自己紹介
現在、長野県大町市では松本糸魚川連絡道路計画(地域高規格道路「松本糸魚川連絡道路」)が進んでいます。私たち大町市に暮らす市民有志による大町の未来を考える会は、地元の若者が代表となり、松糸道路について考える機会をつくるために活動を行ってきました。私たちは大町市が大好きです。自然豊かで美しい北アルプスに湖や田畑が広がる景色。穏やかに流れる時間は住民だけでなく、訪れた方も魅了する場所です。この先もこの素晴らしさが続くように、私たちは美しい自然と豊かな暮らしが調和した町を目指して活動を始めました。
またその活動の中から、松糸道路の中止を求める署名活動を行う松糸道路と大町を考える会が発足し、change.orgで現在署名活動も行われています。
change.org
このプロジェクトで実現したいこと
長野県が事業主体となり、松本市から糸魚川まで概ね時速60kmで走行を目指す「松糸道路」。大町市では市街地のど真ん中に盛土道路を作る計画が進んでいます。その大きさは、およそ高さ6m、幅30mとなり、まるで大町市を東西に遮る壁のようなものです。
しかし、すでに市内には既存の道路が複数あり、渋滞もなくスムーズに移動することが可能です。この新しい道路計画は多くの住民へ立ち退きを強いるだけではありません。住環境の悪化や農地減少、そして北アルプスを背景とした山岳・田園風景も失われます。40年以上前に計画され、完成までに10年以上の歳月を要し、270億円以上の税金が投じられるこの大事業は本当に必要なのでしょうか?
人口減少・高齢化社会を迎える中、既存のインフラはあと10年もすれば半分以上が老朽化となります。限られた財源でまちづくりを進めるとき、新たな事業は今まで以上に厳選せざるを得ない時代です。「おおまち」の未来は新たな道路ではなく、豊かな自然と共にあるべきだと私達は考えます。
松糸道路が本当に地域にとって必要なものなのかを考える機会を作るために、立ち退き予定地になっている畑に、実寸大の松糸道路のアート作品を竹で作り、実際にそれができたときの大町市の在り方を多くの人にイメージしてもらい、松糸道路について考えてもらう機会を作りたいと思い、このプロジェクトを立ち上げました。
目標金額が達成された場合、竹で作る松糸道路の実寸アート作品のサイズは敷地のサイズに合わせて高さ6m×幅30m×長さ15mほどの作品を目指します。目標金額が達成できなかった場合は、集まった金額によって、高さ6mは維持しますがサイズは小さくなる予定です。
アート制作予定地の松糸道路建設で立ち退き予定地になっている畑
また、大町市では2024年の9月13日から11月4日まで、「北アルプス国際芸術祭」が行われ、国内外から多くの人が大町市を訪れます。北アルプスの雄大な景色は、大町市に暮らす人だけではなく、その土地を訪れる人にとっても、日本の宝のような景観であると思います。「北アルプス国際芸術祭」を冠して芸術祭を行いながら、北アルプスの景観を壊すような計画を行っているように見える大町市の現状について、この美しい土地を訪れる人たちと一緒に考える機会を作りたいと思い、「北アルプス国際芸術祭」に合わせてこのプロジェクトを行います。
北アルプス国際芸術祭
行政という大きな力や資金に寄り添うのではなく、大きな力によって黙殺され、声をあげることのできない人々の想いに寄り添うことが、本当のアートの役目であるという想いを持った参加作家とともに、このプロジェクトを行います。ぜひ、本当にこの土地を愛し、この土地の未来を考える人たちの想いに寄り添うご支援をお願いします。
プロジェクト立ち上げの背景
盛土道路を新設予定。事業費は約270億円超、工事期間は約10年
この計画は、事業費、工事期間、地域・住民・自然環境や景観への影響など多くの課題を抱え、さらに住民への十分な説明がなされないまま、ルートが発表されました。完成までに10年以上を要し、総事業費は270億円を超える大事業に対して、盛土道路の新設による時間短縮はわずか6分程度。完成後も管理に年間8,300万円が費やされます。新設道路の財源は県の予算となりますが、現道との交差部の改良費は大町市が負担します。しかし、どちらも私たちの納める税金が使われます。人口減少・少子高齢化が進み、地方自治体の財政は厳しさが増す中で、限られた財源の使い道が道路の新設で良いのでしょうか。
暮らし・経済への様々な影響・立ち退き約181戸がルート案に入っています。これだけの多くの人が住み慣れた家や、手をかけた庭や畑を手放さなければいけないことになります。新たな家や土地を探し、引越することは、金銭的にも精神的にも簡単なことではありません。特に高齢者や低所得者には大きな負担となることが想定されます。
・地域分断 およそ高さ6m、幅30mの盛土道路は壁となって、地域を分断します。近所の方々とのコミュニケーションや自治会の運営など、地域コミュニティへの影響が懸念されます。
・住環境、道路に隣接する住宅地では騒音や振動、日照や風など、日々の暮らしへの影響も懸念されます。これは完成後の話だけではなく、約10年に及ぶ建設工事中にも起こります。
・市街地・オリンピック道路沿線の経済への影響 松糸道路が出来るとオリンピック道路は交通量が1/7に減り、中心市街地の交通量は2/3に減少する想定です。現道沿いの飲食店、ガソリンスタンド、コンビニなどの客足への影響が予想されます。地域経済の活性化には、観光客が大町市に立ち寄る取り組みが欠かせませんが、新設道路によって通過するだけの街にならないか不安が残ります。
・農業の衰退 予定地には、北アルプスを眺める優良な農地が多く含まれています。評価では農振農用地が約37.5ha、不整形農地が約300区画となっています。農業への影響が懸念されると共に、美しい田園風景が持つ価値が失われてしまいます。北アルプスを背景とした山岳・田園風景への影響雄大な北アルプスの景観は、大町市の唯一無二の魅力であり、地域や市民のかけがえのない財産です。市民意識調査の結果でも明らかです。地域の財産である北アルプスの景観が損なわれる影響は計り知れません。
大規模で長期に続く工事による影響約10年に及ぶ工事期間には、道路資材を運ぶ大型のトラックや重機が地域内を行き来します。渋滞や騒音、粉塵など工事車両による生活への影響が懸念されます。当会が調べたところ、盛土を運ぶのに10tダンプが約19万台も必要となります。
難題の多い木崎湖以北のルートR148は、白馬や仁科三湖に繋がる国道として観光には欠かせません。一方で、住宅や農地と隣接しているため、生活道路としての役割も大きいです。また、代替の道路がないために、何か事故が起きると長期間の通行止めも起きてしまいます。その他、水辺環境や断層の問題もあります。
よって、道路のあり方や工事の進め方など、市街地区間よりも十分な検討が必要になりますが、松糸道路の計画では未だに”現道活用”以上の情報は出されず、全容が全く見えていません。市街地区間を先行して計画し、難題の多い木崎湖以北は未定、これが現在の状況です。
※松糸道路のイメージ図は長野県の資料より引用
現在の準備状況
現在、松糸道路の立ち退き予定地になっている畑の持ち主が快く、竹のアート制作の会場を提供してくれました。そしてその竹の巨大な構造物に覆われる形で、畑では野菜が作られ続け、地域の生活とともに松糸道路実寸大アートを見ることができる予定です。
たくさんの竹を伐らせてもらう竹林を提供してくれる協力者も決まっています。また巨大な竹のアート制作のために協力してくれるアーティストと市民有志が協力して準備を進めています。
資金の使い道
本クラウドファウンディングはAll-in方式(実行確約型)で実施します。目標金額に達しない場合にも、松糸道路実寸アート作品の制作とご支援いただいた方へのリターン品の提供を行います。本クラウドファウンディングで集まった資金は下記に使わせていただきます。
制作費 54万(竹の造形物の制作のための人件費、材料費)
記録集制作費 10万円(印刷費、編集費)
返礼品 5万円
執筆謝礼 1万(記録集に松糸道路についての専門家の意見を書いてもらいます。)
※費用内訳は70万円調達時の概算です。ご支援総額やご支援プランの数などにより変動します。
目標額を越えて資金が集まった場合は、記録集の増刷、作品制作の充実と9月13日予定の完成オープニングイベントの費用など会の活動資金として使わせていただきます。
リターンについて
・Beautiful Omachiステッカー&ポスター&フラッグ
北アルプスの美しい景観を守り続けたいという願いを込めて作ったBeautiful Omachiステッカー、ポスター、フラッグを身近に貼って頂くことで、北アルプスの景観と松糸道路について心を寄せて頂きたいと思います。また、この活動を多くの人に知ってもらうことができる機会が生まれることを願っています。
・松糸道路によって立ち退きが予定される畑で採れる野菜
松糸道路の実寸大アートの制作予定地の畑で採れる野菜をお届けします。松糸道路によって失われる生活の豊かさを野菜の味を味わうことで、考えてもらいます。小規模の畑なので、10名限定の返礼品になります。
・参加作家の作品
このプロジェクトに共感して協力する参加作家の作品をお送りします。
絵画や彫刻など、この活動を支援してくれる人に感謝の心を込めて制作します。
希望する作品の種類や、参加作家に知り合いがいる場合は、希望する作家名をご記入ください。
行政の公共事業に対して、考える機会を作るというだけで、同調圧力の強い地域では、様々な圧力がかかります。そのため、プロジェクトに協力する参加作家を守るために個人名は出せません。
絵画作品 thunderbird (30cm×20cm)
絵画作品 木崎湖の水守り
手作り帽子
あなたのほしい歌や音楽を作ります。
大町は 山がきれい
ときどき 目をつむって うっすら雪ののこった あおい山を 見る
目をあけたら ちいさな海と はねる お魚が 見えて
うつくしいものが ちかくにあること うれしくおもう
大町の山が そこに住むひとたちの ちかくに あればいいな と ねがう 田んぼも ちいさな小道も 植物や はねる いきものたち も なにか そんな うれしい きもちになる おんがく で おてつだいしたい
高瀬川の石に漆で描いた作品
・Beautiful Omachi記録集
一度だけのイベントではなく、立ち退きを強いられる地域住民の土地に纏わる様々な想いや記憶、北アルプスの景観を守るために盛り土のような道路を作らずに景観を大切にしてきた祖先たちの想い、竹の造形物の制作を通して生まれる地域の連帯や、行政の公共事業という大きな力の同調圧力から、声を出すことができずに暮らす人々の小さな声や、この北アルプスの景観を愛して、訪れる人たちの想いを記録集という形で残すことで、より多くの人にこの活動を知ってもらうための記録集を作ります。
※画像の記録集のイメージです。
目標額達成の場合
A4サイズ(カラー無線綴じ36P)200部を予定
目標額未達成の場合
A4サイズ(カラー8P~20P) 50部を予定
スケジュール
2024年7月下旬 材料となる竹の伐採開始
8月下旬 松糸道路実寸大アート制作開始
9月3日 クラウドファンディング終了
9月12日 松糸道路実寸大アート完成予定
9月13日 松糸道路実寸大アート完成記念イベント
12月 松糸道路実寸大アート記録集制作
12月 リターン発送
最後に
実際に松糸道路ができてから、こんなはずではなかったと後悔しても、もう取返しがつきません。
本当にそれが必要かどうか、多くの人が立ち止まって考えることができる場が必要と思います。立ち退きで生活が奪われる人たちも、本当にそれが地域のためになるならそれを受け入れることができます。しかし、それが地域を衰退させるようなものなら決して受け入れることはできないのです。多くの人が大町の未来を考える機会を生み出すための松糸道路実寸大アート制作にぜひご支援をお願いします。
最新の活動報告
もっと見る松糸道路実寸大アート制作10日目。明日は完成披露イベントです。
2024/09/12 22:06松糸道路実寸大アート制作10日目。ほぼ、作品ができました。毎日、朝に手作りケーキを焼いて差し入れてくれて、おやつの時間にもイチジクのアイスを差し入れてくれる地域のおばあさんが、本当にありがたいです。こんなにも地域の方に応援されて、地域の方の想いとともに制作する機会は今までなかったと思います。竹を編む制作の手伝いにもいろんな人が参加してくれて、みんなで協力して巨大な松糸道路の盛り土の形を作り上げていきます。少しづつ松糸道路の巨大さに、通りかかった人と会話が生まれます。明日の9月13日の10時から12時頃まで作品完成披露イベントを行います。舞などの催しとバーベキューをして、みんなで作品の完成のお披露目を行います。お近くにお越しの方はぜひご参加ください。https://maps.app.goo.gl/B97Q1W3jnqBXjYVH6 もっと見る
松糸道路実寸大アート制作4日目
2024/09/06 23:06松糸道路実寸大アートの制作4日目。毎日のように地域の方たちが、飲み物や手作りのケーキ、ゼリー、白玉ぜんざいや、梨やりんご、漬物、ブドウやイチジクを氷らせたものなどを差し入れにもってきてくれて、がんばってください。という声をかけてくれるのが、とてもありがたいです。こんな大きな道ができるの?と困惑する通りすがりのおばあさんがいたり、近くの方が、大きな脚立を貸してくれたり、高所作業の大変な作業のなか、地域の人たちの想いとともに作っていくことに、とてもやりがいを感じています。松糸道路の実寸大アート、クラウドファンディングのイメージ図の構造部分が、ほぼできました。ここからどのような作品に変化していくのか、そこに関わってくれる人たちの想いとともに、 松糸道路を考えるきっかけとなる作品の形を生み出していきます。 もっと見る
松糸道路の実寸大アートの制作始まりました。
2024/09/03 19:11みなさまのご支援で、目標金額を達成することができました。本当にありがとうございます。現在105%の740,000円で、残り5時間です。目標金額を越えた部分は、完成記念イベントの費用などに使わせて頂きます。そして本日より、本格的に松糸道路の実寸大アートの制作を開始しました。6mの高さの竹を使って、高さを確認してから、竹を番線で結び、構造となる形を作っていきます。松糸道路建設で立ち退きになる畑をやっている方も、邪魔な木を伐ったり、草刈りなどで準備を手伝ってくれました。地域の方も覗きに来てくれます。そして畑の土地のオーナーが美味しい梨の差し入れを持ってきてくれました。お茶の時間に松糸道路の話やいろいろの話をすることもとても大切な時間です。この高さ6mの構造物に、地域のささやかで美しい生活が呑みこまれていくことが本当に必要なことなのか、考えることができるきっかけとなる松糸道路実寸大アート制作の活動をこれからも発信していきますので、ぜひ最後のご支援をよろしくお願いします。 もっと見る
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