こんにちは。スタジオ八百萬の山田です。
これ、菓子処ひきちさんの「くるみゆべし」です。
ゆべしのような素朴なお菓子は、普段あまり意識もせず何気なく口に入れてしまいますが、こうしてクローズアップして見ると、繊細で高級に見えてきますね。
きっと波形の包み紙なんかも意味があるんだろうなと思います。
分かりますか?あの、ギザギザの波トタンのような包み紙。ゆべしの表面にもその跡がついていますよね。
ひきちさんは、私たちおやきメンバーの一人が働いているお店で、63年前の創業当初からこの「くるみゆべし」を作り続けているそうです。
素材は、鬼胡桃(オニグルミ)に山形県産の粉、米沢の醸造所の醤油を使い、昔から変わらない製法ですべて手作りしているそうです。
ちなみに、この鬼胡桃(オニグルミ)というのは、一般的に販売されているペルシアクルミよりも殻が非常に硬く、食べられる部分が少ないことが特徴で、その反面、味は渋味がなくクリーミーな濃厚さがあるそうです。
このシンプルなお菓子を、できるだけ地元の素材を使って、63年もの間変わらず作り続けられるというのは、もの凄いことだと思うんです。
奇をてらったものや流行りを追うものは、いつか必ず飽きられて廃れてしまいます。
自分の想いや執念があっても、それだけでは続けることは出来ないのです。続けられるということは、それだけ買ってくれる、食べたいと思うお客さまがいるということですから。
単に美味しい美味しくないということだけではない、真心がこもっているとしか言いようがありません。そして、それがちゃんと伝わっていると。
だから、シンプルなものを変わらず作り続けられるということは、恰好いいのです。
この「くるみゆべし」を見て、私たちもこんな風に王道を真っすぐ、真心のこもった仕事をしていきたいと思いました。
ちなみに、ひきちさんのクチコミサイトを見ると、「チョコバナナが絶品」「私はあげまんが美味しい」「私はブランデーケーキが好き」などなど、お客さまがそれぞれに好きなお菓子を主張していて、みなさんファンなんだな~と思って微笑んでしまいます。
僕もブランデーケーキめっちゃ好きです(笑)
あれはもう「飲み物」ですね。