自己紹介
未利用資源であるりんごやさくらの剪定枝などの木を原料にした和紙「美枝紙」を作製・販売している弘前大学発ベンチャーの合同会社美枝紙です。弘前大学や青森県産業技術センター、地元の印刷会社などの産学官連携で取り組んだ未利用資源のアップサイクルを行う「りんご/さくら和紙研究会」の成果を社会実装するために、2024年3月15日に設立しました。
このプロジェクトで実現したいこと
青森といえば「りんご」と「ねぶた/ねぷた」などの祭り、ということで、りんごの未利用資源である剪定枝を活用(アップサイクル)した「和紙」(障子紙)でねぶたやねぷたの作製し、祭りで運行すること、さらに祭りの後に表彰状や燈籠、ポチ袋などに再利用することで、サステナブルな祭りを実現していくことを目標としています。
ねぶた/ねぷたで使われている「和紙」ですが、青森らしい素材を活用し、SDGsに配慮した「和紙」を作製したとしても、実際に祭りに使ってもらえるか分かりません。未利用資源を活用することでどうしてもコスト増になってしまいますし、祭り期間中に破れたりしないか、絵師さんが思い描いたとおりの作品ができるのか、という課題があります。
そこで、本プロジェクトで得られた資金を活用し、ねぶた/ねぷた用の「和紙」の試作品を作製し、強度試験などを行うとともに、無償で使ってもらうことで、普及を図りたいと考えています。
図1.青森のりんご
図2.りんごの剪定枝や古くなった木を活用
りんご剪定枝の年間発生量約15万トンのうち、3割を占める細い枝約4.5万トンの大半は園内で野焼されています(「青森県バイオマス活用推進計画」(平成23年12月発行)より)
図3.弘前ねぷたまつりの様子
プロジェクト立ち上げの背景
青森県はりんご生産量日本一(図4)ですが、剪定枝については、薪などの燃料として使われている以外はほとんど有効活用されていません。また、さくらは一大観光資源となっていますが、剪定枝については、薪などでの利用の他は、家庭で花見を楽しむために一部が市民に配布されている程度で、花見の後は廃棄物として処理されているのが現状です。りんごやさくらは青森県の主要な観光資源であるため、この未利用資源である剪定枝を活用することができれば、新しい価値を創造できると考えました。
一方、和紙はねぷたや津軽凧など青森の伝統工芸品に多く使われていますが、青森は東北では唯一和紙の産地がありません。
そこで、りんごやさくらの剪定枝等木材を用いてご当地の「和紙」を作製し、ねぷた、津軽凧など伝統工芸、お酒のラベルや絵はがき、など紙製品の他、紙漉き体験ツアーなどの観光資源化としての活用を目指し、コロナ禍で低迷していた青森の観光地としての魅力再発見、価値向上を目指すための活動として、2020年10月にひろさき産学官連携フォーラム内に「りんご/さくら和紙研究会」を設置しました(図5)。本研究会の取組みは、公益財団法人むつ小川原地域産業振興財団の研究助成に3年連続で採択され、工芸品や紙製品の試作品を作製したり(図6)、展示会に出展する(図7)などして、りんご/さくら和紙の普及を行ってきました。
図4.りんご生産量(農林水産省令和5年産果樹生産出荷統計より)

図5.りんご/さくら和紙研究会の取組み概要
図6.りんご/さくら和紙の試作品
図7.「エコプロ展」での出展の様子
その後、「りんご/さくら和紙研究会」の成果を社会実装するために、2024年3月15日付で合同会社美枝紙を起業しました(同年5月に弘前大学発ベンチャーとして認定)。紙のブランドとして、「美しい枝の紙」として「美枝紙®(みえし)」を商標登録し、社名としています。
最初の商品として、剪定枝等りんごの木を原料にした「りんご和紙」(りんご美枝紙®)を用いた組み立てミニチュアねぷたキットのカプセルトイを商品化しました(図8)。まずは弘前大学ねぷたの2020年から2024年までの5種を発売しています。

図8.弘前大学ねぷたカプセルトイ
こうのち、弘前ねぷたまつりの合同運行が中止になった2021(令和3)年と合同運行に参加しなかった2022(令和4)年に描かれていたねぷた絵は、未発表の「幻のねぷた絵」(津軽伝統ねぷた絵師・聖龍院龍仙先生の作品)であり、本商品で初めて公開されました。
なお、カプセルトイの売り上げの一部は、運行団体である弘前大学とねぷた絵師に還元し、ねぷた振興のために活用して頂いています。

表1.弘前大学ねぷたカプセルトイの画題
このほか、カレンダーやポストカードなどで「美枝紙®」を使用した商品が発売されています。
そして、満を持して、当初の目標であったねぶたやねぷたに使われる「和紙」の作製に取り掛かりたいと考えています。
現在の準備状況
ねぶた/ねぷた用の「和紙」を作製・販売する会社の協力を得て、りんご剪定枝を原料にして、手漉きの試作品、並びにテストマシンで抄紙した試作品(65cm×30m巻)を完成させています(図9)。
現在、テストマシンでの試作品は30m巻の16本を使って、運行団体や絵師さんの感触を得ている段階です。色味がいい、いい滲み具合、灯りをともすと蝋燭のようなの淡い灯りとなる、など大変好感触を得ています。
図9.試作したりんご障子紙
今後、クラウドファンディングの資金を活用し、量産機での抄紙を行います。60m巻きで約100本の「和紙」を作製する予定です。ねぶた/ねぷた用の「和紙」の試作品を作製し、まずは無償で運行団体等に提供して、テストも兼ねて使ってもらいたいと考えています。
今のところ、弘前ねぷたでは、いくつかの団体の前燈籠や弘前市の前燈籠などで活用していただく予定です。このほか、青森ねぶたや五所川原立佞武多などでの活用を目指していきたいと考えています。
リターンについて
◆シンプル応援コース(お礼状)
1,000円
5,000円
10,000円
30,000円
◆ポストカード
5,000円(1種) 絵柄:りんごの木と岩木山
10,000円(3種)絵柄:りんごの木と岩木山、弘前城、ねぷた(デザインは変更する可能性があります)
◆組み立て式ねぷたカプセルトイ(弘前大学ねぷたカプセルトイ)
10,000円(令和2~7年ねぷたカプセルトイの指定の1種)
30,000円(令和2~6年ねぷたカプセルトイ全5種)
◆完成済みねぷたカプセルトイ(弘前大学ねぷたカプセルトイ)
15,000円(令和2~7年ねぷたカプセルトイの指定の1種)
40,000円(令和2~6年ねぷたカプセルトイ全5種)
◆金魚ねぷた
10,000円
◆組み立て式卓上扇ねぷた
30,000円
◆りんご障子紙
50,000円(1本)
100,000円(2本)
◆りんご関係
10,000円(りんごジュース5本セット、りんご障子紙ラベル)
10,000円(りんごジュース720ml 2本、りんご障子紙ラベル)
20,000円(りんご小籠「季節のりんご」3kg相当)
※祭りの後に作成予定の報告書はすべてのリターンで送付します。
スケジュール
3月24日 テストマシンによる試作完成(30m巻16本)
4月1日~ 運行団体や絵師への事前ヒヤリング、インタビュー
4月12日 弘前ねぷた参加団体協議会での説明
5月12日 クラウドファンディング開始(予定)
6月13日 クラウドファンディング終了
6月 量産機での試作完成
6月 ねぶた/ねぷたへの活用提案
7月 リターン発送(順次発送します。リターンの種類により、9月や11月発送のものもあります)
8月 ねぶたまつり/ねぷたまつり
8月~ まつりで使用済みの「和紙」を使った商品企画
資金の使い道
・障子紙の量産機での試作:60万円
・弘前大学との共同研究の経費:10万円
・リターン:18万円
・送料:6万円
・キャンプファイヤー手数料:17%(16万円)
最後に
溝江 由樹 様(津軽藩ねぷた村 県伝統工芸士・弘前マイスター)

りんご剪定枝を使った、りんご障子紙にねぷた絵を描いてみました。とても描き心地が良く、墨描き ロウ描き 色塗りも作業しやすく仕上がりも個人的に好きな良い障子紙です。
他のねぷた絵師の方々にも是非使ってもらいたい、おすすめの紙です。
檜山 和大 様(津軽藩ねぷた村・専務 県伝統工芸士・弘前マイスター)
青森が誇る桜やりんごの資源を無駄なく、有効活用することでさらなる付加価値と地域の活性化につながる可能性を秘めた取り組みと確信しております。津軽藩ねぷた村では歴史ある伝統工芸をこの和紙とともに歩むことを切に願っております。
その他
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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