一生に一度の日を、
あなたと最高の一日に。
2024年7月27日、わたし、徳光みくがひとりで挙げる結婚式にあなたをご招待します。
わたしにとって一生に一度の日を、一緒に最高の一日にしてください。
あらためまして、こんにちは。みくです。
わたしのひとり結婚式(ここでは「セルフウェディング」と呼びたいと思います)の招待状をご覧いただき、ありがとうございます。
ひとり結婚式?なにそれ?なんで?
その疑問にお答えする前に、まず当日どんな楽しいことを計画しているかをご紹介させてください。
スニーカーでお越しください
気乗りしない結婚式に付き合いで参加した経験がある、という方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。わたしが来月挙げる結婚式は、参加したい人だけが参加する式です。参加してくれた人が、心底楽しんでもらえるような式にします。服装も自由、Tシャツでも、アロハシャツでも浴衣でも、あなたらしい服で参加してください。
挙式の会場は横浜・山下公園です。屋外ウェディングなので、当日晴れてくれることをひたすら祈っています。
家族や友人、仕事仲間やボランティア仲間に囲まれて屋外で人前式をした後、披露宴の会場になるみなとみらいのレストランまで、夕暮れどきのベイサイドをみんなでお散歩します。
お散歩に参加される方はスニーカーを推奨します!
結婚式当日にお散歩を企画したのは、みなさんにわたしの子どもの頃からの思い出の場所である横浜を知って、好きになっていただきたいのと、特別な体験を参加者みんなで共有したいと思ったからです。お散歩への参加はもちろん自由です。地下鉄やタクシーで披露宴会場に移動していただくのもよし。お子さん連れの方、車椅子の方も互いにサポートし合いながら、みんなでお散歩を楽しみたいです。
披露宴会場はみなとみらいのレストランを予定しています
なぜ“結婚式”なのか
なぜ結婚式をするのか?みなさんの疑問にお答えします。それは、わたしがこれからの人生を歩んでいくために「セレモニー(儀式)」が必要だからです。
わたし達の日常はものすごいスピードで流れていきます。わたしがこれまで経験してきたことの意味はいったいなんだったのか、立ち止まって考える機会は限られています。
これまでを振り返ること、そして今のわたしはこんな人たちに囲まれていて、こんなに幸せなんだということを自分で噛みしめるために、日常を離れる「儀式」が必要なのです。これまで育ててくれた両親や家族、友人たちに普段は言えない感謝を伝えたい、そしてこれまで伝えられなかったわたしのセクシュアリティや考えについて伝えるのは、今この機会しかないと思いました。
なぜ“ひとりで”結婚式なのか
これからお話しすることは、家族や親しい友人にもあらたまって話をしたことはないかもしれません。
わたしは、「トランスジェンダー」と「アセクシュアル」という、2つの多くの人とは異なる特性(マイノリティ性)をもっています。LGBTQということばが知られるようになった今でも、これらはまだあまり知られていないかもしれません。
わたしの今の性自認は、【身体の性は男性】で【心の性は女性】の「トランスジェンダー女性(トランス女性)」です。(わかりやすくするため、かなり簡略化した表現にしています)
同時に、「アセクシュアル(Aセク、無性愛と呼ぶこともあります)」という性のあり方(セクシュアリティ)に自分が当てはまることにも気がつきました。異性に性的な魅力を感じる異性愛、同性に惹かれる同性愛、どちらにも惹かれる両性愛とも異なり、「どちらにも【性的に】惹かれない」のがアセクシュアルです。これまで、女性に恋愛感情を抱いて、お付き合いをすることもありましたが、性行為をしたいと思ったことはありませんでした。
性的マイノリティに関する全国最大規模の調査によると、トランスジェンダーは回答者の1%以下、アセクシュアルも同じく1%以下という結果があります。性自認=トランスジェンダー女性、恋愛対象(好きだなと思う人)は女性、でも性的に惹かれることはないアセクシュアル、というマイノリティ性をかけ合わせたのがわたしという人間です。
(出典)釜野さおり・石田仁・岩本健良・小山泰代・千年よしみ・平森大規・藤井ひろみ・布施香奈・山内昌和・吉仲崇 2019. 『大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート報告書(単純集計結果)』 JSPS 科研費 16H03709「性的指向と性自認の人口学―日本における研究基盤の構築」・「働き方と暮らしの多 様性と共生」研究チーム(代表 釜野さおり)編 国立社会保障・人口問題研究所 内
これでは誰も幸せにならない
ひとりで結婚式を挙げようと思った背景には、これまで、異性カップルは当たり前のように結婚できるのに、同性カップルにはそれが許されないことが不公平に思えて、身近な人の結婚を心から祝う気持ちになれませんでした。
さらに、同性婚を求める最近の流れにも、「他人に性的に惹かれることはない=結婚とは縁がない」というわたしは包摂されず、さらなる少数派に追い込まれている感覚がありました。
周囲の人が何気なく交わす結婚に関する会話に入れず、孤独感が増す日々が続いていたある日、ふと「これでは誰も幸せにならない」ということに気づきました。こんな態度をとっていても、わたしを結婚式に招待してくれた友人たちはもちろん、わたし自身も幸せになれない。社会も変わらない。
そのことに気づいたとき、ひとりで結婚式を挙げる「セルフウェディング」というアイディアが降ってきました。2023年3月のことでした。
結婚しないと決めた人生にも
YESを
他人の人生や幸せを否定するのではなく、自分の幸せを全力で肯定することで、結婚にまつわる不公平感をなくしたい。わたしはわたしの人生を生きていきますという選択を宣言し、身近な人たちから「いいね!」と承認される機会を、結婚式という場でもちたい、そう思ってひとりの結婚式=セルフウェディングを企画しました。
わたし達の社会には、恋愛して、結婚して、家族をもつことが幸せな人生という感覚が今でも根強く残っています。もちろん、結婚することは素晴らしい選択です。でも、結婚しない選択をした人生も、結婚する人生と同じくらい素晴らしいということを、このセルフウェディングを通じて自分自身に、身近な人に、そして社会に対して表現したいと考えています。
ただこれは、あくまで今のわたしが考えていることで、今後絶対に結婚しないということを誓うものではないことをみなさんにご理解いただきたいです。もし、この先いつか人生を分かち合いたいと思う相手に出会ったときには、その時々で自分が最善と思う選択をしていきたいと考えています。
結婚式って意外とお金がかかる
今回、クラウドファンディングというかたちで結婚式にご招待することにした一番の理由は、義務感ではなく、本当に参加したい人にだけに来てほしいと思ったからです。招待状を送るよりもライトに、そしてご祝儀なしの明瞭会計で、当日はお金のやり取りの心配もなく、楽しむことに100%専念してもらいたいと考えました。
準備し始めて知ったのですが、結婚式って意外とお金がかかるんですね..
ウェディングドレスの試着風景(母も付き添ってくれました)
挙式・披露宴の収支はこんな感じを予定しています。
みなさんからクラウドファンディングでお寄せいただいた寄付は、全額を今回のセルフウェディングのための費用として使用させていただきます。
生きづらさを感じているあなたへ
今回、クラウドファンディングというかたちで表現したもう一つの理由は、今、あるいはこの先の未来に、わたしと同じように生きづらさを感じ、悩んでいる人に、このページを通じて出会いたいというきもちがありました。
セルフウェディングをやることを決めて、何人かの友人に話したところ、みんな興味を持ってくれました。それだけで、素敵な友人たちに恵まれているなと感じることができました。
わたしが勤めている会社では、4、5年前に結婚休暇やお祝い金の福利厚生制度が廃止されました。異性婚にだけ認められていた制度が、同性カップルにも認められ、ついに制度自体が廃止されたんです。結婚しないという選択も尊重されたようで嬉しかったです。
目をこらしてみると、人や社会の価値観は少しずつ変わっていっています。きっかけや速度はそれぞれですが、もしかするとその変化の起点には、わたしやあなたの存在があるかもしれません。
最後に伝えたいのは、わたし達は、今のありのままの姿が完璧な状態(wholeness)だということです。「wholeness(ホールネス)」ということばに、なにか適当な日本語があるといいのですが、たとえ大半の人とは異なる特性をもっていても、「幸せの条件」と思われているものに当てはまっていなくても、何かが欠けている人なんていなくて、あなたもわたしも、今あるそのありのままの姿で完璧な存在なんだとわたしは信じています。そして、わたしが決めた「幸せな人生」を生きることを、自分自身の幸せに責任を持つことを、ここに誓いたいと思います。
最新の活動報告
もっと見る生きてる図書館でお話ししました
2024/12/27 11:00こんばんは!セルフウェディングの企画から実施にいたるまで、前回までお伝えしたようにメディアなどでお伝えする機会をいただいてきました。そして11月には生きてる図書館という対面イベントでお話しました。【定員に達したため申し込みを締め切ります】喫茶と生きてる図書館と公園と@喫茶風来(国分寺)生きてる図書館は生きた人間が『本』となり、『読者』に貸し出すデンマーク発祥のイベントです。私は次のような題名の『本』となりました。セルフウェディング開催に至った経緯、当日までの準備、セルフウェディングを挙げてみての変化など、noteやCAMPFIREでお伝えしきれていないこともお話ししました。2回のお話で、約15人の方にお話を聞いていただきました。実は、これだけの人数に向けてセルフウェディングの話をするのは初めてでした。結婚やセクシュアリティに対する『読者』の理解度や価値観が分かりませんし、すべてに合わせて話すこともできません。そして写真のように、私の横や後ろに『読者』が広がっていたので、反応も一部しか見られず…。どれだけ伝わっているのか不安でしたが、『読者』からの『本』の感想カードを読んで、伝わる人にはきちんと伝わってくれたのだと感じました。その中の一つをご紹介します。この結婚式を挙げてくださったことに心から感謝を申し上げます。似た願いや悩みを持っている人は、非常に少なくても、確実に存在していて、それぞれの場所で葛藤し、在り方を暗中模索しながら生きていると思います。「こんなのがあったら良いのに」ということにまず至ることが難しく、そのような願いを持っても、一つの形にして実現することは、もっとさらに難しい。そういう世界において、「僕らの願いはこれだった」と気づかせてくれる、具現化された像を示してくれたことがとても嬉しいです。本当にすごい!この方とは以前少しお話したことがあった程度なのですが、じっくり話に耳を傾けていただき、このように感じてくださったことがとても嬉しかったです。そして2月にもう一度『本』になる予定です。今度は東京ヒューマンライブラリー協会さんの「対話カフェ」でお話しします。そちらも開催できたら改めてご報告します。東京ヒューマンライブラリー協会 もっと見るメディア掲載! タウンニュース& AERA
2024/12/25 11:00こんばんは!引き続きセルフウェディングのその後のことをお伝えしていきます。本日はメディアにセルフウェディングを取り上げていただいたご報告です!2件とも紙媒体ですが、Web版もあるのでそちらのリンクをご紹介します。1. タウンニューストランスジェンダー女性 山下公園でひとり結婚式 “自分らしく生きる”を誓う|タウンニュース(中区・西区・南区版)(2024年10月10日)https://www.townnews.co.jp/0113/2024/10/10/754449.html神奈川県全域と東京多摩地域の地域情報誌タウンニュースにセルフウェディングを取り上げていただきました。一目で山下公園と分かる素敵な写真です。担当してくれたウェディングプランナーさんの声も載っています。2. AERA「セルフ結婚式」で祝う私の人生 悩んだ思春期を越えてトランスジェンダー女性が誓ったこと|AERA dot.(2024年10月18日)https://dot.asahi.com/articles/-/237156?page=1朝日新聞出版の雑誌AERAの10月21日号にセルフウェディングを取り上げていただきました。結婚式だけでなく、高校時代のできごとまでお話ししています。思春期の悩みに伴走するための心構えや相談先も紹介されています。紙媒体のメディアではもう1件、掲載準備が進んでいます。近々お伝えできる予定ですので、今しばらくお待ちください。 もっと見るセルフウェディング当日の動画
2024/12/23 10:03こんばんは!CAMPFIREでの活動報告が滞っていました。気が付けばもう年末ですね。9月23日のセルフウェディングから3ヵ月。それからのこととこれからのことをお伝えしていきます。まずはセルフウェディング当日の記録動画ができたので共有します!前半は披露宴の最後に流したエンドロールです。準備風景から挙式、お散歩、披露宴と当日撮影して、なんとその場で編集してスクリーンで流してくれました!後半は私や家族が喋ったりしています。駆けつけてくれたみんなもとても楽しそうで、この動画は私の一生の宝物です。撮影・編集してくれた動画スタッフの皆さん本当にありがとうございます。 もっと見る
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