昨日は、嘉手納の役場と商工会と道の駅にクラウドファンディングのお知らせパンフを持っていきました。
丁寧に対応してくださった職員の方ありがとうございました。
さて、今日は私が錫細工を制作するようになったきっかけと、沖縄と錫の関係を少しばかりお話しできればと思います。
今から7.8年前、僕は沖縄の有名な陶芸工房で働いていました。
ある日、工房に無造作に置かれた新聞の記事で錫細工が紹介されていました。戦後途絶えた錫細工を復興させようと頑張っている青年の記事でした。
この記事にかかれている内容に衝撃を受け、すぐさま錫を購入し、試行錯誤の末に産まれたのが錫ピアスです。
沖縄と錫の関係を、当時の新聞記事の内容を思い出しながら、ご紹介します。
琉球王国時代、錫細工は王府が管理する職として首里に工房を連ねていたようです。女性のかんざしや、神事で利用する器として重宝されていました。
時代が代わり、私たちの島が沖縄と呼ばれるようになった後。第二次世界大戦の業火により首里の錫工房は壊滅しました。
戦後、復興の後押しを受けたやちむん(焼き物)とは違い、復興の後押しを得ることが出来なかった錫細工は、戦後の混乱の中で消えていきました。
この島にリズムカルに響いていた錫を打つ音は、歴史の騒音に掻き消され、人々の記憶から忘れ去られていったようです。
私は、錫について書かれた新聞記事の内容を知り、大切な沖縄のことを想い錫に触れはじめました。錫の魅力はもちろんですが、錫にまつわる沖縄の歴史に心を動かされたのだと思います。
大好きな沖縄の海を錫に刻むこと。沖縄戦の時に米軍が上陸した場所から、世界に発信すること。これらの事にはきっと意味があると信じています。
沖縄の人の笑顔と優しさ、ゆったりとした雰囲気の中にある芯の強さを、錫ピアスから感じ取っていただけると幸いです。