2024/06/23 18:10

今回はスフィアブレンドに使用している最後の豆、

【インドネシア マンデリン ポルン セリブ・ラジャ】

についてストーリーを共有したいと思います。


州都メダンから車で7時間ほどの場所に位置する、ポルン地区。
その地でアルフィナーとジュリアのルンバンガオル兄妹は2つの加工場を経営する一家に生まれました。
まだ若い時分から、ポルンの地でコーヒー栽培を営む農家さんの元へ足繁く通い、良質なパーチメ ントの買い付けを行い、農家さん達が栽培や経営面で困難にぶつかった際には親身になって解決に取り組んでいました。
この取り組みと人柄から、彼らの元には高品質なチェリーが集まるようになり、いつしか2人は「コレクター」と呼ばれるまでに成長します。
今では提携する小農家さんの数は170を超え、ポルン地区のコーヒーコミュニティの発展に欠かせない存在です。


 最高の品質を目指して!

セリブ=1000、ラジャ=王。
この名前はトバ湖周辺で取れた1000を超えるコーヒーの中でも、一番のクオリティであることから生産者さんによって名づけられました。
最高のクオリティのコーヒーを作る為には、原料となる良質なチェリーも大切ですが、その後の加工でも手をかけることが不可欠です。
水分値が高い状態で、パーチメントの脱殻を行うスマトラ式の精製方法では、豆が柔らかい為ミルの力で先端が裂けてしまう事があります。
その裂けた部分は品質の劣化が起こりやすく、それを取り除くには機械による選別は難しく、手作業によるハンドピックしか方法はありません。
この商品には熟練のピッカーさん達がベルトコンベアに乗せられた生豆をチェックし、一つ一つ取り除いていきます。 

通常スペシャルティコーヒーと呼ばれるマンデリンでも、このハンドピック用コンベアは1回、多くて2回通すことが多いのですが、この商品では回数に規定を設けず厳しい基準値以下の状態になるまでハンドピックを続け徹底的に不良な豆を取り除いていきます。こうして、たくさんの人の手と時間をかけて生まれたセリブ ラジャはその名前にふさわしく、心地よいハーブ感、完熟したオレンジや南国フルーツのニュアンス、クリーンカップをハッキリと感じられます。 

(*海ノ向こうコーヒー:抜粋)


これだけの手間暇をかけて作られるコーヒー豆。
ここまで品質にこだわり、スペシャルティコーヒーと呼ばれるようになります。
我々ができることは、このコーヒー豆を消費して、
農家の方々に正当な対価を支払うことです。
本文でも触れている通り、スペシャルティコーヒーには、そのような仕組みができています。
私ができることは、彼らの作るコーヒー豆を丁寧に焙煎し、皆様に美味しく飲んでもらうことです。

こういうストーリーに触れると、お米と同じように、
コーヒー豆一粒も無駄にはできないなと思います。