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パレスチナ/ガザの翻訳絵本を緊急出版したい+「ガザの子ども図書館」展を全国で

パレスチナ占領と追放、ガザの壁を描いたアラビア語絵本『もしぼくが鳥だったら』。やさしい言葉で、この上なく率直に語られる絵本の邦訳を緊急出版したい。2025年1月刊行予定。個別リターンのほか社会的リターンとしてPBBY(パレスチナ国際児童図書評議会)提供の「ガザの子ども図書館」展を全国にお届けします

現在の支援総額

1,721,350

114%

目標金額は1,500,000円

支援者数

245

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2024/09/18に募集を開始し、 245人の支援により 1,721,350円の資金を集め、 2024/10/17に募集を終了しました

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現在の支援総額

1,721,350

114%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数245

このプロジェクトは、2024/09/18に募集を開始し、 245人の支援により 1,721,350円の資金を集め、 2024/10/17に募集を終了しました

パレスチナ占領と追放、ガザの壁を描いたアラビア語絵本『もしぼくが鳥だったら』。やさしい言葉で、この上なく率直に語られる絵本の邦訳を緊急出版したい。2025年1月刊行予定。個別リターンのほか社会的リターンとしてPBBY(パレスチナ国際児童図書評議会)提供の「ガザの子ども図書館」展を全国にお届けします

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【Next Goalへ!】
プロジェクト目標額を達成しました!
Next Goal/200万円を掲げて、より多くの方に絵本『もしぼくが鳥だったら――パレスチナとガザのものがたり』、そして、「ガザの子ども図書館」展を届けます。


はじまりは「難民絵本100冊ワークショップ」

 ゆぎ書房は八王子市にある小さな小さな出版社です。2020年に創業し、主に翻訳絵本を制作しています。

 パレスチナとガザを描いた絵本『もしぼくが鳥だったら』との出会いは、創業前の2016-2018年にメンバーとして参加していたプロジェクト「難民問題から国際理解教育を問う」(日本国際理解教育学会)でした。同プロジェクトの絵本タスクチームでは、難民をテーマにした絵本を収集し、その後、十数回にわたる難民絵本100冊ワークショップをひらいてきました。

2016-2018年の「難民プロジェクト」絵本チームで収集した難民絵本の一部
のちに邦訳刊行されたものも含む【出版情報詳細】

 教育や学びの現場で、「難民になること」をどう学ぶかは、とても大きな課題です。
 国際情勢の解説や統計データの提示がメインになってしまうと、自分とは かけ離れた世界の出来事として、情報をなぞるだけになったり、そもそも関心を向けることをあきらめてしまう。

     この問題を子どもたち・大人たちが他人ゴトではなく「自分ゴト」として学び、感じるには、どうしたらよいのだろう? 

  ひとつの可能性として、絵本ワークショップを行ってきました。

難民絵本約100冊を提供し 京都市国際交流協会と共催した、
「世界の絵本展2021~絵本から難民と出会う」

 絵本の主人公は、ある日とつぜん難民となり、(多くは戦禍に追われて)移動し、さまざまな状況に直面していきます。

   混乱と逃避行のさなか家族が離ればなれになる、戦争になると町のゴミ収集がストップしてしまう、平和な国まで逃げていったけど言葉が分からない・・・など。

 「そっか、そんな事態も起きるんだ」と、子どもたち・大人たちは、絵本の場面からこれまで想像もしなかったことを追体験していきます。そして、おはなしから読み取るだけでなく、絵本の絵から、自分で発見することもできる。

難民絵本約100冊を提供し 京都市国際交流協会と共催した、
「世界の絵本展2021~絵本から難民と出会う」

    ことさらに「議論する」というのではなく、絵本を間に置いて、絵本を読んだ人がお互いの発見や感じたこと・分からないことを、素直に口にしてシェアできる「敷居の低さ」「間口の広さ」も絵本のもつ可能性のひとつかもしれません。 

中東絵本の翻訳者・片桐早織さんとの出会い

    そんな難民絵本ワークショップに、2019年ごろ、中東絵本の翻訳者・片桐早織さんがたまたま参加され、「パレスチナで難民になった人たちを描いた、アラビア語の絵本をもっと読みたいです」と、ご相談しました。

片桐早織さん訳『ラマダーン』 2024年
原作(文)は『もしぼくが鳥だったら』を執筆したファーティマ・シャラフェッディーン
   パレスチナを描いた絵本は多くありましたが、英語などで第三者の視点から描かれたものだったり、あるいは、当事者の視点(により近いところ)から描かれた中東の絵本があっても、必ずしも分かりやすいものばかりではなかったのです。

『もしぼくが鳥だったら』原書表紙
アラブ首長国連邦・シャルジャ首長国の
カリマート社、2009年刊行

  そんなときに片桐さんが紹介してくれた作品のひとつが、アラビア語絵本『もしぼくが鳥だったら』でした。

いま届けなければならない絵本

 『もしぼくが鳥だったら』は、主人公の男の子の視点から、パレスチナの占領、追放、入植を描いた絵本です。ガザをはじめとする多くの場所を彷彿とさせる「壁」も独自の形で描かれます。

 「ぼくたち」が故郷の家を追い出されたこと、そして、「ぼくたち」が住んでいた家と土地に、「遠い国から来た人たち」が住みはじめたことが、やさしく、やわらかい言葉で語られます。

 しかし、あまりに率直であるため、日本では受け容れられないのではと思い、そのまま5年もの間、為す術もなく手元に置いていました。

 パレスチナ/イスラエルの問題は今に始まったことではありませんが、2023年10月7日以降の更に苛烈な状況を目にし、今ならこの絵本も理解してもらえるかもしれないと思い、本作品の翻訳権取得に向けて動き始めました。

 パレスチナ/イスラエルでこれまで起きてきたこと、今起きていることをどう理解すればいいのだろう?子どもたちにどう伝えればいいのだろう?  不安や疑問を感じている人はとても多いと思います。

 もちろん、この絵本に描かれていることが絶対でも全てでもありませんが、この大きな問題を「知る」ための小さな糸口として、いまだからこそ届けなければならない絵本であると感じます。

 版権取得のすべての手続きが完了した今、支援協力を呼びかけるこの機会を、より多くの方々との問題共有の機会と捉えています。

 皆様のご支援をどうぞよろしくお願い致します。


絵本『もしぼくが鳥だったらーーパレスチナとガザのものがたり』

    ファーティマ・シャラフェッディーン(文)、アマル・カルザーイ(絵)、片桐早織(訳)

 もしぼくが鳥だったら
 このかべを こえて
 ぼくたちの家へ とんでいくのに。

 ぼくたちの家は
 このかべの むこうがわにある。

    いまでも おぼえてる、
  家から おいだされた あの日のこと。  
   
  あの人たちは いった。
  「出ていけ !!」
    あの人たちは どなった。
 「出ていけ 出ていかないと・・・。」
 そして ぼくたちに 銃をつきつけた。     

  いま ぼくたちは みんな
  このひろい町の せまいばしょに すんでいる。
  高いかべが ぼくたちを とりかこむ。
 
  ぼくたちが すんでいた家は このかべのむこう。
  このかべが ぼくたちの前に たちふさがる。

   学校から かえると まいにち
   ぼくたちは このかべの そばで あそぶ。
   このかべに いろんな色で
   花や ことりや 風船の絵を かく。

とうさんに きいてみる。
「どうして あの人たちが ぼくたちの ひろい土地にすんで、ぼくたちは こんなせまいばしょに すんでいるの?」(後略)

日本語版絵本 巻末解説
 絵本に描かれていることの背景を、パレスチナ研究者の鈴木啓之さん(東京大学中東地域研究センター・特任准教授)が、子どもたちにやさしく語りかけるような言葉で解説してくれました。

また、絵本の絵から、パレスチナの歴史と暮らしを見つけ出すヒントも示してくれています。

以下は、鈴木啓之さんのご著書・編著書・訳書の一部です(共著共訳を含む)。


出版・制作情報

【原書タイトル】 لو كنت طائراََ  Lau kuntu ṭāʾiran
【原書出版社・出版年】 كلمات Kalimāt/ カリマート  (アラブ首長国連邦・シャルジャ首長国) 2009年
 ※本プロジェクトページへの絵本画像の掲載は、すべて著作権者の許諾を得ています。

【出版情報詳細】https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910343082
 ※全国の書店・ネット書店での一般購入予約も受付開始しました
 ※9/18時点で楽天ブックスでご注文可(Amazonは情報反映されておらず)


社会的リターン:「ガザの子ども図書館」展を全国で

 ガザへの攻撃が続き、死傷者数が増大していくなか、現地への支援ではなく、日本での絵本出版のための支援呼びかけは許されるのだろうか?

 自問自答と関係者との話し合いを重ねました。そして、ただひとつのできること=「翻訳絵本の出版」の実現に注力することにしました。そのうえで、できあがった絵本を皆様にお届けする個別リターンとは別に、PBBY(パレスチナ国際児童図書評議会)よりご協力をいただき、社会的リターンを実施したいと思います。

 世界中のIBBY(国際児童図書評議会)による支援も受けて、ガザ地区北部のベイトハーヌーンで運営されていた図書館がありました。Safe Heaven とも呼ばれたこの図書館を、たくさんの子どもたちが訪れていました。今は跡形もありません。 

2014年の攻撃で破壊されたガザ地区ベイトハーヌーンの子ども図書館
(再建後、2023年10月の攻撃で
再度破壊)
 上記図書館とガザでの図書活動その他についての、PBBY(パレスチナ国際児童図書評議会)による画像と情報をパネル化し、絵本販売とともに書店さん等で展示していただけるよう、提供致します。また、絵本販売を伴わない形での展示も、支援団体・学生さんの活動・本読みデモなどでもご活用いただけたら幸いです。

展示パネルの主な内容 (予定)
・国際的な賞を受賞したガザの児童書作家が安否不明であること
・子どもたちとの図書活動を担ってきたスタッフが安否不明であること
・世界各国のIBBY(国際児童図書評議会)の支援を受けてガザにつくられた児童図書館が、2014年と2023年の二度にわたり攻撃を受けて跡形も無く破壊されたこと
・2023年10月のガザ攻撃から200日目に、PBBYが世界に向けて発信した英語・アラビア語でのメッセージ(邦訳を併記します)


翻訳者・原作者の方々と原書出版社のご紹介 

 【翻訳者】片桐早織さん
 国文学科を卒業後、オリエント考古学を学ぶ。古代オリエント博物館・早稲田大学・筑波大学などの発掘チームに加わり、シリア、エジプト、イスラエルの発掘調査に参加。更に中東の各言語や昔話を学ぶ。
 アラブイスラーム学院第1期卒業。司書資格を生かし同学院の司書も務めたほか、国際子ども図書館(国会図書館分館)にて中東言語絵本の選書などを担当。中東の絵本や昔話についての研究、講演多数。また中東と日本の昔話紙芝居を制作、多言語で演じ、物語を双方向に届けている。
  

【文作者】ファーティマ・シャラフェッディーンさん 
 1966年ベイルート生まれ。レバノン・アメリカン大学で幼児教育を学ぶ。イスラエルによるベイルート侵攻を経験。レバノン内戦を逃れアメリカへ移住した。オハイオ大学で教育学とアラブ文学の修士号を取得。 
 絵本・児童書・YA文学作家として、160余の作品を執筆。絵本『ラマダーン』(2024) は片桐早織さんが邦訳。作品テーマは多岐にわたり、楽しい絵本も多い。ブリュッセル在住。ボローニャ・ラガッツィ賞 (ニューホライズン賞) 2016ほか、受賞・ノミネート多数。

【画作者】アマル・カルザーイさん
アメリカ生まれ。両親はパレスチナから米へ移住した。サンフランシスコのアカデミー・オブ・アート大学で芸術学修士を取得。絵本My Key でNorthern Lights Book Award 2022 を受賞。パレスチナの出版教育機関 Tamer Institute からも作品を出版。

原書出版社カリマート
アラブ首長国連邦・シャルジャ首長国の王女が2007年に創立し、「同国初の児童書出版社」とも称される。
『もしぼくが鳥だったら』原書の販売利益は全て、PBBY(パレスチナ国際児童図書評議会)に寄付された。
※写真左手の建物1階がカリマート出版ブックショップ

【プロジェクト発案者】ゆぎ書房代表 前田君江
 ペルシア文学研究・絵本翻訳に携わったのち、2020年創業。
 自身の翻訳絵本に『ラマダンのお月さま』『イードのおくりもの』(西日本読書感想画コンクール2018ほか課題図書)『石たちの声がきこえる』 共訳絵本に『シマをなくしたシマウマとうさん』
『ぼくのなまえはサンゴール』
2007年より東京大学教養学部非常勤講師。

スケジュール

2024年10月  日本語版デザイン制作
2024年11月~12月  印刷作業
2025年1月15日ごろ 日本語版『もしぼくが鳥だったら』出版
           個別リターンの発送
           社会的リターン(「ガザの子ども図書館」展・展示パネル発送)の開始

*個別リターンとして、『13人のサンタクロース』+『もしぼくが鳥だったら』をご希望の方には、『13人のサンタクロース』のみ、12月初旬に発送致します。

最後に
 くり返しになりますが、クラウド・ファンディングへの支援協力を呼びかけるこの機会を、より多くの方々との問題共有の機会と捉えています。緊急出版を実現するため、皆様のご支援をどうぞ宜しくお願い致します。


支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 印刷費 書籍の輸送・発送費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

最新の活動報告

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  • クラウドファンディングで、ゆぎ書房絵本セットB(『13人のサンタクロース』+『もしぼくが鳥だったら』)を選んで下さった皆さまへ、昨日、新刊絵本『13人のサンタクロース:アイスランドにつたわるクリスマス』を発送しました。原作:ブリアン・ピルキングトン、訳:朱位昌併2024年12月1日出版 ISBN 978-4-910343-07-5 ¥2000+税 以下に少しだけ絵本をご紹介します。**************************愛嬌たっぷりで、いたずら好きのサンタクロースが13人! アイスランドでは、クリスマスの13日前から、サンタが毎日ひとりずつ山からおりてきます。 台所でおたまをベロベロなめるサンタ。窓からじっとのぞくサンタに、扉をバタンバタンと閉めるサンタ。そして、悪い子の靴には生のジャガイモ!【おすすめ★子ども読み】まるで妖怪図鑑のような、コワ~いサンタ図鑑絵本! 【おすすめ★大人読み】 赤い服にトナカイではなく、むかしの農夫の服を着て、歩いてやってくる13人は、本当にサンタクロースなの?!そもそもクリスマスって何だろう?サンタクロースって何なんだろう?そんな民俗学的な問いにも誘ってくれる絵本です。*******************************<<オンライントーク>>のお知らせ翻訳者さんと語る絵本『13人のサンタクロース:アイスランドにつたわるクリスマス』ーー朱位昌併さん×山田慎太郎さん12月13日(金) PM7:00~8:30【詳細とお申込】https://peatix.com/event/4218765 もっと見る

  • ご支援くださった皆さま永らくお待たせしています。日本語版『もしぼくが鳥だったら』の編集・デザイン作業を少しずつ進めてきましたが、ようやく完成間近となりました。2025年1月下旬には皆さまにお届けできるかと思います。日本語版表紙 '25年1月下旬出版予定片桐早織さんからは、遡ること6年前(2018年)にこの絵本の訳文をいただいていました。そして、鈴木啓之さんからは今年7月に素晴らしい巻末解説「パレスチナのオレンジの木」の原稿をいただき、その後、ブックデザイナーの松利江子さんが、日本語版デザインを作り上げて下さいました。月間アワードを受賞なお、本プロジェクトは、「月間CAMPFIREクラウドファンディングアワード」(2024年10月)の『未来につなぐ』を受賞しました。皆さまに御礼申し上げます。しかし、現地の情勢は何一つ好転することなく、さらに多くの人たちが命を奪われています。「ガザの子ども図書館展」本プロジェクトの「社会的リターン」である「ガザの子ども図書館」展については、各方面から展示のお申し出をいただきました。・大学ゼミ生さんたちによるチャリティーとともに展示・親子向けの絵本施設・大学図書館・書店さん・公共施設具体的な日程や場所が決まりましたら、お知らせしたいと思います。 もっと見る

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