グレープジュースのような爽やかな味わい
このコーヒー豆をMedium roastするとチェリーやベリーなどの赤い果実を思わせるフルーツフレーバーを感じます。
当店でドミニカをシングルオリジンで提供するときには、このMedium roastです。
スフィアブレンドに使用したのは、ドミニカのDark roast。
中深煎りにすることによって、ドミニカ本来の特徴を残しつつ、ワインのようなニュアンスを出しました。
では、今回使用しているドミニカ共和国のワイニーナチュラルに関するストーリーを見ていきましょう!
良質なコーヒーの産地・バラホナ
このクロップのメイン農園となるリリオス農園はバラホナ州に存在し、ドミニカ共和国の南西に位置します。山と海が恋人のように寄り添ってつづくバラホナ海岸には数百本の川が注ぎ込んでいます。バラホナという地名は、植民地時代にスペイン人のバラホナ伯爵がここに留まったことに由来するそうです。また、サントドミンゴ島のスペイン領地に初めてコーヒーがもたらされたのは1735年頃のこと。まさに、バオルコ山脈の東部、このクロップの栽培エリアに持ち込まれたといわれています。
現地の年間平均気温は26°Cで、年間平均降水量は655〜2,296mmです。この地域には、緯度(ジャマイカブルーマウンテンと同じ)とカリブ海から吹き込むそよ風の近接性の影響によって生まれた寒暖差により、果実の熟成が長くなり、非常に独特な風味が生まれます。地域農園では化学肥料の低消費や手作業による雑草の防除、さらにはシェードツリー光度(日光入力の 70%)と有機肥料としての果肉の使用との完全なバランスなど、高品質のコーヒーが育つ環境が整えられています。
日陰で作られる、独特なナチュラルフレーバー
砂糖を必要としないコーヒーをコンセプトに作られたコーヒーは、真っ赤に完熟したチェリーを一粒づつ手で摘み取るところから始まります。その後、夾雑物を取り除いたのち、小屋に運んでじっくりと乾燥させます。小屋の屋根は日光の差し込みが少なくなるように調整されており、そこで目標の水分値になるまで約40~45日間かけてチェリーを乾燥させます。通常、ナチュラルプロセスの乾燥は10日~14日間程度で行われますが、倍以上の時間をかけることで内部の発酵が活発に進み、ワインのような独特なフレーバーが生まれます。
(*参照:海ノ向こうコーヒー)