こんにちは。真境名本流、山崎啓貴です。
前回に引き続き、2回目の稽古風景を報告します。
動画は辻花(チージバナ)の稽古風景です。当流明けの会会主、真境名あきがハワイにて披露いたします。苗字が真境名ですよね。真境名本流の舞踊で家元より師範免状を授与され、加えて許名制度により真境名の芸名をもらっている大先生のうちの一人です。
辻花は二代目由苗の創作舞踊で、前回紹介した二題とは打って変わって哀愁や情感が大きく表現された舞踊になっています。
辻の町(沖縄の遊郭街)に生まれた女性(花)をチージバナと言っています。そこでの暮らしはあれど、私も周りの他の女性と同じであるはずと本人は思っているのでしょうか、純粋無垢な女性らしく振舞いたいという心の表れが所作の一つ一つに感じられる舞踊構成になっています。
舞踊の技法的な話で言いますと、側腰(スバガマク)、後ろ腰(ウシルガマク)、という通常の腰使い(ガマク)とは違う技法を取り入れることで、女性らしい身体の線がより自由により大きく見えてきます。ここに真境名本流らしさがあり、ダイナミックな女踊りという表現が成立しているところが僕は好きです。こんな踊りですから何十年と稽古を重ね、師範クラスの方でないとこなせない踊りです。
歌も哀愁、情感を表現するために三人いても独唱形式で歌うことで、その人の声色だけになりより情感が漂う表現になってきます。
しっとりとした創作舞踊もハワイの方々に沖縄の伝統として伝わればいいなと思いました。
では、また次回の報告をお楽しみに(^-^)
※男性舞踊家4人のオフショット 僕はえんじ色