない案件だなー、と思って今回やってみました。 といっても、普段のキヲテラエの劇団会議ってグループLINEなんですよね。それぞれ家も遠いしなかなか集まれる暇ないし、ダラダラ話すくらいなら時間あるときにペイッて投稿した方が早く話がまとまったりします。 誰かが思い付いたことや今やりたいことをLINEに投げて、それをみんなで形にしていくというか。劇団ツイキャス「キヲテラジオ」なんかはそれですね、発案者が藤真廉で。 それで、今回は支援者の方をお招きするので諸々の事情からさすがにオンラインは難しかろうと、スペースを借りて直接会議しました。 ○こんなことを話しました ・目標動員数とこれまでの動員分析・現状の宣伝方法の分析・宣伝ターゲットはどこか(フリートーク)・演劇公演の商品評価とは(フリートーク)・同時期の他の公演の分析(フリートーク) 僕はマーケティング専攻の人間なので、公演をどうやって宣伝していくのか、という方法論に関してはいつも劇団内でやってます。 しかしながら、分析、というものには多角的な視点が必要になります。特に、「劇団(内部)としてはこういう思惑でやったことが、お客様(外部)には上手く届いていない」という状態のとき。 「なんで上手くいかなかったんだろう」の原因は、次の課題です。こうすればよかったああすればよかった、このまま続ければ結果が出る、というような、あらゆる意見を受け止めるとこがスタートになります。 初回の宣伝企画会議である今回は、 そもそも【宣伝】ってどういうことなんだろう。 というところから見つめ直しました。 以下、議事録。 ・「宣伝」と「喧伝」の違い 宣伝……商品の内容を伝え、購買へと促すもの喧伝……広く言い渡すこと。購買への繋がりは考慮していない →喧伝はかえって顧客離れに繋がる恐れがあるので、宣伝となり得る広報を心掛ける。 ・顧客評価とは 顧客はいつ商品を評価するか。 実は、購買後ではなく購買前の段階で決定される。 演劇や映画、小説などは観てから内容が分かるものだが、中身が分かる前に購買(予約)をさせるもの。従って、購買を決定する(チケットを予約する)段階で既に顧客による商品評価は始まっている。 →つまり、公演情報を流す宣伝そのものが公演の評価対象となる可能性が大きい。このことを強く意識すべき。 ・顧客評価における商品特性とは 顧客は、以下の5つの要素で主観的に商品(公演)を評価している。 ①デザイン……機能特性。商品の使い易さ。コンセプト(主題)の分かりやすさ ②技術・開発要素……技術特性。商品の機能。直接的な品質。 ③ブランド……品質を保証するもの。良くも悪くも、長期的な実績から形成される。 ④パッケージ……商品の使い道を示すもの。商品と直接関連が無くても成立する。 ⑤価格……商品価値の数値化 怪奇月蝕キヲテラエによる「同情するなら金を積め」という作品は、どのような商品特性を持った公演になるのか。 多角的な意見を元に分析し、その長所と短所を洗い出す →短所を補うような宣伝企画をするべきか、長所を伸ばすような宣伝企画をするべきか。 →次回の会議にて案出し及びプランニングを実行する。 ・顧客の商品評価における状況要因とは 顧客が商品(公演)を購買・評価する際、以下の5つの要素がその決断に影響を及ぼす(プラス、マイナス共に) ①物理的環境……劇場の空間、立地条件など ②社会的環境……周囲の環境、クチコミなど ③時間……シーズン、時事的、時間帯など ④課題……顧客が個人的に抱えている必然性 ⑤選考要因……商品への期待値 →顧客の抱える条件によって、作品の良し悪しとは別に評価内容が変わる可能性がある (ex)体調が悪いので長時間の観劇に耐えられず、観劇を断念する →これらの要因に配慮し、可能な限り観てもらうための戦略を練る (ex) 椅子を良いものにする、上演時間をコンパクトに、エレベーターのある劇場を選ぶ……など ○まとめ 主にこんなことを分析しました。 具体的な劇団名を挙げながら、ここの団体のやり方が上手かった、この宣伝はどうだった、「面白いから観てください」というフレーズは果たして効果的なのか、などと色んなことを話しました。 支援者の方のご意見を取り入れることで、現状の我々が見えていない箇所、氣を配れていない部分を開拓することが出来ています。主催側ですが、実例を交えて他者と話すことで私自身もとても勉強になります。 次回会議は7月上旬を予定しております。 あなたのご意見が実際に宣伝に使用されるかもしれません。ご興味あればご支援宜しくお願い致します!