こんにちは!雫穿大学クラウドファンディング学生サポートチームです!
先日、3日間の日程で行われた第16回TDU・雫穿大学国際映画祭「生きたいように生きる」が無事終了しました!
映像表現を通して、人と繋がりながら「生きづらさ」を越えて「生きたいように生きる」ことを目指す映画祭、おかげさまで小さなイベントですが、沢山の方にご参加いただけました!
《1日目》
1日目は、08年〜09年にイスラエルの攻撃で家族を失ったパレスチナの子どもたちを追った衝撃のドキュメンタリー『ぼくたちは見た』(古居みずえ監督)を上映し、アフタートークには古居監督ご本人に登壇いただきました。
映画を制作されたきっかけや、苦労された点などをお聞きし、さらにこの映画で取材されていた子どもたちのその後についてもお話いただきました。映画で取材されていた男の子の兄弟3人が、その後イスラエル軍に捕まって拷問を受け、うち2人はいまだに安否が不明であることなど、映画で取材した頃よりも過酷になっている現在の様子に一層胸が痛くなりました。しかし、だからこそ、まずは知るという一歩を踏み出せるという意味で、とても大事な時間になりました。
《2日目》
2日目の一コマ目は、「世界のオルタナティブスクール作品」と題し、国内外で子ども中心の新しい学びを実践している様々なオルタナティブスクールの子どもたちが作った作品を上映しました。アメリカはブルックリンのベッドフォードで育ったブラックの青年が7人もの友人を銃で失った経験から制作した銃社会と差別の問題をテーマにしたドキュメンタリー『Bullets in the Hood』(監督:テレンス・フィッシャー、制作:DCTV)など切実な力作たちで、トークでは映画祭の実行委員が作品を解説しました。
2日目二コマ目は、雫穿大学映像プロジェクト制作のドキュメンタリー『異形と私たち』。不登校やひきこもりという経験を持つ制作メンバーが、昨年、舞台俳優の大久保美智子さんと創り上げた朗読劇「奥州安達ケ原挽歌」と、その鬼婆伝説に出てくる鬼=異形の者になった人物と自分たちを重ね合わせ「なぜ異形に惹かれるのか?」という問いを深めていきます。
2日目三コマ目は、土屋トカチ監督の『フツーの仕事がしたい』(デジタルリマスター版)を上映。月552時間、社会保険も残業代も出ないなどという非常に過酷な状況で働いていたセメント輸送運転手の皆倉信和さんを取材したドキュメンタリー映画です。アフタートークは、土屋トカチ監督と、労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団の志波早苗さんとの対談形式で行いました。お二人から働くことに関する様々な考えや思いが語られ、大いに盛り上がりました。
《3日目》
3日目一コマ目は、かつての映画祭でも公募枠で作品を上映した鴨井奨平監督の最新作『書けないんじゃない、書かないんだ』を上映しました。大学時代に執筆した小説で芥川賞を受賞し、一躍有名小説家になるもスランプに陥った主人公と“天才小説家”を自称しながら小説を読みも書きもしない義姉との衝突とそれぞれの葛藤を描いたおかしくも、暖かい気持ちになる劇映画でした。アフタートークでは、2人の主人公のキャラクターをどのように作っていったのかなどの制作裏話をお聞きしました。
3日目二コマ目は、本映画祭2回目の土屋トカチ監督の『フツーの仕事がしたい』の上映でした。トークでは、土屋監督がこの映画をつくるきっかけとなった、映画の主人公である皆倉信和さんとの初対面時のエピソードなど、いろいろなお話をしていただきました。
本映画祭の最終コマである3日目三コマ目は、かつて世界的に注目を集めたアメリカの人種的・思想的偏見による冤罪事件「サッコ・バンゼッティ事件」を描いた劇映画『死刑台のメロディ』(ジュリアーノ・モンタルド監督)を上映。今回はなんと最新のデジタルリマスター版での上映となりました!また、昨年逝去されたモンタルド監督の追悼の意味も込め、生前に雫穿大学映画祭に向けていただいていたビデオメッセージも上映しました。
アフタートークでは、映画祭実行委員が作品の背景となる「サッコ・バンゼッティ事件」などについて解説しつつ、参加者の皆さんとやりとりをしました。
そして、全てのプログラム終了後には、ささやかなパーティを行い、この日お越しいただいた監督たちと見にきてくださった皆さん、映画祭スタッフの学生たちで和やかに交流を深めることができました。
ご参加・応援・ご協力してくださった皆さま、改めて、本当にありがとうございました!
また来年も皆さんとお会いできることを楽しみにしています。