こんにちは!ついに活動最終日を迎え、日本に帰国することができました。
チーム全員でこの日を迎えられ本当にうれしかったです。
まず初めに、今回のインドネシアに渡航しての活動の全日程を無事終了できましたのはこの記事を読んでくださっている皆様をはじめとする多くの方々のおかげです。たくさんの応援、心から感謝申しあげます。
支援、応援してくださる人、活動に関する現地でともに建築活動に従事してくださった人、活動の運営をサポートする母団体であるNGOの方々、ともに助け合いかけがえのない時間を共に過ごした仲間たち、数え上げだすときりがないくらいの人々の尽力があってのこの活動です。人間一人の力、ひいては私のような強靭な身体付きでもなければ、建築に関する専門知識や住宅問題を解決に大きく動かせるような権力待持ち合わせていない、これでは到底現状に変化は起こせません。しかし人が集まり支え合い、協働することで物事を前に進めることはできると実感しました。
何もないただの空き地の状態から始まり、みんなで家の基礎を埋める穴を掘り、鉄の棒を切ってまげて組み立てて家を支える鉄骨を作り、コンクリを混ぜ、流し込み地盤を作り、外壁となるブロックを積み上げ、、、日に日に形になっていくところを見ていると本当に自分たちの手で家を建てているんだと実感し、感動しました。
(活動最終日の建築現場の様子↑)
日本の建築現場にあるような重機はなくすべての工程を文字通り人の手で行いました。かなり時間と手間のかかる作業であったことは事実です。しかしそこに意味があったのではないかと私は考えております。機械に頼らなかったからこそ現場にいる全員が手を取り合い、互いを気遣いながら作業を進め、相手に対する本当の意味での気づかい、優しさとは何なのか、人の家を建てるとは、幸せを建てるとはどういうことなのかということを考えながら行動することができました。
本当の意味での気遣い、優しさとは、ただ相手に対して過保護に接することではなく、あくまで相手の自己決定にゆだね、それを見守り、必要なら手助けする。ということなのだと考えさせられました。メンバーが体調を崩したとき、疲れている様子を見せたときただ蒙昧に相手に行動制限を加えるのではなく、相手はこの現状においてどう動きたいのか、全体の動きとのバランスを保ちながら当人の意志を反映する努力をする。そのために自分はどううごくか。ここまで込で気遣いなんだと今回の一連の作業を通して当たり前かもしれないが大切なことを学びました。
また、人の家を建てる、幸せを建てるとはどういうことなのかということについて。
そもそも人々にとって家とはどういうものなのか。家とは人々の大切にしたいものを守るためにあると今回の活動と現地の人との交流を通して感じました。人々の大切な家族、自分自身、心、自分のために使うもしくは大切な人と過ごす時間、このような人々の大切、宝を守るものが家であり、それがあるから人々は今日を生きることができます。今日を生き、周りの人や自然、日々周りで起こる事象に心を通わせることができる。そんな幸せな日常の基盤となる家。だからそんな家を建てるということは、人の幸せを建てることになるのだと私は考えています。普段のせわしない日常ではなかなかこの根本に気づくことはできませんでした。この活動を機にこの考えにたどり着くことができて本当に良かったです。
私は活動を通して以上のような結論に至りました。この記事を読んでくださっている皆さんにとって家とはどんな存在でしょうか?
今回私たちが行った建築活動はボランティアの枠組みのものになります。この活動期間、ボランティアについて多く考えさせられました。
渡航前の私の中でボランティアとはある種の上下関係が出来上がるものだというイメージがありました。与える側と与えられる側、発展している側の人間が発展途上の側の人間に手を差し伸べる。という感じでした。また、与える側が豊かで、反対側は豊かじゃない、貧しくて可哀想だという固定概念も私の中ではありました。このような側面が世間一般として定着している事実も存在するでしょう。しかし、今回の渡航を通して違う側面にも気づくことが出来ました。確かに私たちの今回赴いた地は私たちの生まれ育った日本に比べると発展途上であるかもしれません。衛生設備、交通便、安全性、経済的発展、GDPといったデータの上では日本に劣る部分はあります。しかし、だからといって先ほど挙げたような二項対立、カテゴライズが成立するのかというとそうではないなと考えています。現地の人々とともに活動し、お互いの価値観や大切にしていることについて意見を交換することで、新たなものの考え方や見方を学ぶことができました。また、言語という大きな壁がある中で異国から来た私たちを迎え入れ、現地のことをたくさん教えて下さりました。人の温かさを強く感じる時間でした。相手を尊敬し受け入れようとすることに言語や出自は関係ないのだという現地の人の姿勢に感銘を受け、勝手にカテゴライズし、壁を作っていたことを猛省させられました。
また、全て日本のように整備されて決まりがきっちりしていて理論的であり、秩序を重んじる在り方と人の幸せや感性、自由と言うものは必ずしもリンクするわけではないのかなと現地の街並み、人々の様子を見ていて、現地の方々と接していて強く感じました。
この約2週間の活動期間、現地から多くの学びや気づきを得ることができました。与えてもらっていたのはむしろ私たちの方でした。
ボランティアのいうものを定義づけるにはまだ時間と知識が私には足りていませんが、少なくとも渡航前に持っていた二項対立、上下関係的な印象を払拭できたことが大きな変化でした。
私たちの手で行う作業は外壁づくりまでとなります。この後の作業に関してはこれから現地にやってくる同じHabitat for Humanity 所属の別のチームの同志たちに託します。家の完成までを見届けることはかないませんでしたが、こうして建て始めに携わり、活動を通して人の幸せを建てることができたことが本当に良かったと思います。
今回の活動目的を完遂するためには私たちが経験したこと、現地で学んだ価値観、ものの見方、痛感した家という存在の偉大さと必要不可欠さを発信し、より多くの人が住宅問題に関心を持てるようにきっかけを作り続けていくことが重要となってきます。今後も引き続き様々な形でこの活動に関する発信を行ってまいりますのでこれからも温かく見守り、周りの方にも私たちの活動についてお話していただけると誠に嬉しく思います。
クラウドファンディング係
佐藤ひなた 記
(現地のHabitat統括者の方との1枚↑)
今後はこの場でチームメンバー全員の帰国後の思いを紹介してまいります。そちらもお楽しみに!