大分の貴重な野生植物を記録した貴重なスライドフィルム、11万枚。 これらをデジタル化するためには、ただスキャナーでスキャンするだけでは完了しません。 なぜなら、一枚一枚のマウントに、撮影者である荒金正憲による「手書きの文字」で大分の地名や情報が記載されているからです。 ここには、今では使われなくなった「旧地名」も多く含まれています。 これらは最新のAIやスキャン技術でも読み取ることができず、その土地の歴史や古い地名を知る、地元の人にしか判読できない、まさに「人の手」でしか成し得ない作業になります。大分市内での「文字判読会」 このたび、大分市内の施設をお借りして、スライドフィルムマウントの文字判読会を開催しました。 当日は、8名の有志メンバーが参加。 別府生物友の会の皆さんをはじめ、「大分の野生植物を未来に残したい」という思いを共有する仲間が集まりました。 判読会では、テーブルにフィルムを並べ、「これは〇〇村の地名じゃないか?」「この文字は〜と読める」と、皆で知恵を出し合いながら、作業を進めました。 11万枚という膨大な量を前に、作業は長期戦となります。そのため、月1回、こうして集まって作業する日のほか、一部のフィルムファイルをそれぞれの自宅に持ち帰り、時間を見つけて作業を進めていくことになりました。11万枚の記録に挑む これまでに開催した2回の作業で、5冊分(約3,500枚)の読み取り作業が完了しました。 確実に一歩一歩、進んでいます。 次回の判読会は12月に開催を予定しています。 地道な作業ですが、これがやがて大分の自然史を語る貴重な資料として、次の世代へ受け継がれていくことを願っています。






