
小説『ひきこもり探偵』の主人公は発達障害を抱える二十歳の青年です。発達障害にはいくつかのタイプがありますが、主人公は自閉症スペクトラム障害(以下ASD)であるという設定にしました。柔軟性に乏しく、人間関係に困難を伴うタイプです。
ASDについて少し解説します。スペクトラム(連続性)という名称が示す通り、健常と障害の区別はあいまいで、そこに明確な線引きはありません。診断はつかないもののASD的な資質を持つ人々は世の中にたくさんいます。かく言うトランボもその一人です。
作中で主人公は、他者の感情を感知することが苦手な彼は、パターン認識で他者との対応を乗り切るという発言をしています。トランボの生き方も正にそれ。だから今までに出会ったことのないタイプの人に対峙すると、とても戸惑ってしまうのです。
主人公の青年はトランボの分身です。ASDの人の苦労を少しでも分かって頂きたいという想いで書きました。といっても(繰り返しますが)、この作品、深刻な作風ではありません。皆さんに楽しんでもらえるように、軽やか語り口で、かつコミカルに仕上げています。




