APLAさんと共同でこのプロジェクトを進めている、らくだ舎出帆室の千葉貴子です。
クラウドファンディングにてご支援いただいたみなさま、進捗のご報告に間が空いてしまい、失礼しました。この1ヶ月半ほど、制作が大詰めで、さまざまな点で修正に修正を重ねてきました。11月5日に、最終的な印刷データを印刷会社さんにお送りし、11月14日、全てのページの印刷を無事に終えました!
この絵本、主人公であるバナナのらんとごんの「色」の変化は、重要なポイントのひとつでした。
バナナは、緑から黄色に変化していきます。どの時点でどれくらいの色味が適切か、監修のオルター・トレード・ジャパンさんと協議を重ねながら進め、印刷入稿の直前まで調整を繰り返しました。
そのため、最終の印刷時、私とデザイナーの鈴木さんで現場に赴いて、全てのページの色味を確認し、必要があれば最終調整をお願いすることに。
今回、絵本の印刷を依頼したのは、京都市にある「有限会社 修美社」さんです。社員10名ほどの会社さんですが、4色オフセット印刷機や活版印刷機などさまざまな印刷機を10台持っていらっしゃるそうです。
住所を頼りに歩いていくと、昔ながらの下町の住宅街に、突然その場所が現れました。小さな、倉庫のような工場と事務所。事前に案内を受けていた2Fに上がります。
『バナナのらんとごん』の部数は2000部。つまり、全てのページを2000枚ずつ刷るということです。印刷する紙に対する面付けデータを作成し、「版」を作る工程はすでに修美社さんが行なってくださっていました。4色それぞれの版をオフセット印刷機にセットし、紙を通して、面付けされた1枚を4色フルカラーで印刷していきます。
到着後すぐに、最初のページが刷れました、とのこと。1階の工場に入らせていただいて、色味を確認します。この色をもう少し緑に感じるように・・・など、調整をお願いし、色の出方を調整してもらいます。
約30〜40分で2000枚刷り、次の版へ。次の版のテストプリントが終わったらまた確認し、調整を依頼。これで良いというところまで調整し、本番2000枚を印刷して、次の版へ・・・
この工程を、朝9時半から19時過ぎまで何度も繰り返して、この日、全てのページを確認・印刷しました。(私は和歌山に帰るために、終電の18時前に失礼させていただきましたが・・・)
私の帰り時間をお伝えしていたので、精一杯急いで印刷していただいたそうで、本当に感謝しかありません。
仕掛け部分がちゃんと重なるのか・・・鈴木さんとしては、ここが一番心配だったそうです。テスト印刷の1枚を分けていただき、念の為、その場で最終チェック。綺麗にピッタリ重なり、安堵しました。
修美社さんには、立ち会っての最終調整に真摯に対応いただいて、大変ありがたかったです。小回りがきくことを強みに、ひとつひとつの本と向き合ってくださる会社さんなのだということがよくわかりました。何度もお茶を出してくださったり、15時だからおやつです、と菓子鉢を持ってきてくださったり・・・あたたかく居場所を用意していただいて、刷り上がりを待つ間、リラックスして過ごすことができました。
このあとは、表紙のみ「PP加工」というキズのつきにくくなるツルッとした表面加工を施すため、加工を担当する別会社さんへと運ばれます。その後は、製本工程へと進みます。製本は埼玉の会社さんです。今回の場合は、真ん中にミシンがけをして綴じる「ミシン綴じ」。ボール紙に表紙が貼られ、ミシン綴じをした本文用紙と見返しが貼り付けられ、そしてやっと、絵本が完成します。
現状、12月7日以降に納品していただく予定で、まさに今、製本工程を進めていただいています。本当にもうすぐ、目の前に、絵本が現れます。まだ信じられません。果たしてどんな気持ちになるのでしょう。
完成した絵本はクラファンで支援いただいた方から、いち早くお届けしていきます。ご支援いただいた方で絵本と一緒にお届けするバナナの皮を使ったカードも、明海学童クラブの皆さんが頑張って作ってくださったそうです。本当にあと少し。お届けまで、楽しみにお待ちいただけたらと思います。
(らくだ舎出帆室 千葉貴子)