14歳の僕が感じていたことの一つ。
小田原の日常がつまらなかった。
東京では日々かっこいいバンドがライブしてるし、すぐそばにライブハウスやレコード屋さんがあって、容易にそれに触れることができる。僕が10代の時にそんな場所があったら、もっとセンスいい大人になれたであろう。
でもじゃあ東京に行くのは嫌だ。さらに東京と同じも嫌だ。
この地域独自の魅力を醸成して、「いつか見返してやろう東京を」と思っていた。
ライブハウスみたいな非日常は、日常から作られる。
街に落っこちてる文化的なものが大事だなと思う。
たとえば「おじさんなんだけどオシャレで聴いてる音楽だってかっこいい感じ」か、「あのお店のお母ちゃんの眼差しは優しくて綺麗」とか、なんとなくこんな大人になりたいなと思えるような風景が街中にあること。
大人になった今なら、小田原の人の魅力を感じ取れるんだけど。
10代20代の時にそれを感じたかった。
そんな日常の延長線に非日常の瞬間があり、表現が生まれ積み重なっていく。
その方法として突如投入される異分子が、大事だなと思った。
だからティピーでは移住の支援もやっている。ゲストが街の人と交流することが大事だからだ。
たとえば僕は、横須賀のライブハウスが一番好きだ。ある日のブッキングライブ。ガラガラのフロアにふらっと外国人がくる。そしてライブがはじまるとモッシュしてくる。米軍が。衝撃だった。横須賀に米軍基地がきてどのくらいかは知らないけれど、日本文化 ✕ 海外の文化が入り乱れて、横須賀のライブハウスシーンはめちゃかっこいい。(知ってる人向けの話になるが、Hawaiian6とか、9mm Parabellum Bulletとか、Qomolangma TomatoやSTOMPIN' BIRDとかも横須賀でやってた)
小田原には横須賀と重なる環境の欠片がある。もちろん小田原には米軍基地の様な海外の日常はないけど、観光目的の人たちが小田原をめちゃめちゃ通過する。それをTipy records innが宿泊という目的で滞在してもらう。異分子が投入され、日常の延長線上に非日常の瞬間が生まれる。まさに、ライブハウスのような。
小田原からすると異文化の人も。
そしてこのカフェ&ラウンジphotonで地元の人と触れ合う。
ここにしかできない文化がゲストハウスから生まれる。
「通過点である小田原に、地元の人と外の人が交わる点を作りたい。」 そこに新しい価値観と文化を積み上げていく。
っていうのはもう開業当初からずっとやりたかった。
>続く
(毎日僕のヒストリーを公開していきます。これは5本目です)